午後三時にビールを の商品レビュー
タイトルがいいなあ、と思って、まだまだ残暑が厳しい季節のまさに午後三時からビール&読書を開始。 執筆陣を見ると、汗だくで日を浴びながら読むようなものでもなく、結局、夜静かで涼しくなった時分がピッタリだった。
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他の方も書かれていたように酒場を舞台にした小説家と思ったら、昔からの著名な作家の酒場をテーマにしたエッセイ集だった。その中でも名前だけは聞いたことのある作家の作品や作家同士の繋がり、そして戦前、戦後の小説家がどういうところでどういう酒の飲み方をしていたかがうかがい知れてた。 ただ...
他の方も書かれていたように酒場を舞台にした小説家と思ったら、昔からの著名な作家の酒場をテーマにしたエッセイ集だった。その中でも名前だけは聞いたことのある作家の作品や作家同士の繋がり、そして戦前、戦後の小説家がどういうところでどういう酒の飲み方をしていたかがうかがい知れてた。 ただ文体が少し読みにくさもあり、そのあたりが少し読むのに難儀した。
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酒に纏わるエッセイや小説を集めた短編集。 文豪、文士も同じ人なんだなぁ、と親しみを覚えた。 井伏鱒二が大岡昇平の飲み方をいじり、大岡昇平が中原中也の飲み方を茶化す。 檀一雄と太宰治の関係性は初めて知った。 坂口安吾と中原中也の飲み屋での喧嘩(と言えるのかな?)の場面は、まるでコン...
酒に纏わるエッセイや小説を集めた短編集。 文豪、文士も同じ人なんだなぁ、と親しみを覚えた。 井伏鱒二が大岡昇平の飲み方をいじり、大岡昇平が中原中也の飲み方を茶化す。 檀一雄と太宰治の関係性は初めて知った。 坂口安吾と中原中也の飲み屋での喧嘩(と言えるのかな?)の場面は、まるでコント。
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よくある酒場エッセイかとジャケ買いしたら、文豪登場しまくりの短編集だった 純文学等をあまり読まない自分には文体が読みにくく時間がかかったが、どれも面白かった まだある店も多いのかな、巡ってみたい
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九代目 林家正蔵は昼の高座を終えて『午後三時から飲み』を嗜み、それは『林家正蔵の今日も四時から飲み』という旅チャンネルの番組になっている。それより1時間早く、まだ日も高すぎる三時から飲みは詩人 萩原朔太郎。 表題の『午後三時にビールを』は、萩原朔太郎の詩『虚無の歌』の中で描かれ...
九代目 林家正蔵は昼の高座を終えて『午後三時から飲み』を嗜み、それは『林家正蔵の今日も四時から飲み』という旅チャンネルの番組になっている。それより1時間早く、まだ日も高すぎる三時から飲みは詩人 萩原朔太郎。 表題の『午後三時にビールを』は、萩原朔太郎の詩『虚無の歌』の中で描かれる風景。午後三時、東京エビス橋の広漠としたビアホールにてひとりビールを飲む朔太郎。『生きて、老いて、その果てに一生を掛けて欲したものは一杯のビール、雲を眺める自由な時間だけ悟った』。 …また詩中には〈私は老い、肉慾することの熱を無くした。墓と、石と、蟾蜍(ひきがえる)が、地下で待っているのだ〉と嘆く一節もあり、麦わら色のビールが霞んでみえてしまうほどの虚無感に溢れる散文詩が巻頭を飾り、秋の終わりの鉛色の空のような気分からスタートした本書。 さて、この本は近・現代の作家たち26名による酒&酒場にまつわるエトセトラ。このエトセトラには文士たちの酒場実況・酔態・嗜好・酒文化・追憶・幻想譚…が様々な文体と語彙で語られ、戦後の風俗や混沌ぶりが酒を通じてこちらに届けられる。 久世光彦は高三時に遊郭で遊び停学になった古い記憶を紐解きながら、若き大江健三郎とのニアミスと街に詩人がいた往時を綴る。吉村昭は地元浅草や取材先の札幌での一杯を酔眼で語るグルメ本よろしくの居酒屋紀行。開高健はおでんだダネ、特にくじらに見る東西食文化論を饒舌に語り、祖父亡父から蕎麦屋での昼酒の嗜みを受け継いだ池波正太郎の蕎麦屋論は江戸文化の名残りと粋人の気風が漂い、向田邦子は自身が通いたいと思う和食店開店にむけての顛末はズバリ開業心得で、安西水丸は地味な海辺の居酒屋での醍醐味を語り、〈文壇の武闘派 故 中上健次〉の酔態ぶりを目尻を下げて語る島田雅彦。 中でも、吉田健一の『海坊主』は、本書には26編の作品の中でも異質も異質。銀座松屋裏の岡田屋という料理屋名を出し、さもリアリティ感のあるハシゴ酒随筆かと思いきや、まさかの幻想小説風仕立て。起承転結に落とし込めば、起→承→承→結。恐れ入りました。 小説家は虚構(フィクション)をせっせと作る、言い換えれば、脳内に生まれた新たな現実を文章に落とし込む知的作業。『途中から(小説の)キャラクターたちが自在に動き出し、後は筆に任した…』なんて語る作家の脳内には、酩酊に似た状態になっているとも言われる。 『酔夢譚(すいむたん)』なんていう言葉あるぐらい酒と文学は切っても切れない、特に純文学は。太宰治・坂口安吾ら無頼派と呼ばれた作家は数多くいたが今や絶滅危惧種。伊集院静もすっかり丸くなり、先年、坪内祐三や西村賢太が相次いで急逝し、時代は酒は飲むけど、ジョギングもする村上春樹的な健全路線にシフト。 本書はその無頼派が酒場で連夜咆哮し、時につかみ合いと…文学がまだまだ不健康そのものだった時代の空気をいっぱい孕んだ文学版アーカイブ的一冊。
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酒友との語らい、行きつけの店、思い出の味・・・。銀座、浅草の老舗から新宿ゴールデン街、各地の名店まで酒場を舞台にしたエッセイ&短編アンソロジー。
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酒友との語らい、行きつけの店、思い出の味……。銀座、浅草の老舗から新宿ゴールデン街、各地の名店まで酒場を舞台にしたエッセイ&短篇アンソロジー。
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