くらべてわかる 蛾 1704種 の商品レビュー
良シリーズについに蛾が登場、非常に楽しみで発売日に書店に取置きをお願いしておいた。 1704種とかなりの掲載数で、それも全て白背景に生きた個体の姿が紹介されている。 どうも日本の蛾は約7000種もいるらしく、まだまだ足りないがそれでもよく見かける種はある程度掲載されているのでは...
良シリーズについに蛾が登場、非常に楽しみで発売日に書店に取置きをお願いしておいた。 1704種とかなりの掲載数で、それも全て白背景に生きた個体の姿が紹介されている。 どうも日本の蛾は約7000種もいるらしく、まだまだ足りないがそれでもよく見かける種はある程度掲載されているのでは。 さらに芋虫毛虫姿の幼虫たちが278種というおまけにしては大ボリュームで紹介されているのも嬉しい。 アケビコノハの体の模様に宇宙を見、シャチホコガのクリーチャー感あるフォルムにキュンとなる。 本文中の『美しい毛並みが台無しに…略』という一文から著者らの蛾愛が伺えた。 彼らと触れ合うときは身体の下に小枝をそっと差し入れると捕まってくれるらしい。 蝶と呼ばれる者たちに比べるとやはり地味さは否めないが、中にはハッとする程に美しい子も。(ハンノキスイコガネ、クロハネシロヒゲナガのキラキラ感!純白に輝くムモンシロオオメイガ!ニジュウシトリバガの繊細さ!) 落ち着いた色合いでも緻密で複雑な模様を描き、特にイボタガなどは熱心なファンがいるのも頷ける。 蛾の図鑑をめくっていたはずが着物やドレスのカタログを眺めている錯覚に陥ったほど。 私がもしファッションデザイナーなら蛾たちの翅の模様をそのまま採用させていただく。 シタバガ族なんて、シックなブラウンの前翅の下に蒼や橙、山吹、白といった艶やかな後翅をチラ見せしており皆一様に洒落ている。 眺めるだけでも目の保養になるが図鑑としても非常に優秀。 種から引ける目次、あいうえお順の索引はもちろん、一部の種を色から引ける頁があり、蛾の写真だけで構成されるグラデーションがとても綺麗でわかりやすい。まさに“くらべてわかる”図鑑。 ◆以下は気になった蛾たち。 ・コバネガ、原始的なチョウ目で咀嚼できる大顎を持つ。本書ではカズサヒロコバネ一種のみ紹介。 ・チャノハマキホソガ、リンゴハマキホソガの立ち姿勢が面白い。後脚を翅に隠して前脚中脚を行儀良く揃えて止まっている。 ・ナナカマドメムシガ、モチツツジメムシガにいたっては逆立ちして止まる。しんどくない? ・可愛い オオウスベニトガリメイガ、ウスオビトガリメイガ、マドガ、ミノウスバ、モモブトスカシバ、モントガリバ、カシワマイマイ、イカリモンガ、アカスジアオリンガ、アオスジアオリンガ 私の推し蛾は断然フユシャク、ミノガの雌である。大人になっても飛ぶことができず、ひたすら雄を待つ生態をいじらしく感じてしまうのだ。 イチオシのフユシャクはプチグロトゲエダシャク、むりゅっとしてかわいかろう。 いや、しかし王道だがスズメガ系(オオスカシバちゃん!♡)やヤママユ系(ウスタビガぁ!♡♡)のあざとかわいさも捨てがたいところ。迷う。
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身近で見かけた蛾の種類が分からなかったり、よく似ている種と迷ったりしたとき、とても役立つ図鑑。 写真は大きくて見やすく、それぞれの蛾の形、模様の美しさを味わえる。 冒頭に「色で調べるガの早見表」(「赤色」「緑色」「白色」「白黒」「透ける」)があるのも有り難い。 蛾1704種に比べ、幼虫の掲載種が278種と少ないのが唯一残念だけれど、全体のボリュームを考えたら仕方のないところか。 娘が学校で見かけて、名前が分からなかった蛾も、本書の早見表で「透ける」の項を探して、「カノコガ」であったことを確かめることができた。 また、昔写真を撮ったものの、スズメガの一種としか分からなかったものが「ホソバスズメ」であったことも分かった。 見て楽しいだけでなく、使い勝手の良い、とても実用的な図鑑。
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