「ここ塗ってね」と画用紙を指差したわたしの指を丁寧に塗りたくってくれる特別支援学校って最高じゃない? の商品レビュー
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD02850952
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
印象に残ったページ P.18 支援学級で友達関係に悩み、支援学校へ転入した男子。始業してすぐ、同級生で発語のない自閉症男子にくっつくように。「なんでその子が好きになったの?」と聞くと「絶対ぼくをバカにしたり悪口を言ったりしないし、いつも笑顔だから」 否定も肯定もせず「そこにいる」ことで救われる人がいる。 P.34 たとえば特別支援学校に通う子どもに「①静かに②すわって③友達をみる」という目標があったとする。その子はどの項目にも課題がある。①、②、③を同時に満たそうとする指導はよくない。②を狙うなら「①うるさいけど②すわって③友達はみていない」は一旦セーフにしよう。まず、できた②を祝おうよ。 P.36 メンタルがヘラったときは「掃除」に限る。 ラジオや音楽をかけながら。 「じっとする」「考える」じゃなく「体を動かす」「考えない」ことでメンタルを立て直す。 掃除は適度な疲労感と「目に見える成果」が一瞬で形成される最適解。あと終わりがない。 おはようございます。へたれた心は掃除で磨け。 P.41 いいサービスが提供しようと思ったら、いいサービスが提供できる健康状態でなければいけない。 P.101 障害の特性とされるあの子の「こだわり」なんて、形や大きさを変えてわたしにだってたくさんある。 P84 「不機嫌で人をコントロールしない」のは大人の大事な条件だ。 P.149 生きていれば「傷」を負う。その傷に、どうにかこうにか絆創膏を貼り付けて、涙を拭って歩いている。そんな自分とおなじ「傷」をもつ人に、絆創膏を貼れるのは自分しかいない。だれかの「傷」を癒やすことができたときに、自分の「傷」が意味をもつ。「傷」を「傷」のままに終わらせず、 だれかを笑顔にできたとき、過去の涙に意味が出る。過去の痛みに価値がつく。過去を救ってあげられる。人の役に立つことは、自分を救うことなんだ。 P.152 人の「敵意」はほんとにしんどい。 自分に向けられる「傷つけてやる」って感情と正対するのは疲れるよ。「敵意」を感じたら、戦わずヘルプを出したり逃げたりしよう。 同じく相手を傷つけてやると応戦するより、すてきな漫画を読んでいたい。 日常的に「敵意」を向けられターゲットにされている気配を感じたら、もうあらがわなくていいんじゃないかな、戦わなくていいんじゃないかな。だって「敵意」を向けてくるような人の風向きを変えようと思ったら、できる作戦なんてごまをすって懐に入るくらいでしょ。そこまでする価値がその人にあるとは思えない。まわりの大人に「あの人の敵意がしんどい」と伝えることで、なるべく回避していこう。知り合いなら、大丈夫だから離れよう。仕事なら、しっかり上司に報告しよう。「敵意」に向き合い同じ土俵に上がるほど、あなたの人生は長くない。
Posted by
学校現場で働いていますが、「特別支援教育は全人類に有効」ということをひしひしと実感するまいにちです。子どもをコントロールしようとするのではなく、私も日常の「つい、やってしまう」を見つけ、支援に取り入れていこうと思います。つい叱ってしまいそうな場面でも子供のいいところを見つけようと...
