モンスーンの世界 の商品レビュー
気候に関する理系的な内容から文化論まで、守備範囲の広い一冊。完成度高し。 インドからヒマラヤ山脈などの地形が東アジアの気候に大きな影響を与えている。地形も含め日本独自の四季についての内容から、広く東アジアの文化論まで奥行の深い一冊、満足度が高い。
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西はインドから東は日本までの南アジア、東南アジア、東アジアの地域、これをモンスーン・アジアと呼んでいます。 モンスーン・アジアの自然環境、生態、風土、文化など幅広い話題について書かれていて、国語算数理科社会全部を網羅するような本です。 前半部分が自然環境、後半部分が風土、文化を中...
西はインドから東は日本までの南アジア、東南アジア、東アジアの地域、これをモンスーン・アジアと呼んでいます。 モンスーン・アジアの自然環境、生態、風土、文化など幅広い話題について書かれていて、国語算数理科社会全部を網羅するような本です。 前半部分が自然環境、後半部分が風土、文化を中心に記述されています。 印象に残ったのは、この地域では1万年くらい前から水田による稲作農業が行われていて、この水田からでてくる水蒸気がこの地域の気候に大きな影響を与えている、ということでした。
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「モンスーンアジア」なんとも魅力的なテーマだ。どうしてこういう気候となっているのか、その影響で我々の住むアジアはどういう地域となっているのか。なんとなく人口が多いことには気づいていたが、全世界の55%を占めるという。インドや中国を含むわけだから当然なのかもしれないが、ヨーロッパに...
「モンスーンアジア」なんとも魅力的なテーマだ。どうしてこういう気候となっているのか、その影響で我々の住むアジアはどういう地域となっているのか。なんとなく人口が多いことには気づいていたが、全世界の55%を占めるという。インドや中国を含むわけだから当然なのかもしれないが、ヨーロッパに南北アメリカ、アフリカ、西アジアとあるわけで、ヒマラヤより東のこの地域だけで世界人口の半数以上というのはやはり多い。というわけでCO2排出量も多くなるわけだ。石炭など化石燃料の燃焼も多い。この地域の気候特性を利用した発電方法をこの地域で協力して作り上げていかなければいけない。本書を読み始めると、最初は文学かと思っていたら、想定通りのきちんとした地球科学が登場し、気がつくと文化論から経済や国際政治にまで話が広がる。そして最後には環境問題から「人新世」がテーマとなる。1人の著者でよくここまで話が広がると思ったが、「おわりに」に記された著者の略歴によれば当然のことのようだ。我々にとって大きな課題ではあるが、喫緊で考えていかなければいけない問題が山のようにあるわけだ。ところで本書によると水循環における植物の影響はかなり大きいようだ。というわけで、やはり草刈りはCO2削減という意味も含めて中止していくべきなのだ。まあ、こんなことを自治会とかで提言しようものなら、変人扱いされるのは目に見えているのだが。川沿いに萩が春から伸び放題で、毎年、7月に刈り取られてしまう。その後、また伸び出して、9月にはちゃんと花を咲かせる。いつも思う。7月に刈らなければ、どういう状態で、いつの時期に花が咲くのか。まあ開花時期は変わりないのだろうなあ。虫たちの居場所も突然無くなって、みんなびっくりして大移動しているのだろうなあ。
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- ネタバレ
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特に後半面白い。検証必要な話と事実との切り分けけっこう大変。インドからこっちという地域区分とアジアと。また読む。ベトナムの米買う協定、モンスーンアジアグリッドできないかなあ。モンスーンアジアが温暖化にかなり寄与してるのは多分正しい。日本近代化の検証必要はやれるかなあ。インドのカースト制が多重のセーフティネットという理解。チャンパ。永久凍土と熱帯雨林。インド亜大陸とチベットヒマラヤで東西非対称。テレコネクション。南方振動。 地理学と気候と。
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四季があるのはモンスーンのおかげ! 日本をはじめアジアに豊かな自然と文化を育んだ気候システムを解説し、直面する危機を訴える。
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