ヒト、イヌと語る の商品レビュー
p.6にある、イヌがいることで、知らない人から声がかかるようになり、コミュニティへの参加が促される効果も、評者も犬を飼うようになって実感されるところ。この辺りの詳しい研究もあるなら読みたい。 原初、無性生殖によって自己増殖も可能だった生命は、性をもち、個体間のDNAを交換するこ...
p.6にある、イヌがいることで、知らない人から声がかかるようになり、コミュニティへの参加が促される効果も、評者も犬を飼うようになって実感されるところ。この辺りの詳しい研究もあるなら読みたい。 原初、無性生殖によって自己増殖も可能だった生命は、性をもち、個体間のDNAを交換することで生物多様性を爆発させ、進化を促進するようになった。しかしこの時、「「個性」が生まれてきたことの引き換えに、孤独と死、が生命に課せられることになる」(p.175) 有性の生命は、一人では生きていけないので、他個体との繋がりを求め、それを支えるシステムが作られていく。本書で繰り返し言及されるオキシトシン増減のシンクロ もその一つだ。異種であるヒトとイヌは、もちろん生殖を共にするわけではないが、オキシトシンをシンクロさせることがあるという(p.140)。 最後にコーディーは死ぬ。 なんとも寂しい。わかってはいても。 孤独と死を課せられた生命が、進化の中で、他個体との繋がりを得る能力を押し広げていく。究極的には生殖のためであるヒトとヒトとの関係とは異なる、一つの到達点が、ヒトとイヌの関係なのだろう。
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獣医学者である著者が、自身が米国の大学にいた頃飼っていたスタンダード・プードルのコーディーをモデルにに書いた人と犬とのファミリーヒストリー。 犬目線と、それを解説するような人間の側からのパートで交互に語られる。ただカワイイ、カワイイだけでなく、動物としての犬の性質もよくわかる。
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