臨床現場のもやもやを解きほぐす 緩和ケア×生命倫理×社会学 の商品レビュー

森田達也(著者),田代志門(著者)

2023/09/21

素晴らしい本でした。
臨床医として新しい視座を与えてくれるもので、医療をする場にいる身としては、医療も人生における選択肢の一つに過ぎないという点については忘れてしまいやすいことなので改めて認識する機会となりました。
人と人の関係性なので、どうしても相談される人の立場や役職、おかれた場所によって相談内容もガラッと変わることは意識したいです。それをはっきりしないととるのではなくどの態度も真実なのだと、不確定な人間を受け入れることは、看取りの現場以外でも回答となりうる気がしました。
他職種間でニュアンスを共有することは、医療側にとっても社会学側にとっても目の前にいる人の解像度を上げるために役立つものと信じます。
この本を読んでいて悩ましく感じたことは、スッキリした以上にこれからも臨床現場で悩むことが増えそうなことでした。40にしても。