仮面幻双曲 の商品レビュー

大山誠一郎(著者)

2023/11/29

兄の命を狙う双子の弟。彼は顔を変え、兄のそばにいる。誰が、その弟なのか。

この作家さんの作品を読むとき、
どんなトリックが出てくるのかと、楽しみだ。

時代は戦後すぐの昭和二十一年。

横溝正史が描くところの探偵、金田一が
ひょっこり顔を出しそうな雰囲気だ。

だが、この作品の探偵役は兄妹。

兄妹探偵は、二木悦子さんの悦子、雄太郎がまっさきに
頭に浮かぶ。

こちらの妹は、あまり役に立っていなさそうなのだが。

兄の命を狙う双子の弟。彼は、顔を変え、その手術をした
整形外科医を殺害、逃亡した。

兄妹探偵は、兄弟の伯母から依頼を受け、
兄の護衛と、弟の行方を捜索することに。

だが、護衛を続ける中、兄は殺されてしまう。

新しい顔を手に入れた弟はどこにいるのか。
誰が、その弟なのか。

双子の殺人事件、これは、まさに
昭和のザ・探偵小説である。

ただ、自転車で町を走り回っていただけの探偵が、
後半、怒涛の推理を披露したのは、少々…、
なのだが、
あ～、騙されたと、トリックは納得のものだった。

2023/10/23

戦後昭和での会社社長殺害事件の謎を解く。いやあこの逆転の発想というか、まったく想定外で、とても楽しめました。

2023/08/02

大好きな作家さん。犯人探しも面白かったし、ストーリー的にも読み込めたんだが、説明的な文章になったのが残念。犯人ありきが先行していてそれにあわせた大円団も鼻につく。

2023/08/25

かなり真剣に推理してみたのだが、かすりもしなかった。しかしながら、この完敗は気持ちがいい。いやあ楽しい。パズルに振りきってる感があって、キャラ立ちとかギミックは抑え気味なので、そういうものを望む人には食い足りないかも。ただ時代の雰囲気みたいなものは充分あって、巻末解説で阿津川辰海氏がいろんな作家さんの名前を挙げられていますが、個人的には横溝正史、殊に「犬神家の一族」を連想しました。パズラー好きにはマスト。