すごい建築士になる！ の商品レビュー

関本竜太(著者)

2023/09/09

自分の事務所を持つ一級建築士の建築家が書いた本。
一つの家を建てるにあたり、土地の特徴や家主の希望など様々な要因、制約の中でその人にあった家を提案する事は大変さと、醍醐味の一端を感じた、
また自分の基準を誰よりも高く設定する。などの考え方などは、建築に関わらない仕事でも共通なものだったので参考になる事が多かった。

気に入った事
定量的と定性的どちらが上か下かではなく、両方とも同じ位のバランスで建築に求められる要素
設計者は、その空間で過ごす人の動きをリアルに想像し、必然性のある設定と舞台を用意する共感性のある建築が必要
仕事で大切なことの1つ時間をコントロールすること。その方法として1つはすぐにやること。もう一つは忘れないようにメモを取ること。
設計者はお笑い芸人に学べ。理由、1緊張と緩和、フリとオチ、山天井(畳み掛け)
設計が上手くなるために必要な3つの心がけ。1 聴く聞く2提案する。3表現する。
表現する=共感を持って建て主にイメージを伝える。必ず考察を書くことを心がける。
うまいプランの鍵は部屋キッチンとダイニングの配置。
プレゼンテーションの基本、サプライズはしない、1本のストーリーに乗せて伝える、ゆるい完璧さを目指す。
自分の基準を誰よりも高く設定する。
どんなに設計が上手くなるためのコツや心がけを身に付けても、仕事のスケジュール管理ができなければ、それを存分に発揮する機会は失われる。
自分でやるべきこともしないで不運だと嘆いていたりねたんだりする事は、正直時間の無駄遣い
あなたが書いた図面は、工務店の監督や現場の職人が、あなたの設計者としての力量を判断する基準となることを忘れてはいけない。
建築業界は、義理と人情を重んじる風潮があります。
適正価格とは最後に建て主が決めた金額のことであり決して当初予算のことを指すものではない。
事務所経営の安定化の方法を一言で言えばぶれないこと。自分は何のために仕事をするのか。この目的意識され、失わなければ大概の事は乗り越えられる。
事務所主催者の理念や信条そのものを発信することが設計事務所としての営業

2023/07/01

リオタデザインの関本氏による、「すごい建築士になる！」ための本。
1.設計が上手くなりたい
2.住まい手の「こうありたい」に応える設計
3.自分の事務所を立ち上げる
4.心が折れる前にやってみること
の4章構成で、それぞれ氏が長年培ってきたノウハウを一般化して明かしてくれている。
すでに私も自分の事務所を立ち上げて18年、そういう意味では本書の大半はこれまで自分がやってきたことのおさらいでもあった。
どうしても経済活動の川下にならざるを得ない請負業である設計事務所、関本氏レベルでもやはり同じような悩みも抱えているのだなと興味深い。