因果の刀 の商品レビュー
現代から江戸時代へタイムスリップする話は幾つかあるものの、近未来の日本の中に属国として江戸を再現するという荒技は本シリーズだけ。 なのにタイムスリップものよりも江戸の表現が優れているように感じるのは、時代小説がメインの西條さんならではです。 そしてシリーズ第3弾の本書は明暦の大火...
現代から江戸時代へタイムスリップする話は幾つかあるものの、近未来の日本の中に属国として江戸を再現するという荒技は本シリーズだけ。 なのにタイムスリップものよりも江戸の表現が優れているように感じるのは、時代小説がメインの西條さんならではです。 そしてシリーズ第3弾の本書は明暦の大火まで再現してしまう荒技の一方で、牢役人として石田帯刀家の直系子孫を登場させる芸の細かさまで披露するなど、どんどん進化していきます。 金春屋メンバーの造形のこなれ方や、ゴメスの驚くべき過去など、読みどころを挙げればキリがないほど面白い。
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「金春屋ゴメス」の3冊目。 って、前の巻を読んだのは2009年5月(15年前!)で、今は「芥子の花」に変わっているタイトルも「異人村阿片奇譚」という版だった。今ごろ続きが出ようとは…。 なので、どういった話かをすっかり忘れていて、“人が月に住む近未来の日本で、関東と東北の間に人...
「金春屋ゴメス」の3冊目。 って、前の巻を読んだのは2009年5月(15年前!)で、今は「芥子の花」に変わっているタイトルも「異人村阿片奇譚」という版だった。今ごろ続きが出ようとは…。 なので、どういった話かをすっかり忘れていて、“人が月に住む近未来の日本で、関東と東北の間に人工的に江戸時代を再現した「江戸」という国が存在”という設定にそんな話だったかと驚き、自分の以前のレビューを見て、そうだったんだと思った次第。 登場人物も話の流れも前2作を受け、鬼赤痢や阿片などの事件にも触れられるが、覚えていなくても問題はなかった。 お話はその阿片流出事件について日本から査察団が入ってきたところからスタート。査察団の隠された真の狙いを前にして、ゴメスをはじめ長崎奉行所の面々が奔走する。 江戸の風情の上に、殺人事件の謎解きや大火の中での脱出劇、ハイテクローテク織り交ぜながら進む話は、「江戸国」という設定が良く活かされていて、最後まで面白く読める。 あることによって動きを封じられたゴメスに代わって、辰次郎と朱緒を中心に裏金春の面々は元より幕閣のお偉方やら役人までもがそれぞれ良いところを見せるのが今回のミソだが、何やかや言いながらゴメスについていく面々がなかなかかわいらしくて好ましい。 また忘れた頃に続きが出るのかしらんね?
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ひっさびさのゴメスです!前作から結構経ってて、登場人物がなかなか思い出せませんでしたが…いやぁ面白かった~!にしても、ゴメス親分の経歴がスゴすぎて…いったい何歳なんだ?!本編はもちろん面白いんですが、おまけ劇場もなかなか…ほぅ、そんなエピソードが!って感じで良かったです。
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ゴメス、やっぱり無敵だw 久々すぎて、ゴメスは女性だったよね?というところに自信がなくなってたけどw 豪快すぎるその姿に言動。なのにお名前が「寿々」というのも愉快。 江戸国という特殊な設定がうまくいかされていて最初から最後まで目がそらせない展開。 ゴメスの部下たちも個性的で好き。...
ゴメス、やっぱり無敵だw 久々すぎて、ゴメスは女性だったよね?というところに自信がなくなってたけどw 豪快すぎるその姿に言動。なのにお名前が「寿々」というのも愉快。 江戸国という特殊な設定がうまくいかされていて最初から最後まで目がそらせない展開。 ゴメスの部下たちも個性的で好き。 黒幕のあの執念は恐ろしい。 それにもましてタイトルにもなっている「因果の刃」の意味が凄まじい。そんなことを思いつくゴメスって。 作中に「トコジラミ」が登場して、まさか、作者様何か先読みした?!とびっくりしたし。 なんにしても、この続きを、今度はこんなに間があかないうちに読ませてほしい。
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相変わらず格好良いゴメスである。とはいえ、近くに使える者たちにしてみれば、恐怖と我儘の塊であり、日々緊張の糸が張り詰めているのは明らかだが。近未来の日本の1画にあり鎖国している江戸が舞台という独創的な設定なので、レアアースに絡む日本の政治家との駆け引きや、関連する殺傷事件が後を絶...
相変わらず格好良いゴメスである。とはいえ、近くに使える者たちにしてみれば、恐怖と我儘の塊であり、日々緊張の糸が張り詰めているのは明らかだが。近未来の日本の1画にあり鎖国している江戸が舞台という独創的な設定なので、レアアースに絡む日本の政治家との駆け引きや、関連する殺傷事件が後を絶たず、ずいぶんな被害も出したが、江戸壊滅を免れたのはゴメスの先読みと行動力によるものに他ならない。 長崎奉行になる経緯が明かされた番外編も興味深い。
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金春屋ゴメスシリーズ、3作目。 前2作を読んだのがちょうど10年前。続編をずーっと待ち焦がれていただけに、今回新作が出て嬉しさ爆発したのだけれど、さすがに覚えてなさ過ぎて、一から読み直した。で、これは、間違いなく前2作を読み直してから読んだほうが良い。事件の背景や、人間関係もが...
