神州纐纈城 の商品レビュー
"破天荒"とはこういう小説を言うのだろう。 人の血を絞って纐纈の赤い布を染める水城の城主、富士の樹海に巣食う邪剣の主…外連味たっぷり。作者は明治の教育を受け、早大英文科に学んで劇作家となっただけあって、さすがに文章は美しく、読ませます。 所謂『伝奇物』として人...
"破天荒"とはこういう小説を言うのだろう。 人の血を絞って纐纈の赤い布を染める水城の城主、富士の樹海に巣食う邪剣の主…外連味たっぷり。作者は明治の教育を受け、早大英文科に学んで劇作家となっただけあって、さすがに文章は美しく、読ませます。 所謂『伝奇物』として人気がある作品だという事は知っていました。この作品が未完なのは、これはこれで良いのだと思います。 ちなみに私は、先日「鬼滅の刃」を見ていて急に思い出して読んでみた…って所です。 以前は河出文庫でも出ていたし、今回は春陽文庫。途切れることなく出続けるという事は、それだけ需要があるんですかね。それとも日本人には「伝奇ロマン」に引き寄せられる血が流れているのでしょうか。まるで纐纈城に引き寄せられる主人公の庄三郎のように、"無明の灯火"を求めて集まってしまうのかな。…自分もだけど。
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