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一日署長 の商品レビュー

4.1

17件のお客様レビュー

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2023/10/07

地下の資料編纂室に配属になったいずみ。資料の入ったダンボールが雑然と積み重ねられた部屋でたったひとりでデータ入力をするのが仕事である。体の良い肩たたきだと思った彼女は、せめて一ヶ月は頑張ろうと決めた。前任者から引き継いだポルタという名のPCは、時々勝手に起動する。そしていずみは過...

地下の資料編纂室に配属になったいずみ。資料の入ったダンボールが雑然と積み重ねられた部屋でたったひとりでデータ入力をするのが仕事である。体の良い肩たたきだと思った彼女は、せめて一ヶ月は頑張ろうと決めた。前任者から引き継いだポルタという名のPCは、時々勝手に起動する。そしていずみは過去に飛ばされ、署長の中の人になっているのだ。 仕事柄資料は読み込んでいるので、なんとか事件を解決し、いつの間にか現在に戻される。とんだ一日署長だが、いずみの戸惑いと活躍にワクワクさせられる。

Posted byブクログ

2023/09/10

史料編纂室に配置されてしまった新人警察官のいずみは、退職勧告を受けたものと思い落ち込む。しかし史料編纂室のデータ入力用パソコン「ポルタ」には不思議な力があった。過去の警察署長の身体に、いずみの意識をタイプスリップさせることができるのだ。ただしそれは一日だけで、その一日のうちに事件...

史料編纂室に配置されてしまった新人警察官のいずみは、退職勧告を受けたものと思い落ち込む。しかし史料編纂室のデータ入力用パソコン「ポルタ」には不思議な力があった。過去の警察署長の身体に、いずみの意識をタイプスリップさせることができるのだ。ただしそれは一日だけで、その一日のうちに事件を解決しなければならない。一日だけ署長として事件に挑むいずみの活躍を描く連作ミステリです。 設定がまずユーモラスで楽しいです。署長に憑依することで権威をうまく利用でき、現代(未来)に読み込んだデータをもって事件を推理する、というなかなかに有利な状況とも思えるのですが。ジェネレーションギャップに苦しんだり、若い女性であるいずみが一日だけとはいえおっさんの身体を得てしまうという悲嘆がおかしくってしかたありません。また署長がどの人も癖の強い人ばっかりなんだよなあ。それも面白いんですが。 さらに事件を解決するだけでなく、そのことによって未来で起こりうるさらなる事件を阻止するという流れに繋がるのがまた爽快。現在進行中の事件を解決するだけよりもやりがいがあるかも? ほんっとうに楽しいなあ。続編も期待したいです。 お気に入りは「一九七七」「二〇二二」。ミステリとしての難易度が高かったです。これ、私だったら解決できなかったわ。

Posted byブクログ

2023/08/30

 警察学校を首席で卒業したヒロインいずみが配属されたのは、窓際とも言える資料編纂室。  ただ、資料を旧式のパソコン「ポルタ」に入力するだけの業務にうんざりしていたある日、過去の事件の資料を入力したらポルタから怪し音と光が。  いずみが目を醒ました先は、なんと直前まで入力してい...

 警察学校を首席で卒業したヒロインいずみが配属されたのは、窓際とも言える資料編纂室。  ただ、資料を旧式のパソコン「ポルタ」に入力するだけの業務にうんざりしていたある日、過去の事件の資料を入力したらポルタから怪し音と光が。  いずみが目を醒ました先は、なんと直前まで入力していた資料の事件が起きたくらいの日で、しかもいずみはその当時の署長の体に憑依している状況に。  本作はヒロインいずみが、データ入力をした事件資料の事件当時の管轄警察署の警察署長に1日だけ憑依をし、事件を解決し、未来を良い方向に導くタイムリープもののミステリーです。  本作の作者、大倉先生はコナンの脚本も手がけている方というのを読み終わった後に知り、確かに1編約50ページを読んでいて、30分のアニメを見ているかのような感覚になるほどに読みやすいと感じました。  全5篇の短編ですが、本を読んだというよりは5話分のアニメを見たという感覚が近いかなと思います。  ミステリーとしては、捻りとか手強いミステリーというわけではないとは思いますが、読んでて楽しいなぁと思える謎解きだと思います。物足りないという方はいるかもしれませんが、私は丁度良かったなと思います。難しすぎず、簡単過ぎずで。  また、普通あり得ない、署長自ら単独プレイで、グイグイ捜査をしていくというのも面白く、副署長や巡査、何なら一般人まで巻き込むんで、第三者からみると面白そうな捜査してるなぁと思ってしまいました。  世の中、忘れ去られてしまった事件がたくさんあるし、警察側でもあの時もっと違う捜査をしていれば防げたと思うような事件もあったでしょうし、あの時、ああしておけば迷宮入しなかった、もしくは解決が早かったというものもあるでしょう。  人間だし、判断1つが結果に大きな影響を与えるのはわかりつつも、所詮は後の結果論。  しかし、そんな結果論ありきで過去をかえることができたら?  結果がわかっていても過去を変えるというのは難しいでしょうけど、見ている側は悪い過去が変わるように無意識に応援してしまうんじゃないか?そして、無事に過去が変わったんだろうなという結果をみて、たとえそれがフィクションでも良かったなぁとか、ああ、スッキリしたと思うんじゃないか?  そんなスッキリ感を味わえる5つの事件が本書にはあると思いました。  

Posted byブクログ

2023/08/14

高卒で看護学校を卒業し、二年看護師をした後警察官を受け直し、見事警察学校トップの成績で警察官になった五十嵐いずみ。期待を膨らませていた配属先は警視庁の地下3Fの史料編纂室。紙の捜査資料を電子化するのが主な仕事で、60代の西脇の代わりとして配属されたものの、あまりの窓際配置に落ち込...

