息吹 の商品レビュー
やたら推されているようなので読んだが、自分にはあまりピンとこなかった。表題の「息吹」はこんなものを読者に想像させて大丈夫か?と思うほど読んでると頭がおかしくなってくる。あとは「オムファロス」のキリスト教的な世界観が本当に科学的だとしたら?という逆転の発想は面白かった
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《目次》 「商人と錬金術師の門」 「息吹」 「予期される未来」 「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」 「デイシー式全自動ナニー」 「偽りのない事実、偽りのない気持ち」 「大いなる沈黙」 「オムファロス」 「不安は自由のめまい」
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第6回ビブリオバトル全国大会inいこまオンライン予選会3で発表された本です。チャンプ本。 https://www.youtube.com/watch?v=25pStIUcXfM 2021.2.13 2021.3.14開催の第6回ビブリオバトル全国大会inいこま決勝に進出。
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面白かった 短いSFってちょっと苦手でしたが、ダントツで良かった。自由意志があるように振る舞う必要があるよね
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当代随一のSF作家、テッドチャンの2冊目。前作は心に残るけれど難しい、と思ったんだけど、今作は泣けた。 もう1作目の「商人と錬金術師の門」から文字通り泣いたもんね。事実は変えられないタイムマシンで亡くなった妻に会いに行く夫。泣くしかない。悲しいんじゃなくてよかったよねって。 「ソ...
当代随一のSF作家、テッドチャンの2冊目。前作は心に残るけれど難しい、と思ったんだけど、今作は泣けた。 もう1作目の「商人と錬金術師の門」から文字通り泣いたもんね。事実は変えられないタイムマシンで亡くなった妻に会いに行く夫。泣くしかない。悲しいんじゃなくてよかったよねって。 「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」は心に残った。アナとデレク、どっちの決断を自分なら支持するだろうか…デレクがかわいそうじゃん、みんな結局自分が可愛いんじゃん、と思っちゃったけど。 「不安は自由のめまい」はタイトルが美しすぎて。自由意志ってないかもだけど、だけどその時自分がした決断に意味がないってことはないよ!ってことかな? 本全体から、人間って美しい存在でもないし、完璧じゃないけど、それでも生きることの意味は確実に存在してるっていうメッセージが感じられて、その前向きさが大好きだった。難しいけど。また読み直そう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
テッド・チャン作品がハードSFでありながら広く受け入れられている理由は、映画化のタイトルに象徴されるように「メッセージ」が明快で、美しいことにあると思う。ハードSFらしい現実離れした世界観やアイデアがありながら、詩的で流麗な筆致が読者を引き込み、力強いメッセージを胸に刻んでいく。本当に稀代の作家だと思う。 様々な価値観、背景を持った人間たちが「運命」(世界の運命かもしれないし、自分の運命かもしれない)に直面した時、何を考え、どう振る舞うのかを徹底的に突き詰めていく作品が多い。ここまで多様な価値観を一人で想像できるのか、と驚かされる。 著者は死ぬほど頭が良く、人間の知性を強く信じてもいるので展開は理詰めで緻密で淡々としている。バカが出てきて引っ掻き回したり、暴走して地球が壊滅したりするケレン味の効いた展開は無いに等しい。エンタメ抜群の現代SFにどれほど舌を慣らされているか、思い知らせてくれるという点でも面白い。 テッド・チャンは寡作で、本は第一短編集『あなたの人生の物語』と本書しか出ていない。「テッド・チャンは全部読んだ」と言えるのが嬉しい一方、さみしくもある。 本書で一番好きな話はトリの「不安は自由のめまい」。違う選択をした並行世界の自分と連絡を取る話。SFではお馴染みのコペンハーゲン解釈ネタを、じれったい制約付きで並行世界と通信できるガジェットにする発想が天才的。「あの時こうしていたら…」とは誰しも思うことだろうが、ここにも作者は強いメッセージを放ってくる。 自分の受け取り方は「自由意志があっても無くても、選択をすることには意味がある。あなたを形作っているのはあなたの過去の行動で、未来のあなたを作るのは今の行動だ。」 テッド・チャンが綴ってきたテーマの総決算と言っては過言だろうか。
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『三体』繋がりでサジェストされたので読み始めた。短編集のタイトルと同じ2つめの『息吹』はほんの2〜30ページだけど、長いあいだ私が考えてきたことそのものだし、きっと誰もが考えてきたことそのものなんだと思う。
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全作面白かったけど特に「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」と「不安は自由のめまい」が面白かった! 「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」は、ロボットもの特有の切なさがあって面白い。 「不安は自由のめまい」はプリズムというガジェットを使って並行世界の自分とやり取り...
全作面白かったけど特に「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」と「不安は自由のめまい」が面白かった! 「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」は、ロボットもの特有の切なさがあって面白い。 「不安は自由のめまい」はプリズムというガジェットを使って並行世界の自分とやり取り出来るとかいうめちゃくちゃ映画映えしそうな設定でワクワクした。 それと表題作の「息吹」は面白いというよりも世界観に圧倒される感じで凄く印象に残った。 個人的には前作の「あなたの人生の物語」の方が読みごたえがあって面白かった印象だけど、本書も流石のクオリティでとても良かった!
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表題作が素晴らしい。 人類とは全く異なる宇宙、異なる世界観を持つ異質な生命体の生き様を、平易な筆致で淡々と、かつリリカルに描き出した短編。SFという文学ジャンルにしか描けない爽やかな感動を覚える、正に「瑞々しい」という表現がピッタリくる傑作です。 ただ、鴨的には他の作品群がちょ...
表題作が素晴らしい。 人類とは全く異なる宇宙、異なる世界観を持つ異質な生命体の生き様を、平易な筆致で淡々と、かつリリカルに描き出した短編。SFという文学ジャンルにしか描けない爽やかな感動を覚える、正に「瑞々しい」という表現がピッタリくる傑作です。 ただ、鴨的には他の作品群がちょっと物足りないところも、正直ありまして・・・ これが現代の「世界標準」のSF、なんだと思います。物語としてリーダビリティが高いし、ロジックもしっかりしてるし、登場人物の内面描写も豊かに描き出されていて、本当によくまとまっています。・・・でも、なんだか綺麗すぎて、あっさりと感じてしまうんですよねー。 贅沢な意見だとは思いますが、鴨はもっと熱量のあるSFが読みたいです。良くも悪くも今風、なんでしょうね。 決して面白くないわけではありませんので、そこは誤解のなきよう。ただ、鴨にはしっくりこなかったという、好みの問題だと思います。 そして、表題作「Exhalation」を「息吹」と訳した大森望氏、名和訳だと思います。この作品の本質を、日本語として的確に言い当てていますね。
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悲しい話が多かったが、末尾の「不安は自由のめまい」は明るくて良かった。今自分は当代最高の作家を読んでいるという高揚感ある。
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