東東京区区(1) の商品レビュー

かつしかけいた(著者)

2024/08/19

東東京に住む年齢も背景も違う3人が知り合い、散歩仲間になって地域の今や歴史を知っていく。
インドネシア人と日本人を両親に持つ大学生のサラ、町工場で働く父と喫茶店を経営する母を両親に持つエチオピア人の小学生セラム、学校が合わないので行かない選択をした中学生の春太の3人が主人公。
ここで言う「東東京」は「23区東部」のことなので、足立区、葛飾区、江戸川区、荒川区、台東区、墨田区、江東区のいわゆる下町を指している。私は結婚を機に、それまで住んでいた杉並区から台東区へと移り住んでもう10年以上過ぎてはいるけど、歴史と今に至るまでの変化について知ることができて、街を歩くことが楽しくなる内容だった。

2023/12/10

江東区に住んでいます。最寄りの書店で、地元が登場する書籍を紹介しており、その中の一冊が本書でした。町の歴史を学ぶことができ、いってみたい場所が増えていきました。東京にエチオピア出身の人たちが約170人在住しており、その約半数が葛飾に住んでいることも本書で知りました。3人の主人公が登場しますが、それぞれの生い立ちが多様なので、多くの新しい視点を提供してくれています。
インドネシア人と日本人のハーフの大学生サラと、立石でカフェを営むエチオピアから来た家族の8歳のお子さんセラムちゃんと、不登校の中学生か高校生の春太くんの3人です。
ひょんなきっかけから散歩仲間になったトリオが東東京の街を案内してくれます。
ゆったりとした時間を過ごせました。

2023/10/08

袖振り合うも多生の縁と繋がった３人。

NHKの72時間で立石飲んべえ横丁を見ました。
再開発で消えてしまった立石の一つ。

一度は行きたい柴又。草団子の食べ比べを私もしたいなあ。
帝釈天に山本亭も行きたい。

そうか、坂道が無いんだ。

墨田区の防災団地白髭東アパートって対岸からはこんな風に見えるんだ！
窓が全部シャッターで閉まって
この団地が防波堤になる仕組み
はテレビで見ていたけど、凄い建物なんだわぁ。

区区をまちまちと読むのね。

地元発見冒険譚。
面白かったです。

2023/08/26

立石のスナックに通ってママに上京以前、上京以後の話を聞き続けたことがあります。都築恭一「天国は水割りの味がする: 東京スナック魅酒乱」に影響受けた訳じゃないけど…女の昭和史オーラルヒストリー。早めに行くとお孫さんがカウンターで宿題やってたなぁ。この漫画の主人公のひとり8歳のセラムを見て思い出しました。その時、立石って元から住んでた人と、昭和の歴史の中で東京に来た人が東京からちょっと離れた周辺部に落ち着くってことで出来ている、と思いました。外から来る人を受け入れる寛容性、この漫画の優しさを作っています。でも、それが平成の今はそれがダイナミックになっていて、立石仲見世でエチオピア・カフェを営む母と押上の工場で働く父を持つ小学生セラム、ムスリムの留学生のサラ（どこの国から来た人だろう…）、そして不登校の中学生の春太の三人組が、立石を中心にてくてく歩いてディスカバー下町をするのです。それは浅草みたいなインバウンドな下町じゃなくて、生活する場所としての下町。多様な視線に発見される街の魅力が改めて伝わってきます。自分も立石に通っていた頃、食堂でステテコとランニングシャツでカレーを食べているおじいちゃんを見た時に、ここに住みてぇ〜と思いましたが果たせなかったな。呑んべい横丁はなくなっちゃけど、ひさびさ行きたくなりました。