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どれほど似ているか の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2024/06/09

韓国作家の本で初めておもしろいと思った。心理小説や群像劇だとなんだかんだ日本社会と似てる部分が多い割に作家の筆力面は未熟だし、中国作品に感じるワンダーさもないからわざわざ韓国文学に手を伸ばさなくても、と思っちゃうんだけど、読むならSFやファンタジーってことだな

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2024/03/26

タイトル作品と「ニエンの来る日」が良かった 読みづらくて断念した作品もあったけど SFだが遠い未来を描くのではなくいまを冷静に見る作品で 儒教の名残りが強い韓国ならではかなぁと思う 「どれほど似ているか」は映像化されたらとても面白そうだ

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2023/12/15

評判に惹かれて図書館から借り出し。韓国女流SF作家の短編集だが、最初の第一話だけ読んでん、なんか違う感じがする。

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2023/11/08

短いものから中編まで合わせて10の物語が含まれている。韓国の社会状況を背景にしたものが多いが、実は日本でも共通する問題だと思う。それぞれに面白かったが、「歩く、止まる、戻っていく」「どれほど似ているか」が特に面白かった。

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2023/11/01

原子や量子と言ったレベルの話から着想して、人間関係のあり方を哲学的かつ詩的に物語る巻頭の2編(「ママには超能力がある」「0と1の間」)がよかった。その他の作品もよくできているが、短編のせいか、メッセージがストレートで若干わかりやすすぎる気もする。もちろんそのメッセージはどれも大切...

原子や量子と言ったレベルの話から着想して、人間関係のあり方を哲学的かつ詩的に物語る巻頭の2編(「ママには超能力がある」「0と1の間」)がよかった。その他の作品もよくできているが、短編のせいか、メッセージがストレートで若干わかりやすすぎる気もする。もちろんそのメッセージはどれも大切なものできちんと受け止めるべきものなのだけれど。

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2023/10/16

キム・ボヨンの韓国発SF。なかなか面白かった。「0と1の間」とか、「どれほど似ているか」などがよかったな。

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2023/09/04

手に取った時に期待したとおりの雰囲気で、読後とても満足感があった。 特に印象に残ったのは「静かな時代」。政治に対する不信感を持つ人なら一度は夢想するような清々しい希望がまぶしかった。作者が言うようにこれは政治小説ではないだろうし、だからこそ純粋に物語としての美しさが際立って思え...

手に取った時に期待したとおりの雰囲気で、読後とても満足感があった。 特に印象に残ったのは「静かな時代」。政治に対する不信感を持つ人なら一度は夢想するような清々しい希望がまぶしかった。作者が言うようにこれは政治小説ではないだろうし、だからこそ純粋に物語としての美しさが際立って思えた。 またアメコミ”フラッシュ”を彷彿とさせる「この世でいちばん早い人」は能力バトルっぽさがあり一番楽しく読んだ。ただ、底にあるのは分断される社会への悲しさや痛みで、そのバランス感覚もいいなと感じた。 新しい作品と古い作品が一緒になっている短編集ということで、キム・ボヨンさんの考えの変遷が窺えるような各作品同士のつながりも興味深かった。 「韓国 /フェミニズム / SF」はこれからも自分の中で要注目のキーワードになりそう。

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2024/03/03

韓国の女性SF作家さんの短編集。新進気鋭の若手さんかと思ってたら、韓国を代表するベテランSF作家さんとのこと。韓国の女性SF作家さんに共通しているのか、まだそんなに多くの作品を読めていないのでわからないが、とても叙情的な文章に、ハードめなSF的設定の組み合わせが独特な世界観で、最...

韓国の女性SF作家さんの短編集。新進気鋭の若手さんかと思ってたら、韓国を代表するベテランSF作家さんとのこと。韓国の女性SF作家さんに共通しているのか、まだそんなに多くの作品を読めていないのでわからないが、とても叙情的な文章に、ハードめなSF的設定の組み合わせが独特な世界観で、最初とまどうことが多いかもしれない。こちらの短編集はバラエティに富んでいるが、かなり韓国の現状の問題点(女性軽視や受験問題、貧富の差、政治腐敗などなど)が反映されていて、考えさせられることも多い。表題作の「どれほど似ているか」と「静かな時代」が印象的だった。

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2023/07/20

SF‥空想科学小説のジャンルは好きだけれどなんだかんだで小学生の頃読んだ星新一作品にかなうものなし!と思い込んでいた自分を反省したい。 当時からみれば未来である現在のSFは、社会や科学技術が進歩したからこそのおもしろさ(と共に悲しさ)がてんこ盛りで少し前に読んだ『サイボーグになる...

SF‥空想科学小説のジャンルは好きだけれどなんだかんだで小学生の頃読んだ星新一作品にかなうものなし!と思い込んでいた自分を反省したい。 当時からみれば未来である現在のSFは、社会や科学技術が進歩したからこそのおもしろさ(と共に悲しさ)がてんこ盛りで少し前に読んだ『サイボーグになる』のことも思い出しながら、一気読み。 巻末、作品ひとつずつに短い「作家の言葉」が有り、池澤春菜さんの「わたしたちが手をつなぐために」の解説でなるほど!と気付くこともあって二度美味しい。それに(いつもながら)斎藤真理子さんの翻訳がすばらしい。

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2023/06/13

骨太なSF中短編集。どの物語も読み応えがあった。 「この世でいちばん速い人」 主人公は、光速で動き、数々の事故を未然に防いできた〈稲妻〉という名の超人。 他にもこの世界には多様な能力をもつ超人がいて、市民の生活を守っている。 当然感謝され敬われているだろうと思いきや、その逆なの...

骨太なSF中短編集。どの物語も読み応えがあった。 「この世でいちばん速い人」 主人公は、光速で動き、数々の事故を未然に防いできた〈稲妻〉という名の超人。 他にもこの世界には多様な能力をもつ超人がいて、市民の生活を守っている。 当然感謝され敬われているだろうと思いきや、その逆なのがリアルでしんどい。 必死で食い止めた事故は、結果として何も起きてないことになる。 防げなかった事故だけがニュースになり、防げた可能性を指摘され、集中砲火を浴びる。 「お前がいながら何故こんなことに」 スケールは全然違うけど、校正の仕事をしていた頃を思い出して心臓がギュッとなった。 突出した能力があるなんて素晴らしい、安易にそう言えてしまうのは、凡人の特権かもしれない。 人類に還元しないことは、罪じゃない。 誰の目にも触れないまま擦り切れそうになっている人のことを想像した。 表題作「どれほど似ているか」 「わたしから何かが消去されている」 宇宙船ではたらく危機管理AIが、ずっと抱いていた違和感。 正体を突き止めるために人型の義体に入ってみたものの、余計に混乱するばかり。 船員達の理解不能な行動や、感情の起伏。 何か原因があるようなのに、わたしにだけ、見えてない。 ここで書くのは控えるけれど、ないものとされたことで、あまりにもまざまざと「それ」が浮かび上がる。 人々の間での絶望的な認識のずれも。 こんなにはっきり存在していても、ある人にとっては空気のようで、全く自覚がなくて、ないことになっているのだ。 読み返したときに広がる景色に愕然とするので、ぜひ読んでみてほしい。

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