アミュレット・ホテル の商品レビュー
犯罪者専用ホテルで全く警察が介入しない中での不可能犯罪に挑むって、よくこんなことを思い付くと感心する。その設定力には感心するが、登場人物たちがイマイチ魅力が薄い。まあ、話の本筋が謎解きで、私がそう云うのはあまり興味がないかな?でも、悪くはない
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竜泉家シリーズ(の特に1作目)で魅了された方丈貴恵の新作と聞いてすぐに取り寄せて読んだが…。 面白くないというわけではないけど、先を読み進めようという気がなかなか起きない一冊だった。 「犯罪者たちだけのホテル」という特殊設定。 起きる事件は、一流の推理力と一流の殺人スキルを持つホ...
竜泉家シリーズ(の特に1作目)で魅了された方丈貴恵の新作と聞いてすぐに取り寄せて読んだが…。 面白くないというわけではないけど、先を読み進めようという気がなかなか起きない一冊だった。 「犯罪者たちだけのホテル」という特殊設定。 起きる事件は、一流の推理力と一流の殺人スキルを持つホテル探偵に一流の犯罪者として挑戦するための犯罪という位置づけだから、作品の重きはストーリーよりもトリックにかなり傾いていて、動機も軽いし手段も問わないし、 「えぇ〜、そんなこと、するぅ?できるぅ?」 のオンパレード。 まあ、フーダニットハウダニットに集中している本格ミステリーと言えるのだろうけど、屁理屈こねくり回されているような解決編たちに爽快さはなかった。 当事者になった犯罪者たちの誰も彼もが真面目に事件を考察する気がなく、とりあえず一番犯人っぽいやつを始末して終わっとけばそれでイイジャン!的なスタンスなのは安っぽくて残念だった。 話の強引さで言えば、ep1の真相からしてまどろっこしかったが、一番気になったのはep3で、起死回生となった付着物にホテル探偵が気付いた明確なきっかけもなかったし、なんというか攻略本見ながら進めてるミステリーゲームみたいで、脈絡なくヒントに気付く展開に醒めてしまった。 …と思ったが、今にすればこの胡散臭さすらある推理の強引さは、竜泉家の2作目でも片鱗が見えていたようにも思う。 (砂時計と甘美は好き)
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犯罪者専用ホテルを舞台にした連作短編集。ほぼ謎解きをメインにしているが、この構成と言うか順序が絶妙。警察も出て来ない、全てホテル完結の事件の解明が面白い。続編あれば必ず読みたい。
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犯罪者の泊まるホテル。 ホテル内での傷害や殺人は禁止されていて、もしも破った場合は同じ手段で殺される……というもの。 主役は一応はホテル探偵かな。
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連作短編小説なので物語の展開が早くサクサク読める。特殊なホテルなので、登場人物を深入りしたり、宿泊者の過ごし方、ホテルの仕事(偽造パスポートの提供など)を見てみたかった。少し物足りない。長編で読んでみたい!
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王様のブランチで紹介されていて、おもしろそうだと思い購入。初めての著者です。 全体的に軽い文体で読みやすくはあったのですが、個人的にイメージが被ってしまうキャラクターがいて、読み進めていっても誰がどのキャラだったかイマイチ覚えきれなくて何度も行ったり来たりしました。 トリックに...
王様のブランチで紹介されていて、おもしろそうだと思い購入。初めての著者です。 全体的に軽い文体で読みやすくはあったのですが、個人的にイメージが被ってしまうキャラクターがいて、読み進めていっても誰がどのキャラだったかイマイチ覚えきれなくて何度も行ったり来たりしました。 トリックに関しても、正直それはさすがに無理があるような…と思ってしまい熱が冷めてしまう話もありました。 エピソード1→0→2→3の並びで、まずホテルのルールを頭に入れてから主人公の過去を知る設定は面白かった。1からまんまと騙されたw 連作短編の徐々に話がつながっていく気持ちよさも味わえたし、メインのキャラクター達はドラマ化できそうなくらい魅力的でした。 個人的には「一見さんお断り」のスピード感と、"アミュレットホテル"の名前にちなんだ"アレ"のおしゃれさが好きでした。
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アミュレット・ホテル。犯罪者御用達の会員制ホテルである。 有力な犯罪者たちの信頼を得ているだけあって、警察の介入は一切許さず宿泊客の安全を守り切る。犯罪に必要なものもルームサービスで届けてくれさえする。 まさに至れり尽くせりである。 ホテル利用に際しての条件は次の2つ。...
