ルポ新宿歌舞伎町 路上売春 の商品レビュー
最近ニュースで何かと立ちんぼ女子やトー横などが報道されているけど表面的なニュースが多いので取材を記録したこの本を読んでみた。 元々フライデーの記者とか書いてあったから、この方の他の本は読んでないが、取材はよく出来ているものの、読み物として独自の視点や切り込みがあるようには感じな...
最近ニュースで何かと立ちんぼ女子やトー横などが報道されているけど表面的なニュースが多いので取材を記録したこの本を読んでみた。 元々フライデーの記者とか書いてあったから、この方の他の本は読んでないが、取材はよく出来ているものの、読み物として独自の視点や切り込みがあるようには感じなかった。 とはいえ、立ちんぼの女の子に1年なり時間をかけて取材している。 売春買春に対しての罰則がない法的な問題もあるし、 若い女性達が簡単に自分の身体を売る事に最初は疑問を感じたが取材された女性達は家庭環境に問題を抱えている子も多いなと感じた。 帰る場所がない事、家族に大切にされているという実感が無いこと、 そしてそういう生い立ちを持つ子ほどホストやメンコン、メン地下のお金で買える偽物の愛情に簡単にハマってしまう。 何でそんな。。。中年がキャバクラで色恋求めるとかいう訳でもない年齢がと思うが、本当に人に愛された実感や記憶がない人はそれが偽物の愛とは気がつかない。もしくはお金を払って優しくされるならそれで良いとさえ思っているのかもしれない。 ホストは支払い能力のない若い子を餌食にしている。 キャバクラは男性が会社のお金や経費にする事も多くそれに比べてエグい商売。 いわば女性に性風俗をやらせてその売り上げで自分達のホストを成り立たせているという、「人として。。、」思わざるを得ない絶妙な気持ちになる。 それでも彼女達は「担当のためなら」と毎日公園の側に立つ。 売春買春の罰則を法律でしっかり定めるのか、ホストの売掛を取り締まるのか、家庭に問題を抱える子供を救済するのか。 全てをやらないと解決しないのかもしれない。
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取材・調査に深みがあって面白い。終章の問題提起には割と同感。自分も発達障害側とセックスワークは良くも悪くも隣接してるように感じるし、愛着障害に関する本もボチボチ読んでいかないとなあと感じた。あとセックスワークという概念からすると、路上売春の人達は自分のやることを労働とは自認しなさそうだし、ましてや連帯なんて絶対に嫌がりそうな感じもして悩みが深まった。
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タイトルのとおり。 歌舞伎町(特に大久保公園のあたり)での路上売春について、筆者本人が立ちんぼたちにインタビューした結果と共に書かれている。 ヤクザ、売買春、ホスト、複雑な家庭環境、精神的な疾患や障害等々、歌舞伎町でよく聞く話が色々と出てくる。考えさせられる。
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歌舞伎町の大久保公園周辺にて、路上売春(所謂、立ちんぼ)を行う女性8名のインタビューに加えて、新宿という土地と売春行為の繋がりを歴史的な経緯から辿る一冊。 新宿の路上にて、自身の身体に手頃な値段を付けて容易く売り払ってしまう女性達。月並みな言葉になるが、「もっと自分の心と身体を...
歌舞伎町の大久保公園周辺にて、路上売春(所謂、立ちんぼ)を行う女性8名のインタビューに加えて、新宿という土地と売春行為の繋がりを歴史的な経緯から辿る一冊。 新宿の路上にて、自身の身体に手頃な値段を付けて容易く売り払ってしまう女性達。月並みな言葉になるが、「もっと自分の心と身体を大事にしなよ……」と思う。けれど、それが出来ない。彼女達の話を聞くと、いずれも親の虐待や育児放棄、経済的困窮から「愛された記憶がない」と語っている。最も身近な人間と、十分な愛情や信頼関係を築くことができなかった女性達。ゆえにそれが仮初であっても、ホストから愛情らしきものを示されれば、それを全ての拠り所にしてしまう。そうして幼少期に出来た心の穴を今必死に埋めようとしているのではないか。それを思うと、哀しい。 中でも、最終章で書かれた立ちんぼで日銭を稼ぐ60〜70代の老女の話は本当にグロテスクだった。路上に立って来るとも知れない客を待ち続けるなど、年齢的にも体力的にも限界だろうに。これまでの人生において売春以外での生計を立てる術を知らないから、彼女は未だに新宿の路上にその身を置いている。 だが現在の新宿はホスト・メンコン文化の拡大により、10〜20代の若い素人女性が多数やってきては手頃な値段で春を売る。そのような売春を好む客にとっては好環境の中、地面に蹲る白髪混じりの哀れな老女の需要はほぼないに等しい。たまに物好きな客や、超熟女好きがやってきて商談が成立することもあるようだが、それが常ではない。客が捕まらずに実入りがなかった日は、ネットカフェに泊まることすらできず、雨風を凌げる場所を探して街を彷徨っているそうだ。その情景を想像するとなんともうら悲しい気持ちになる。 おそらく著者の見立て通り、彼女はなんらかの精神的な病を患っている可能性があるだろうが、本人に病識がなく治療も希望していない場合はこちら側から医療や福祉に繋ぐことはできない。それもまたもどかしい。 携帯も4年前に解約されたきり、成人して独立した一人娘とは一切連絡が取れていないようだ。「元気でいるか、コロナにはなっていないか。自分ではなく娘のことだけが気がかり」と語る老女からは、路上に立つ見窄らしい姿の彼女からは窺い知れない「母親」の一面が垣間見える。わたしが彼女に出来ることなどは何もないのだろうが、せめて著者同様に、彼女にはどうか元気でいてほしいと願う。そればかりだ。
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いたましい。 60代と見られる街娼の方のインタビューは、読んでいるこちらの心が砕けてしまいそうなほど、ただただ、いたましいものだった。
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