ベニシアの手づくり暮らし 猫のしっぽ カエルの手(英国里帰り編) の商品レビュー
ベニシアさんのルーツを探るDVDと、エッセイ。 親に振り回された幼少~少女期。 ただ、そのなかで、大切なことに気づき、目覚めていけたのも、やはり、その時期の経験あってのことなのでしょうね。
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いろんな過去がありますね。 で、それを合わせて今がある。 今のベニシアさんのお家を訪ねてみたい。
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「ベニシアさんが語る、しあわせの見つけかた」 ハーブ研究家として人気のベニシア・スタンリー・スミスさん。京都・大原の古民家で、ハーブとともに丁寧な暮らしを営む日々。多くの人が憧れるその日常に思いを馳せずにはいられませんが、ここに至るまでのベニシアさんの道のりは、決して平坦なもの...
「ベニシアさんが語る、しあわせの見つけかた」 ハーブ研究家として人気のベニシア・スタンリー・スミスさん。京都・大原の古民家で、ハーブとともに丁寧な暮らしを営む日々。多くの人が憧れるその日常に思いを馳せずにはいられませんが、ここに至るまでのベニシアさんの道のりは、決して平坦なものではありませんでした――。 * * * ある冬の日、自宅の2階の窓から外を見ると、大原の里に雪がちらちらと舞っていました。机の上に目を移すと、色褪せた古い写真の中で、父が微笑んでいます。私の大好きだった父、デレク・スタンリー・スミス。42歳の若さで、ある日突然この世を去った彼のことをぼんやり考えていると、私の記憶は50年前へと遡り、当時の思い出が鮮明によみがえってきました。 私は10歳で全寮制の女子校、ヒースフィールドに入学しました。ここは私にとって、子供時代に幾度となく訪れた生活の激変からの避難場所でした。生きていくうえで、自分の運命を決めるのは自分自身なのだと気付いたのもこの学校でのことです。ヒースフィールドのような個性的な学校に行かせてくれたことを考えると、私は母に感謝の気持ちでいっぱいになります。 1882年に創立された母校は、ロンドン西方のバークシャー州にあります。約36エーカーもの美しい緑の庭と林の中にあり、田舎でありながら、簡単にロンドンにも出られる最高の立地にありました。 校内には、ひとり自然の中を散歩できる場所から、テニスコートやラクロス用のフィールドなど、充実したスポーツ施設もありました。カリキュラムも豊富で、私は、フェンシング、スペイン語、ギリシャ舞踊、ピアノ、声楽などの授業を選択しました。 キリスト教精神に基づく学校だったので、1日2回の礼拝がありました。今振り返ると、これは私の大きな糧となりました。当時歌った賛美歌の歌詞や、日々朗読した聖書の言葉や祈りは、子供の頃から読んでいた世界の聖人や思想家の教えとともに、ずっと私のインスピレーションの源泉となっています。 その頃の私には、辛い出来事が立て続けに起こり、学校のチャペルで時間を過ごすことがよくありました。寂しさや悲しみが込み上げてくる時、パイプオルガンの優しい音色に耳を傾けながら、色とりどりの美しいステンドグラスを眺めていると、心が落ち着きました。 「人は、何のために生きているのか」という疑問を抱いたのもこの頃です。でも答えは見付かりません。本当の幸せを見付けたいという衝動が、生まれて初めて心の奥底から湧き起こりました。 苦しみながら生きたい人などいません。この世で悩み煩(わずら)いたい人などいません。けれど物事が思うようにならないと、人は困惑し、嘆き悲しみます。だんだんと悲観的な考えになり、自分がこんなに苦しい目にあっているのは周りの人のせいだと、周囲を責めるようになります。 学校や職業、あるいはパートナーなどを変えれば、幸せになれると考える人もいます。私の母もそうでした。けれど、ほとんどの場合、何かを変えても真の幸福を掴むことはできないのです。~『ベニシアの手づくり暮らし 猫のしっぽ カエルの手 英国里帰り編』より * * * 実はこのお話、まだまだ続きます。DVDブック『ベニシアの手づくり暮らし 猫のしっぽ カエルの手 英国里帰り編』についている書き下ろしエッセイの冒頭部分です。こちらでは少ししかご紹介できなくて残念ですが、今に至るまでのベニシアさんの“根幹”をつくったベニシアさんのこの心の旅を辿ることで、読んだかたの心が温まり、勇気が出たらいいな……と願っています。
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