安倍晋三実録 の商品レビュー
「政治家への評価」は多角的に…。
2023年7月読了。 今、世界は一部分の戦争のせいで、世界的な食糧難、世界経済の低迷、覇権主義の台頭…等、様々な事象が起きている。 そんな世界の中で「日本」と云う国は、どう立ち回れば良いのか、どの様に世界各国と渡り合って行けば良いのか、大袈裟な表現をすれば「夜も眠れぬ...
2023年7月読了。 今、世界は一部分の戦争のせいで、世界的な食糧難、世界経済の低迷、覇権主義の台頭…等、様々な事象が起きている。 そんな世界の中で「日本」と云う国は、どう立ち回れば良いのか、どの様に世界各国と渡り合って行けば良いのか、大袈裟な表現をすれば「夜も眠れぬ…」程不安な社会である。 国情的に、政治的に且つ経済的に安定している国、などは至って少なく、世界情勢に疎い南半球の島嶼国まで、標的にされる時代である。 その事を誰よりも自覚的に知っていた、「地球儀俯瞰外交」の先駆者たる故安倍晋三氏が、もし、今生きていたならば……と、ついつい考えてしまうのは、恐らく私だけでは無いだろう。 最近の岸田首相は《先ず取り組むべきは中国だ》と言っているが、習金平やその他多くの(腹に一物どころか、ニ物,三物抱えていそうな)海千山千の政治家と、真艫に立ち向かって行けるのかどうかすら、正直心許ない今、「最悪の事態」だけは回避すべく、更なる活躍を望むが、「国家観」や「人物眼」の様なものは、天性と努力が常人レベルでは務まるものではない。 つくづくと、国の「宝」を喪った事への悲しみに暮れるばかりである。 連載当時から感じていたが、「私だけが知っている…」の類の記事は、往々にして《過大評価》されがちである。「自分だけが知っている」的な著者自身の自慢話が余り入っていないこと、言葉の奥に有る思いまで考えた上で、故人の発言を使っている点、これ等は男性記者でも良くやらかす事なので、それらが無いのは非常に良かった。 ただ、著者自身がピタピタに20年以上彼に張り付いていた訳では無い(アメリカ支局長も兼務していた)ので、政治生活の全てを網羅できている訳ではない点、(当たり前の事だが)故人が「自分の死」を前提にして語った物ではない為、核心的な部分への証言が少ないこと、、、この辺りが物足りなさを感じた点であろうか。 最後に、彼の政治生活中、ず~~~っと「悪口」「批判」「誹謗中傷」を故人へぶつけ続けた雑誌が、いざ「本を出す」と成ると、「NHKの記者に書いて貰わないと分からないことだらけ」と云うのも、大層情けないし、二度と帰らぬ人に対して「未だに」石を投げる様な記事を、ダラダラと書き続けている新聞や雑誌メディアへ言いたい。 『一人の人間として、その一生を全て政治に(日本に)捧げて亡くなった方へ、もっと言うべき(伝えるべき)言葉は、何も無いのか?』と。
左衛門佐
「ポストは天からの預かりもの。特に総理大臣はそうだ。私心でポストを求めてはいけないし、私物化すれば何らかの形で自分に跳ね返ってくる。常に公の精神が必要で、国のためになるかを考えて人事を行わないと、必ずどこかで破綻する」という考えを安倍さんは持っていた。 現総理や総理を目指す政治家...
「ポストは天からの預かりもの。特に総理大臣はそうだ。私心でポストを求めてはいけないし、私物化すれば何らかの形で自分に跳ね返ってくる。常に公の精神が必要で、国のためになるかを考えて人事を行わないと、必ずどこかで破綻する」という考えを安倍さんは持っていた。 現総理や総理を目指す政治家達に聞かせたい。 また、小泉訪朝の同行時、出発前に昭恵さんに「北朝鮮で殺されるかもしれない。政治家の妻として、覚悟しておいてほしい」と。 その時の日朝首脳会談の控え室で「拉致を認めない限りは、日朝共同宣言に署名すべきではない」と小泉らに大声で訴えたのは有名な話だ。 これほどまでに真剣に、覚悟を持って北朝鮮に対峙する政治家が今いるだろうか。 岸田首相は訪朝に意欲を見せていると報道されているが、自分の政治的延命のために利用しようとしているようにしか思えない。 政治の体たらくに触れるたび、安倍さんの突然の死が惜しまれてならない。
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2022年に亡くなった安倍晋三元首相の番記者だった岩田明子氏による回顧録。2002年頃からの担当だったようで、その頃からの安倍元首相の政治活動の歩みを当時の取材内容を振り返る形で記述が進んで行く。 内容としては、普段の報道では伝わって来なかった安倍元首相の考えなどが記されていて、...
