出戻り の商品レビュー
4話からなる。 私のように歳を重ねて来ると、この様な活字の大きさと読みやすさ、それに加えて、情状の余地のあるお裁きが、安心して読んでしまえる。 今回も、さくさくと読める。 題名の「出戻り」おくみが、狂言をしていたのだが、これほどの悪女を、作者が描くのも珍しい。 手代の新助まで...
4話からなる。 私のように歳を重ねて来ると、この様な活字の大きさと読みやすさ、それに加えて、情状の余地のあるお裁きが、安心して読んでしまえる。 今回も、さくさくと読める。 題名の「出戻り」おくみが、狂言をしていたのだが、これほどの悪女を、作者が描くのも珍しい。 手代の新助まで、死に至らしめ、男を手玉にとるなんて! しかし、終わりは 死罪だけで終了だった。 茶道具屋の闕所の沙汰は、この時代は、仕方ないのかも。 最後の「目利き」も面白かった。 しかし、名刀も、こんな風に、武士の元から無くなってしまうのだろうか? 祖父が、昔、鎧兜の前に座っている写真を見た。 槍などは、鴨居の上に飾られいたと、母から聞いたけど、全て戦争で燃えてしまった! その燃え跡から、兜の口蓋や刀の刃を捜したと聞いていたが、大伯父が100歳で永眠した時、刀破片も出て来た。 しかし、今の時代、刀剣類の維持法で、簡単に所持出来ないとの事。 廃棄になってしまったが、あの刀の名前は何だったのだろうと…… 戦争前まで、後生大事に、和室に飾られいたものなのだが……庭の灯籠や、石畳も、ご本家からの譲り受けたと、聞いていた。 灯籠は菩提寺の寄贈し、今、門の横に建立してある。 もっと、話を聞いておけば良かったのにと、思うが、これを伝える人も少なくなった。 時代小説を読むのには、知っておくと、読みやすい事もあり、なる程と思われる事も多々ある。 さてさて、次は何を読もうかな?
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藤井邦夫「出戻り」、新・知らぬが半兵衛手控帖シリーズ№19、2023.6発行。いつも通り読み応えあり。脅し文、手遅れ、出戻り、目利きの4話。脅し文、手遅れがお気に入りです。
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