incomplete album 展翅零 第一歌集 の商品レビュー

展翅零(著者)

2024/03/24

素晴らしかった。シュルレアリスム的で、意味のわかる短歌ばかり読んでいる最近の短歌初心者には向かない。祈りの挙動のようで、それでいて全面的に自身を曝け出している。私にはできない発想とできない身体性を持って産まれた本だ。この作品により救われる人は多いと思うが、うまく届かないかもしれない。届いて欲しいと思う。

2023/07/27

短歌を読むと、その短歌が詠まれた情景や心情が心に浮かぶんだけど、展翅零さんが詠んだ短歌を読んでいても、何が言いたいのかわからない歌が多くて、理解に苦しみました。

私の理解力が足りないのか？想像力に欠けるのか？

上の句に対応して下の句があると思うんですが、上の句と下の句が分離していて一つの歌として成り立っていないと感じる歌が多々ありました。

想像力を働かせても、どういう心情で書いたのか頭に浮かんでこなかったです。
私は短歌の知識が無いので、世の中には展翅さんのような詩のような短歌を作る人も多いんでしょうか。

私のような良い読者ではない人のために、一首ごとに展翅さんの自作解説が有ってもよかったかな。

全体的に死をイメージさせる短歌が多いことが気になりました。プロフィールの〈病気により療養中〉とあり、なんの病気か分かりませんが、そのことが短歌に反映されていることは間違いないでしょう。

気になって調べてみると、本人のツイッターが見つかりました。現在はメイドさんやイベントを開催出来るまで、元気になっているようでホッとしました。

2023/07/05

目に見えるもの、見えないもの。すべてのありふれた彼女の日常が彼女のからだを通って、紡がれた歌たち。
内臓見せてくれてる！きれいです

2023/07/05

詩集ってこういうものなんですか？
前提として、私は詩集というものを読むのがこれが初めて。
まず、彼女の作風が私には合わなかった。
終始鬱屈としていて（体感としては8割ネガティブ2割ポジティブな印象）。著者説明に病気により療養中と書いてあり、その影響が少なからずあるのだろう。
日常を切り取ったとも異なる、思い浮かんだ言葉の羅列をただきれいに並べたような印象を受けた。
残念ながら私はこの作品から何かを感じ取ることはできなかった。
解説を読んで、彼女が”意味を書き換え”をしようとしているのだと知る。特に宗教的な単語に書き換えていることが多い。
なるほど、そういうことかと読み返してみて、やっと少し詩の意味がすこしわかるようにはなった。
私としては書き換えなくても意味がわかるように、例えばきちんとテーマを定めてほしかった。
一応各詩集毎に見出しがあるのだが、いかんせんふわっとしすぎていて詩と見出しの関連性が見出しにくい。
詩というものはこういうのが普通なのだろうか？
incomplete album - 未完成の詩集。
彼女の作品はいつ完成するのだろうか。