昭和天皇物語(13) の商品レビュー
昭和2年、廣田内閣が閣内不一致を理由に総辞職し宇垣一成大将に大命が降下する。しかし、石原莞爾大佐は陸軍首脳を説得して宇垣に大命辞退を働きかけ、それに失敗すると軍部大臣現役武官制を利用して宇垣の組閣を阻止した(本書では詳細は描かれていないが)。次の林銑十郎内閣も短命に終わり、陸軍掣...
昭和2年、廣田内閣が閣内不一致を理由に総辞職し宇垣一成大将に大命が降下する。しかし、石原莞爾大佐は陸軍首脳を説得して宇垣に大命辞退を働きかけ、それに失敗すると軍部大臣現役武官制を利用して宇垣の組閣を阻止した(本書では詳細は描かれていないが)。次の林銑十郎内閣も短命に終わり、陸軍掣肘を期待され近衛文麿が首相に就任する。しかし、盧溝橋事件を皮切りに中国での戦火は拡大し、近衛は不拡大方針を唱えながら陸軍にずるずると引きずられていく。石原は事態の泥沼化を憂慮し天皇に外交交渉による解決を進言、船津振一郎による和平交渉に繋がるが、大山事件を機に戦火が上海、南京へと飛び火し交渉は頓挫する。石原は更に近衛に蒋介石との直接会談による解決を提案するが、これも実現せず却って関東軍に左遷されることとなった。こうした石原の言動には天皇も関心を抱き、ニ・ニ六事件についてだが戦後になって石原を次のように評している。 「一体石原といふ人間はどんな人間なのか、よく判らない、満洲事件の張本人であり乍らこの時の態度は正当なものであつた」(昭和天皇独白録) 本書では石原が外交交渉を進言した際に天皇が「石原、…おまえはおかしな奴だ」と発言しており、天皇の石原評は日中戦争への態度にも当てはまるということだろう。
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誰を信じたら良い? 誰を? 誰を? 顕微鏡を覗きながら、戦争へ向かう日本兵たちを想像する昭和天皇の姿が印象的だった。これだけの影響力を持っていても、人の流れを変えることはこんなにも難しい。
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★3.5。 結構曖昧な描き方になってきましたね、どういう意味での確信犯なのか、分かってはいましたけれど、この後の展開でこのマンガ家の力量が決まりますかな。
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<目次> 略 <内容> いよいよ日中戦争が勃発。陸軍の暴走が止まらない。天皇の力は無力で、外交も空回りを続ける。私利私欲に走る軍人たち…。
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