金春屋ゴメスシリーズ、3作目。 前2作を読んだのがちょうど10年前。続編をずーっと待ち焦がれていただけに、今回新作が出て嬉しさ爆発したのだけれど、さすがに覚えてなさ過ぎて、一から読み直した。で、これは、間違いなく前2作を読み直してから読んだほうが良い。事件の背景や、人間関係もがっつり前作からの続きなので、うろ覚えのまま読むのは勿体ないかな。全く読めないわけじゃないけど。 とりあえず、このシリーズはまず設定が大優勝。近未来日本の中に鎖国体制の江戸国を新たに置くという設定が上手く機能している。黒幕の正体が意外に小物で拍子抜けしちゃったけど、ゴメスのキャラが相変わらず爆発してて良い。豪快なんだけど、繊細なところもあったり、意外と複雑で可愛いんだよね。まだまだシリーズ続編作れると思うので、ぜひぜひお願いします。
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- ネタバレ
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読み終わった感想「続いてほしい!」だった。もう続かないだろうと勝手に思っていたゴメスシリーズにまさかの続編。 最初は前のシリーズのことを思い出しながら読んでたけど、最後は面白くて夢中で読んでしまった。 それにしてもゴメスの化け物度がハンパない。 頭も良くて怪力とか化け物すぎるやん。 パワハラされてる手下の人たちも可愛そうなんだけど、あんまり悲壮感ないのが救いか。 直接的な暴力はあるけど、精神攻撃が少ないからなんだろうな。 しかし、江戸が火事で丸坊主になってしやったけど、どうやって復興するんだろうか。マリアの会社から復興資金ぶんどれたりするんだろうか。
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西條さんのデビュー作『金春屋ゴメス』のシリーズ第3巻 『金春屋ゴメス』は2005年11月に出版され第17回日本ファンタジーノベル大賞の大賞を受賞しました。月に人が住む近未来の日本。その関東・東北の一部が「江戸国」として独立し、住民たちは名前の通り江戸時代の生活を営む。その江戸国の...
西條さんのデビュー作『金春屋ゴメス』のシリーズ第3巻 『金春屋ゴメス』は2005年11月に出版され第17回日本ファンタジーノベル大賞の大賞を受賞しました。月に人が住む近未来の日本。その関東・東北の一部が「江戸国」として独立し、住民たちは名前の通り江戸時代の生活を営む。その江戸国の実力者の一人が金春屋ゴメス、身長2m体重172㎏、飲むのも食うもの桁外れ。気に入らない事があれば誰も止めることが出来ないほど暴れまわる怪力ではあるが、女性。正式名・馬込播磨守寿々、マゴメスズの上下を省いてゴメスと呼ばれる。ちなみに金春は実在の地名。能役者・四家のうちの一つである金春が屋敷を構えた銀座八丁目六・七・八番地で、今も金春通りという地名が残っている。ゴメスがここに建つ料理屋・金春屋を根城にしたので金春屋ゴメスと呼ばれる。 シリーズ第3作と言っても『金春屋ゴメス』が2005年、続編『芥子の花』(『異人村阿片奇譚』改題が2006年9月ですから17年ぶりの第三作になります。もっとも先の2作は2022年に再版されているので、それを受けての続編の様です。 江戸国内に眠る資源を目当てに、江戸国の開国と明け渡しを迫り卑劣な手段を使う日本国に対し、それに立ち向かうゴメスとその子分たちというストーリー。 しかし、どうも乗れませんでした。改めて第1巻2巻の感想を見てみると、 「シリーズ第1巻の「金春屋ゴメス」には登場人物の紹介が有ったはずですが、それを読んでいないので最初は上手く入りこめず挫折しかけました。多分に登場人物のキャラと背景設定の特異さで成り立っている話のようなので。」(『芥子の花』) 今回も一緒ですね。何せ10数年ぶりの新作なのに、背景・人物説明はほぼ皆無。そのためついていけないところも多く。どうも前作を予習して読まないとダメな様です。また 「強いキャラを持ちながらも、一方でストーリはしっかりしていて、捕り物的な面白さと、人情物のしっとり感が上手く配分されています(好みで言えばもっと人情に寄って欲しいのですが)。」(『金春屋ゴメス』) これも同じですね。どうも人情的なしっとり感はシリーズが進むにつれ減少傾向にあるようです。 と言う訳で、途中からは速足で読了しました。
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ゴメス劇場仕舞いました。ゆっくりのんびり(途中風邪に見舞われるって事)登場人物も名前だけで思い出せないが、得意分野でそうだねという感じで、辰次郎に松吉が中心人物ですが、あっ十三もラストに江戸に現れたよ。松吉が奈美を、辰次郎が朱緒を好きでのドタバタなんだけど、事件が起きて解決する柱...
ゴメス劇場仕舞いました。ゆっくりのんびり(途中風邪に見舞われるって事)登場人物も名前だけで思い出せないが、得意分野でそうだねという感じで、辰次郎に松吉が中心人物ですが、あっ十三もラストに江戸に現れたよ。松吉が奈美を、辰次郎が朱緒を好きでのドタバタなんだけど、事件が起きて解決する柱なんだよね、江戸の街の再生もあるし 前2作の事件も含んで物語にしているのが上手ですね。江戸なんだけど時代劇にはなっていない。読み終えて沁みるもないし、ワクワク感ないし、うーんやっぱりゴメスの癖が凄いって事
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江戸国のみなさま うかうかしてると 日本に好きなようにされますわよ ほら そこにも ここにも 日本の手の者が いらっしゃいますわよ ところで 私も黒鬼丸に乗ってみたいのですが…… 振り落とされて踏み付けられるのがオチですか やっぱり 諦めましょうかねぇ
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