鶴見俊輔 混沌の哲学 の商品レビュー
鶴見俊輔という存在をいたずらに神格化し「無辜のカリスマ」と褒め殺すのではなく、かといって後出しジャンケンの理屈で雑駁にこき下ろすのでもなく、フェアネスを貫き彼が残した仕事を読み込み為した功績を評価していく営み。そのおそるべくねばり強さが必要とされる試み(容易にわかるように「是々非...
鶴見俊輔という存在をいたずらに神格化し「無辜のカリスマ」と褒め殺すのではなく、かといって後出しジャンケンの理屈で雑駁にこき下ろすのでもなく、フェアネスを貫き彼が残した仕事を読み込み為した功績を評価していく営み。そのおそるべくねばり強さが必要とされる試み(容易にわかるように「是々非々」が要求されるわけだから)を、高草木は実に手堅い筆致とアプローチで為している。ここから見えてくるのは時に矛盾や破綻を見せつつ、その内面に迷いなども抱えつつも同じようにねばり強さを以て「反戦平和」を追究し続け、奮闘した知識人の姿だ
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