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教室のゴルディロックスゾーン の商品レビュー

3.2

15件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/07/20

中学生の女子たちの心の機微を描いた連作短編集 話によって視点が変わることがあるが空想や、過去が混じってちょっと読みにくかった

Posted byブクログ

2024/05/19

タイトルに惹かれてネットギャリーにて読了。 昨年読んだ本だがレビューを載せ忘れていた。 母と愛犬を亡くした少女が、現実世界に空想を交えながら孤独を慰め、離れてしまった親友のことを自分なりに考え成長する物語。 最初の章「胡蝶は宇宙人の夢を見る」は、空想と現実がごっちゃになっ...

タイトルに惹かれてネットギャリーにて読了。 昨年読んだ本だがレビューを載せ忘れていた。 母と愛犬を亡くした少女が、現実世界に空想を交えながら孤独を慰め、離れてしまった親友のことを自分なりに考え成長する物語。 最初の章「胡蝶は宇宙人の夢を見る」は、空想と現実がごっちゃになってしまう主人公の話だが、前置きなく始まる空想の宇宙世界の話はその世界観に入りこめるかどうかで、読み続けるかどうかが分かれそうだ。 2章の「真夜中の成長痛」は、1章で主人公と溝ができてしまった親友が主人公となる話だが、こちらが先だった方が物語に入りやすいのではないかという気がした。 3章以後で分かってくるが、この2人の互いへの気持ちも最初はかなり隔たりがあり、学校での友人関係とは得てしてそういうところがあった、と思い返した。 3〜5章は登場人物それぞれの関係性や心情が伝わり、情景が目に浮かぶ、心に残る言葉や文章も散りばめられていた。 途中で主人公の脳内から消えたはずのトト(元は亡くなった主人公の飼い犬で改造された宇宙戦士)が最後の章に再び姿を変えて、主人公の幼い頃に似た少女の前に現れるのだが、そこは必要だったのだろうか。 学校の教室に閉じ込められる様々な女子生徒の心情を描いているのだが、少し個性が際立ち過ぎているような…共感を得られにくい場面も多かった気がするのが少し残念だった。 2023.8

Posted byブクログ

2024/01/28

10代とは人生最初の苦悩の年齢なのかもしれない。 本作に登場する少女たちはいずれも苦悩を抱えながらそれでも何とかしようとしている。 不器用でどこかズレていて、それでも一生懸命。 とっくに過ぎた年齢なのにあの頃を思い出して胸が痛くなるのはどうしてだろうか。 優しい文章に心をざわつか...

10代とは人生最初の苦悩の年齢なのかもしれない。 本作に登場する少女たちはいずれも苦悩を抱えながらそれでも何とかしようとしている。 不器用でどこかズレていて、それでも一生懸命。 とっくに過ぎた年齢なのにあの頃を思い出して胸が痛くなるのはどうしてだろうか。 優しい文章に心をざわつかせる展開。ほんの一匙の切なさと暖かみが染み入る。青春小説の佳作である。

Posted byブクログ

2024/01/20

中学生の友情を描いた連作短編集。 依子とさきちゃんの関係を描くのかなと思ってたら途中から伊藤さんの話になり(語り手も次々かわる)、これは登場人物は共通してるが別々の小説として読むべきなのか?とも思ったが、前にあったことも出てくるのでそういうわけでもなさそう。 表紙からして読者ター...

中学生の友情を描いた連作短編集。 依子とさきちゃんの関係を描くのかなと思ってたら途中から伊藤さんの話になり(語り手も次々かわる)、これは登場人物は共通してるが別々の小説として読むべきなのか?とも思ったが、前にあったことも出てくるのでそういうわけでもなさそう。 表紙からして読者ターゲットは、登場人物と同じくらいの女の子かなと思っていたが、それにしては多面的で、話はあちこちに飛び、なかなか物語に入り込めない。誰に読ませたいのか。 メインの登場人物は全員現代の女の子だが、友達を張り倒したりして結構暴力的。今どきそんなことすると、学校でかなり問題になるし、そもそも自分を張り倒した人と友達でいられるのか?スマホもパソコンも出てこないし、リアルなようでリアルじゃない。リアルじゃなくても引き込む力があればいいけど、特にない。 ある意味『人類の深奥に秘められた記憶』より読みづらかった。個人的には。

Posted byブクログ

2024/01/14

自分の中学校の頃を思い出して胸がギュッと苦しくなった。あの当時の教室での居場所のなさや息苦しさがまざまざと蘇ってくる。 登場人物たちそれぞれが、自分や今まで出会ってきた級友たちに似ていて、多分読んだ人(特に女性)は皆こういうことあるある!と共感と懐かしさを感じるのでは。 濱中さん...