高卒で看護学校を卒業し、二年看護師をした後警察官を受け直し、見事警察学校トップの成績で警察官になった五十嵐いずみ。期待を膨らませていた配属先は警視庁の地下3Fの史料編纂室。紙の捜査資料を電子化するのが主な仕事で、60代の西脇の代わりとして配属されたものの、あまりの窓際配置に落ち込むいずみだったが、西脇の「一日署長」と言う言葉がいずみの配属された意味を知る言葉となり… 言葉の通り、いずみは通称「ポルタ」と言うパソコンの意思で過去の捜査資料の署長としてタイムリープするハメに。そのたった一日で過去の事件を解決に導く力は流石選ばれし人材でした。 色々な署長になって事件を解決するのがテンポ良く読めて、楽しかったです。是非シリーズ化希望です!

Posted byブクログ

2023/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 大倉崇裕さんの作品を読むのは初めて。『福家警部補』シリーズなど、警察物のシリーズが比較的多い作家だろうか。書店を物色していて何となく手に取った本作も警察物だが、設定に興味を持った。タイトルの『一日署長』の意味とは?  警視庁警察学校を主席で卒業した五十嵐いずみが配属されたのは、本庁地下にある一室。1人で過去の事件資料の入力をする日々に嫌気がさしていたいずみだったが、ある日未解決事件の資料を入力していると、彼女の意識は過去へ飛び…。  「一日署長」といえば芸能人やスポーツ選手が務め、あくまでお飾りである。ところが、いずみの場合は、過去の捜査現場の所轄署長に憑依してしまう。意識が現在に戻される一日の間に、署長として事件を解決に導くのがいずみの役目なのだ。  外見はおっさんでも中身はいずみなので、署員も怪訝な反応をするが、なりふり構ってはいられない。通常、署長自ら捜査に赴くなんてことはないが、適当にパートナーを見つけて動く。ちょっとした『相棒』か。主席卒業だけに頭脳は明晰ないずみ。  そうして現在に戻ってみると、事件の結果も変わっているのがお約束。タイムパラドックス云々には目を瞑ろう。あるケースでは、どうしても過去を変えなければならない切実な事情があった。詳しくは伏せておくが、これだけで長編にできそうな。  各編タイトルは西暦年号になっており、何年に飛ぶかはバラバラだが、最後は「2022年」。具体的にはわずか数日前である。タイムトラベルネタは数あれど、これほど近い過去に飛ぶパターンは異例。そういう点ではひねっているのかも?  警察小説として、タイムトラベルものとして、目新しさがあるようなないような全5編。十分に楽しめたし、続編が出たら読んでみたいが、この任務に縛り付けられるいずみが気の毒な気もする。前任者は30年間も務めたそうだが…。  とりあえず、『福家警部補』シリーズを読んでみようか。

Posted byブクログ

2023/07/21

元看護師として勤務後、警察学校を首席で卒業した五十嵐いずみが配属されたのは地下3階にある資料編纂室。 前任の西脇から引き継いだ仕事は過去の事件データの入力だった。不貞腐れつつもデータ入力していると、突然パソコンがうなりだし、入力したばかりの未解決事件捜査署の署長に憑依していた。 ...

元看護師として勤務後、警察学校を首席で卒業した五十嵐いずみが配属されたのは地下3階にある資料編纂室。 前任の西脇から引き継いだ仕事は過去の事件データの入力だった。不貞腐れつつもデータ入力していると、突然パソコンがうなりだし、入力したばかりの未解決事件捜査署の署長に憑依していた。 憑依するそれぞれの署長、時代背景の違いなどに戸惑いながらも、事件解決に動く。 初対面のいずみに対し、「コマンドー」と評する理由など明らかにされてないし、シリーズ化するのかな。

Posted byブクログ

2023/06/05

新人警察官、未解決事件に挑む。 ただし、一日だけ、署長に憑依して。 過去にタイムスリップして。 警察学校を首席卒業の五十嵐いずみに課せられた仕事は、なぜか警視庁の一室での資料整理。地味な作業に彼女はふて腐れてばかりいた。しかしある日、パソコンの画面が発する光に包まれたいずみは、...

新人警察官、未解決事件に挑む。 ただし、一日だけ、署長に憑依して。 過去にタイムスリップして。 警察学校を首席卒業の五十嵐いずみに課せられた仕事は、なぜか警視庁の一室での資料整理。地味な作業に彼女はふて腐れてばかりいた。しかしある日、パソコンの画面が発する光に包まれたいずみは、自分が一九八五年の署長室にいて、署長の身体に憑依していることに気づく。折しも署では、資料で目にしたばかりの未解決事件捜査の真っ最中。事態に狼狽えている間もなく、いずみは思いがけず、“一日署長”として、現場の最前線に赴くことになるのだった……! 『福家警部補の挨拶』の大倉崇裕がいざなう、 奇想×本格ミステリの時間旅行。

Posted byブクログ