学校現場で働いていますが、「特別支援教育は全人類に有効」ということをひしひしと実感するまいにちです。子どもをコントロールしようとするのではなく、私も日常の「つい、やってしまう」を見つけ、支援に取り入れていこうと思います。つい叱ってしまいそうな場面でも子供のいいところを見つけようとする平熱先生を見習っていきたいです。
Posted by
とっても読みやすく、平熱先生の仕事に対するスタンスが伝わって来ました。 頑張りすぎず、仕事に丁寧に向き合っている姿勢に憧れます。
Posted by
目から鱗がたくさんと同時に、自分もそう思っていることを、凄くわかりやすく言葉にしているので感動。 ユーモアのある言葉の力は最高です。
Posted by
平熱さんの秀逸ツイート(ポスト)集。 むつかしくない表現で 特別支援とは、の入り口に立たせてくれる。 「人の役に立ちたいんじゃなくて、 人の役に立つことで自分を救いたいんだよ。」 自分の「傷」が意味をもつから、 過去の涙に意味が出るから、 この仕事をしているんだろうなぁ。
Posted by
★上履きの洗い方を勉強中、なんか振動音するなぁと思って振り向いたらわたしの電動歯ブラシで上履きをこすってる特別支援学校って最高じゃない? ★オードリー若林さんの書いた「ネガティブを潰すのポジティブじゃない。没頭だ」の一節は、背骨じゃないかと思うほど、わたしの身体を支えてる。 ★人...
★上履きの洗い方を勉強中、なんか振動音するなぁと思って振り向いたらわたしの電動歯ブラシで上履きをこすってる特別支援学校って最高じゃない? ★オードリー若林さんの書いた「ネガティブを潰すのポジティブじゃない。没頭だ」の一節は、背骨じゃないかと思うほど、わたしの身体を支えてる。 ★人の役に立ちたいんじゃなくて、人の役に立つことで自分を救いたいんだよ。このむつかしい話わかる? 「特別支援教育は全人類に有効です」っていう意味が読んだら分かる。 特に子育てにモヤモヤしてるわけじゃないけど、普通に生きて働いているだけの私でも、共感してしまうし、ハッと気づくことがある。 あとユーモアたっぷりに言ってくれることもあるので、職場で昼休憩中に読んだらブフッと3回くらい吹き出して笑ってしまった(クールビューティーで通してるのに!←) 絶対に誰かを馬鹿にせず、悪口も言わず、ずっと笑顔でいることで救われる誰かがいる。 マショマロみたいに白くてやわらかい笑顔で挨拶することで誰かを幸せにできる。 現代に生きているとつい複雑に考えて生きてしまうけれど、そんなに難しく考えなくても自分に出来ることがあると教えてもらえた気がしました。全人類におすすめです。
Posted by
平熱先生のユーモア溢れるエピソードから、普段子どもと関わる仕事をしている身としてはハッと気付かされるようなエピソードまで、読みやすくて良かった。特別支援教育は全人類に有効!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
内容は期待していたものにほぼ近い。 特別支援学校ということで、基本的に言うことを聞かなかったり話が通じなかったりする子供に生き方を教えていく、でも先生も一人の人間なので熱血ではなくほどほどに。 そういった毎日で気をつけていることや気づいたことを紹介し、でも「こうするべき!」ではなく、「私はこうしましたよ」という、柔らかめな考え方をお知らせする感じ。 そしてなにより、帯の裏にも「特別支援教育は全人類に有効です」と書かれている通り、ここで紹介されている考え方、別に子供への対策じゃなう、普通に新卒への接し方、厄介な人への対応方法など全然応用できる。むしろ特別支援学校について書いたという皮をかぶったビジネス本なのではないか。 A>B>CとできないときはCを隠してA>Bまでやらせるとか、一回で覚えられない子にはそれを書いたメモを渡すとか、できない子を注意するんじゃなく、できる子を褒めるとか。 こういうことを考えるたび、障害のあるない関係なく、どいつもおんなじやな、自分も含め、という思いが強まっていくのだった。 ただ、タイトルにあるような、特別支援学校でのトラブルを笑いに昇華するようなホンワカとした経験エッセイかと思いきや、最近良くある、片ページに元ツイート、反対側にちょっとした説明という、だいぶ文字数の少ない省エネな本だった。 本を買うときは、文字数に金を払っているわけではないとはいえ、こういう本に当たると、ちょっとモヤッとする。
Posted by
- 1