自分の中学校の頃を思い出して胸がギュッと苦しくなった。あの当時の教室での居場所のなさや息苦しさがまざまざと蘇ってくる。 登場人物たちそれぞれが、自分や今まで出会ってきた級友たちに似ていて、多分読んだ人(特に女性)は皆こういうことあるある!と共感と懐かしさを感じるのでは。 濱中さんは特に、クラスにこういう子いた!と思わされる嫌さが全開なんだけど、人一倍小心者で臆病なのだという所も描かれていて(勿論、加害性は強いが)、完全なる悪者にされている訳じゃなくて良かった。 教育実習の宇手先生の最後の授業がすごく良かった。 『素数は、一と自分自身でしか割り切れない数字です。そんな風に、自分自身でしか割り切ることのできない孤独が、この世界にはたくさんあります。(略)先生は、孤独でした。僕も、そうです。そして多分、みなさんも。(略)でも僕は、そのさみしさが暗闇の中で時々きれいに光ることを知っています。僕には、孤独のおかげで出会えたものがたくさんあるから。だから自分の、自分だけの孤独を大切にしてください。その孤独こそ、あなたの人生に光を灯してくれるものだから』 中学生とか高校生にぜひ読んでもらいたいな、と思う作品だった。

Posted byブクログ

2023/11/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

読んでて心がギシギシした。つらい。ウワーわかるーって思いながら読んでいた。大人になっても変わらない人もいる。今でもそう。でも、「自分で選んで付き合っている」人じゃない人と一緒にいる時のさみしさは、仕方がないのだろうと思えるようにだけ、なった。先生が「先生」で、良かったです。

Posted byブクログ

2023/10/11

Amazonの紹介より 中学校のクラスに馴染めず、現実から妄想の世界に逃げがちな依子。彼女が頼れるのは 父と、幼い頃から一緒に育ってきた愛犬のトト、そしてたった一人の友人・さきだけだった。しかしクラス替えからしばらくして、さきは依子を避けるようになる。 どうして? なんで? 今ま...

Amazonの紹介より 中学校のクラスに馴染めず、現実から妄想の世界に逃げがちな依子。彼女が頼れるのは 父と、幼い頃から一緒に育ってきた愛犬のトト、そしてたった一人の友人・さきだけだった。しかしクラス替えからしばらくして、さきは依子を避けるようになる。 どうして? なんで? 今までのようにさきと仲良くしたい依子だったが、新しい友達と一緒にいるさきは、話し掛けてもすぐに離れていってしまう。 いっぽう、クラスメイトの伊藤さんは、クラスでいちばん目立つグループに所属しながらも、誰にでも分け隔てなく接してくれる女の子。優等生タイプの子にも、オタクっぽい子にも、そして依子にも話し掛けてくれる。 そんな彼女を好ましく思う依子だったが、伊藤さんと同じグループのリーダー・濱中さんに苦手意識を抱いているため、自分から話し掛けることはできなかった。 その後、事態は伊藤さんのけがを契機に思わぬ展開を見せる。 王様のブランチで紹介されていたので、読んでみました。 女子生徒との心のすれ違いや嫉妬などが繊細に描かれていていました。 相手の心を知りたいような知りたくないような、そんな心のアンバランスさが何とも言えない苦さや切なさがあって、青春ではあるものの、複雑な気持ちでした。 章が変わるたびに主人公が変わるため、読者としては、様々な登場人物の心理描写がわかります。特に喧嘩する描写があるのですが、そのたびに、「そうじゃない」と思うばかりでした。 なかなか学生時代だと、限られた範囲内でしか、それが「世界」だと認識してしまいます。大人になってみると、いかに「世界」が広大であることが後になってわかっていきます。 孤独な日々を過ごしたとしても、いつかはわかってくれる人・時が来ます。そう信じたいです。 男子のいじめとは違った独特の陰湿さがあって、近寄りがたい雰囲気を醸し出していますが、これがリアルなのかなとも思いました。 生き抜くためには何が必要なのか?この作品を通じて、何かヒントを見つけてくれたらと思いました。

Posted byブクログ

2023/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

教室のなかで居場所がないと感じる子、そもそも教室の中に居場所を求めてない子、何をしたいのかも何を求めているのかもわからずに漂う10代の所在なさ。 誰にも感情移入は出来なかったけど、誰もが視界にはいたような気がする。私ではないだれかと、私はどう向き合って付き合うのが正解だったんだろうな、とか。 今悩んでる子はこれをどう受け取るのだろう。 親の立場で読んだらこれをどう受け止めて活かすのだろう。 そんなふうに思いながらよみました。

Posted byブクログ

2023/09/04

連作短編小説なので、タイトルの教室のゴルディロックスゾーンだけを読了。 自分の居場所を見つける、は良いのですが、女子の嫌な感じしか出ていないような部分が多く、暗く嫌な気持ちになる。じっくり読む気になったら再読か?

Posted byブクログ

2023/09/01

連作短編集6編 中学女子の友達との距離,関係の仕方,求める友情と疎外感など生きづらい学生生活が主人公の妄想をバックに語られ面白い. 教育実習の先生が最後の授業として自分の経験から孤独について語る場面が素晴らしかった.

Posted byブクログ