アミュレット・ホテル。犯罪者御用達の会員制ホテルである。 有力な犯罪者たちの信頼を得ているだけあって、警察の介入は一切許さず宿泊客の安全を守り切る。犯罪に必要なものもルームサービスで届けてくれさえする。 まさに至れり尽くせりである。 ホテル利用に際しての条件は次の2つ。 ①ホテルに損害を与えないこと。 ②ホテルの敷地内で傷害・殺人などの事件を起こさないこと。 だが、そこはひと癖もふた癖もある犯罪者たちのこと。禁を破り厄介事を引き起こす輩も出てくる。完全犯罪を狙ったものも多い。 そんなとき登場するのがホテル探偵・桐生だ。 桐生はホテルのマネージャー然とした華奢な女性だが、ひとたび事件に遭遇すると速やかに謎を解いて犯人を確定し、犯人に相応の対価を支払わせるところまで請け負う。 抜群の頭脳のサエ、相手を瞬殺する技のキレ。ホテル取って置きの切札、桐生の活躍を描く連作短編ミステリー。 ◇ ホテル別館11階の1室でひとりの男が殺されていた。事件を知らされたオーナーの諸岡に呼ばれた桐生が、すぐ駆けつける。 すぐ判明したことは、死んだのは佐々木という強請屋であることと、ここは詐欺グループのボスである信濃の部屋であって、佐々木の部屋ではないということだ。 そして何より重要なのが、この部屋は完全な密室になっており、死体の近くには気を失ったホテル従業員が倒れていたということだった。 佐々木が信濃の部屋で殺されていたのはなぜか。佐々木のそばで従業員が気絶していたのはなぜか。佐々木を殺した犯人はどのようにして密室から外に出られたのか。 犯人探しの前に解くべき謎に挑む桐生。さて真相は。(Episode1「アミュレット・ホテル」) 全4話。 * * * * * ここまでのパズラー小説にはなかなかお目にかかれません。読み終えて十分に満腹感を味わえる作品でした。 ホテルの特性を活かした凄まじい密室殺人のオンパレード。トラブル厳禁ルールを破ってまで殺人を犯すのだから、相手の繰り出すトリックはかなりの難問揃いです。 もはや密室殺人ぐらいでは驚くに値しません。消える凶器や傀儡殺人、なりすまし殺人等、複雑怪奇なストーリーに圧倒されるばかりです。 ( 飴細工のダミーナイフには少し疑問を感じないではないけれど、プロの殺し屋なら可能なのだと思うことにしました。) ともあれ方丈貴恵さんの緻密な構成には舌を巻かずにいられない。そんな作品でした。 ところで、第2話に配された Episode0に桐生の前身とホテル探偵就任のいきさつが描かれていますが、物足りない気がします。 桐生は主人公としてなかなかに魅力的だからです。 桐生がどんな生い立ちを持っているのか、暗殺者としてどのように訓練を積んできたのかをぜひ詳しく知りたいと思いました。 不可能な暗殺を可能にして見せる天性の暗殺者、桐生。伊坂幸太郎さんが描く殺し屋とは趣を異にする殺し屋像を読んでみたい。そんな贅沢なことを願わずにはいられませんでした。
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Amazonの紹介より 警察の介入が一切なく、偽造パスポートでもグレネードランチャーでもルームサービスでお届け可能な犯罪者御用達ホテル。そこでは守るべき2つのルールが存在する。①ホテルに損害を与えない。②ホテルの敷地内で障害・殺人事件を起こさない。そんな絶対的なルールが破られる時...