2022年に亡くなった安倍晋三元首相の番記者だった岩田明子氏による回顧録。2002年頃からの担当だったようで、その頃からの安倍元首相の政治活動の歩みを当時の取材内容を振り返る形で記述が進んで行く。 内容としては、普段の報道では伝わって来なかった安倍元首相の考えなどが記されていて、いろいろと評価する向きはあると思うけど、現代においては不生出と言っていいくらいの偉大な政治家だったように思う。 20年に渡り取材してきた対象が突然亡くなり、その死後1年で出版したというところが大きいと思うが、安倍元首相が亡くなったことによる躁状態のようなテンションな感じがする。このタイミングでの書籍としてはこれで良いが、安倍元首相の事績についての評価などが定まってきたら、もしくは事績の評価と並べる形で再度、落ち着いた状態で再び安倍元首相について執筆されることを願いたいです。
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安倍くんのことが嫌いだった、っていうかいまでも……嫌いだ。何で嫌いなのかというと、もはや嫌いという思いが先行してか理由づけがちょっと難しいことに気づく。でも、モリカケや桜を見る会といった騒動を思い返すだに、また、国会での品のないヤジといい、やはり「人品卑しからぬ」とはいかない雰囲...
安倍くんのことが嫌いだった、っていうかいまでも……嫌いだ。何で嫌いなのかというと、もはや嫌いという思いが先行してか理由づけがちょっと難しいことに気づく。でも、モリカケや桜を見る会といった騒動を思い返すだに、また、国会での品のないヤジといい、やはり「人品卑しからぬ」とはいかない雰囲気を感じていたのではなかろうか。 新興宗教に人生を翻弄された青年の手によってという亡くなり方も自業自得という印象だけど、一方、亡くなったことでちょっと落ち着いて安倍くんのことをとらえてみようという気持ちも生まれた気がする。巷では『安倍晋三語録』が話題になっているが、ヘソ曲がりリベラルな自分としてはこちらの本を読んでみた。岩田さんと安倍くんの仲もどんな感じなのか知りたかったしね。 岩田さんというバイアスがかかって見る安倍くんではあるのだが、読んでみて思ったのは、安倍くんは安倍くんなりにちゃんと(といっていいのかと思いながら)やっていたんだなあということ。特に第二次政権にあっては驕った部分もあったが、北朝鮮の拉致問題への対応とか、地球儀を俯瞰する外交だとかには安倍くんなりの信念があったのではないか。 政治家に大切なのは思い、信念ともされる。そういう意味では安倍にそれなりの思いがあったようであり、その思いに対して真摯に活動したようにも思える。ただし、思い込みが信念を導いている感もなきにしもあらずか。 また、安倍政権には第1期と2期があり、そこは分けてとらえるべきだとも思った。第二次政権では第一次とは打って変わった強靭さがあった。ダメダメくんが克服して生まれ変わった好事例ともいえそう。 昭恵さんとの仲も政略的・戦略的なものなのかしらんと思っていたけど、家族にはやさしく、身内や関係者を遇する人だったようなので、ポーズでなく本当に晋三・昭恵カップルなりの絆があったのかも。 書中で「強か(したたか)」という言葉がよく出てくるんだけど、まあ、確かに安倍政権はこの言葉がしっくりきている感がある。
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安倍元総理に最も食い込んでいたという、元NHK記者による、思い出し語り。 雑誌連載をまとめたものらしい。 回顧録と、そう変わらないのだろうが、なぜか、一歩引いて読んでいた。 なぜだろう。 生前のリアルな動き、発信をぼくが知らないせいもあるだろうが、なんか、こう言ってたのを私だ...
安倍元総理に最も食い込んでいたという、元NHK記者による、思い出し語り。 雑誌連載をまとめたものらしい。 回顧録と、そう変わらないのだろうが、なぜか、一歩引いて読んでいた。 なぜだろう。 生前のリアルな動き、発信をぼくが知らないせいもあるだろうが、なんか、こう言ってたのを私だけは聞いたみたいな。 回顧録ほどの、そうだったの感とか、やっぱりね感を感じなかったかもしれない。 しかし、さりげなく、女性天皇と、女系天皇を誤解させるのはいただけない。 安倍元総理が、本心でどう思っておられたかはわからない故に、「利用」としか思わない。
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【安倍氏に最も食い込んだ記者による「安倍評伝」の決定版!】20年にわたり安倍氏を取材してきた元NHK記者が「回顧録」にも書かれていない肉声を記録した膨大な取材メモからその実像を描く。
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