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日本史の旅人 の商品レビュー

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2023/07/17

 作家の野呂さんの作品は何編か読んだことがあるし、古本屋巡りが好きだったことなども知ってはいたが、日本の古代史、特に邪馬台国に興味関心を持っていて、『季刊邪馬台国』という雑誌の初代編集長まで引き受けていたということは、本書で初めて知った。  本書には、野呂さんの邪馬台国に関する歴...

 作家の野呂さんの作品は何編か読んだことがあるし、古本屋巡りが好きだったことなども知ってはいたが、日本の古代史、特に邪馬台国に興味関心を持っていて、『季刊邪馬台国』という雑誌の初代編集長まで引き受けていたということは、本書で初めて知った。  本書には、野呂さんの邪馬台国に関する歴史エッセイ、長崎出身の野呂さんらしい、九州が舞台となる磐井の叛乱、元寇、関ヶ原の戦い時の九州戦国大名の動きのほか、赤穂浪士の討入り、日露戦争時の秋山騎兵旅団に関する史論などが収められている。  また、邪馬台(壱)国に関する非学者の研究者だった古田武彦氏、安本美典氏の論争に野呂さんが司会を務めた座談会も収録されている。自分が若いころに、確かに邪馬台国の「臺」は「壱」の誤りだという説を唱えている人がいると聞いたことはあったが、この座談会でその議論を初めてまともに読むことができた。 (史料批判の素養のない自分には、あまり議論の適否を判断できないが)  野呂さんの新たな一面を見ることができ、また当時、邪馬台国への一般人の関心が高かったことや論争のエッセンスが分かるお得な一冊。

Posted byブクログ

2023/06/12

邪馬台国から日露戦争まで。芥川賞作家・野呂邦暢のもうひとつの顔。単行本未収録の諸作からその歴史観を浮き彫りにする。文庫オリジナル。〈解説〉中村彰彦

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