Amazonの紹介より 警察の介入が一切なく、偽造パスポートでもグレネードランチャーでもルームサービスでお届け可能な犯罪者御用達ホテル。そこでは守るべき2つのルールが存在する。①ホテルに損害を与えない。②ホテルの敷地内で障害・殺人事件を起こさない。そんな絶対的なルールが破られる時、ホテル探偵が独自の捜査で犯人を追い詰める。 方丈さんの作品というと、タイムトラベルやVRなど近未来の「アイテム」とミステリーの融合で、新たな本格ミステリーを楽しめているのが印象的なのですが、今回は犯罪者だらけのホテル。 近未来というよりは、現代に近い時代設定だなと思いましたが、それでも状況がもう面白かったです。シンプルなルールを提示していますが、深掘りしてみると、様々な盲点が垣間みえていきます。実行するのがプロなので、密室といったことはお茶の子さいさい。そういった難しい条件の中でも、推理していく「プロ」。連作短編集なので、様々な事案が紹介されているのですが、こんな方法があるんだと読むたびに意表をつかれました。 詐欺や殺し屋など犯罪者達が魅力的だけでなく、全部が異常なのに「普通」と感じてしまうエンタメさも良かったです。 物語の構成も親切さが伺えます。最初の章では、ホテルの実情がわかるよう、ある密室殺人を通して、全体像がわかっていきます。小説だけでしか味わえないちょっとした仕掛けがされていて、自分は騙されました。 次の章では、主人公の過去が描かれています。いかにして、今の職に就いたのか。エピソード0として描かれていますが、是非ともエピソード0だからということでここから読むのではなく、最初のエピソード1から読むことをお勧めします。(先ほどの「仕掛け」に響くので) エピソード2では、「素人」目線でのホテルの実情を中心にある紛失及び殺人事件が描かれています。 そしてエピソード3では、ホテルオーナーの過去を中心に、ある不可能殺人が描かれています。 どの事件も、意表をつく展開と謎解きが面白く、楽しめました。 新たなシリーズになるのでは⁉︎と思うくらい、色んな犯罪者との出会いと話の拡がりがありそうで、続編があったならば楽しみです。
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犯罪者しかいないホテルが舞台のコミカルな本格ミステリ。とてもおもしろかった。短編集なので読みやすかったし、映像化にも向いていそうだ。好みは『一見さんお断り』で、話がどんどん意外な方向に進んでいくのがよかった。
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犯罪者御用達ホテルと聞くとあの映画を思い出し、アクション映画の頭で読み始めるもすぐに「これは方丈作品だったんだ」と目を覚まさせられる。 無法地帯な環境、被疑者は全て犯罪者のため環境をうまく活用してくるVSホテル専属探偵の特殊設定ミステリ 1話目:ホテルのルールをおさえつつ 0話...
犯罪者御用達ホテルと聞くとあの映画を思い出し、アクション映画の頭で読み始めるもすぐに「これは方丈作品だったんだ」と目を覚まさせられる。 無法地帯な環境、被疑者は全て犯罪者のため環境をうまく活用してくるVSホテル専属探偵の特殊設定ミステリ 1話目:ホテルのルールをおさえつつ 0話目:ホテル専属探偵になるきっかけ 2話目:ホテルの存在を知らない人からの視点 3話目:ホテルのオーナーの過去にまつわる因縁 と徐々に濃さとボリュームを上げつつ掘り下げてくれるので、この感じで各キャラをもっと知っていきたい。 犯罪業界内での年間犯罪大賞クライムオブザイヤーや、そもそもホテル内で殺人は起きてはならない禁忌として起きながら結構起きているなどのハードにならない"ゆるさ"があり、イラストもどこかユーモラスさがある。 読んで登場人物と照らし合わせていた時にミルキー杉山を思い出した。 被疑者が集い探偵が推理を始めると、皆犯罪者なのに皆不安や苛立ちを見せると。いつものミステリモノと同じような感覚で捉えてしまう。 普通の人と同じように見えるのに突然犯罪者の要素が顔を出す。 そこらへんの感覚がおかしくなるのも少し久しぶりでした。 (殺し屋が主人公系の話でたまにある)
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