高瀬舟 の商品レビュー
乙女の本棚シリーズから、森鴎外さんとげみさんのコラボ作品「高瀬舟」です。森鴎外さんと言えば、「舞姫」が好きな私ですが、「高瀬舟」が安楽死を扱った作品であることは知っていました。でも読むのは初めてかな…しかも大好きな、げみさんのイラストとなれば…もう、これは間違いないでしょっ!こ...
乙女の本棚シリーズから、森鴎外さんとげみさんのコラボ作品「高瀬舟」です。森鴎外さんと言えば、「舞姫」が好きな私ですが、「高瀬舟」が安楽死を扱った作品であることは知っていました。でも読むのは初めてかな…しかも大好きな、げみさんのイラストとなれば…もう、これは間違いないでしょっ!この作品、乙女の本棚シリーズにハマりだした当初は図書館に置いてなかったんです…でも最近入れてくれたんだけれど、予約のタイミングが遅くなって…そんなこともあったので読むのを楽しみにしてました。 高瀬舟…島流しの刑を言い渡された罪人を護送する舟、ある夜その舟に乗せられた喜助の様子は他の罪人とは全く異なり、そのことを怪訝に思った役人の庄兵衛は、喜助にそのわけを尋ねる…。喜助は病身の弟を殺めた罪に問われることになったが、弟は自死できず苦しみ喜助に「…どうか手をかしてほしい…」と頼む…。 なんとも、悲しいけれど…喜助の胸の内は清々しいものに…。私ならどうするか…いろいろ考えました。そして、喜助の弟の立場ならどうか…そんなことも考えました…。喜助の弟は最も信頼している兄だからこそ頼めたんじゃないか…そんな風に私は解釈しました。そして、喜助も弟だからこそ…そう考えると、結末はどうであれお互いにそれだけ大きな存在、家族の愛を描いた作品だと感じることができました。そして、げみさんのイラストはこの作品にぴったり…静寂な夜、ふたりの話す声と川の水面が揺れる音を感じさせるイラスト…幻想的でステキでした。
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げみさんの優しさを感じさせるイラストが文章や雰囲気と合っていて読みやすかった。 ただ単に「この人は悪者」と決めつけてはいけないですね。その人の全てを知っている人のみこそ本当の事を語れるのかなと。こういう事は昔はたくさんあったんだと思うと心が傷みますね。
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高瀬舟を絵本で。 美しいイラスト。 ただ、自分的には文章のみで読んだ方が良かった これは、最初に読んだ印象なのか、イラストで目の前に突きつけられる凄惨な場面のの恐ろしさなのか この絵本から手に取る中高生も多いかな
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名作! 罪を犯した罪人を島に送る船で、どの罪人も重たい表情なのに対して、この喜助はとても爽やかな顔をしている。 不思議に思い、お役人様が喜助に話しかける。 どういう事情なのか?と。 弟は自殺しようと、クビに剃刀を当てていた。 発見時にはもうかなりの出血量で、とても苦しそう。 兄に...
名作! 罪を犯した罪人を島に送る船で、どの罪人も重たい表情なのに対して、この喜助はとても爽やかな顔をしている。 不思議に思い、お役人様が喜助に話しかける。 どういう事情なのか?と。 弟は自殺しようと、クビに剃刀を当てていた。 発見時にはもうかなりの出血量で、とても苦しそう。 兄に剃刀を引き抜いて欲しいと、頼む。 兄は弟が苦しそうなのを見て、医者を呼びに行こうとするが、弟は、このまま生き抜いても意味がないという。 剃刀を引き抜いてくれた方が楽になると言う。 兄は、弟の頼みを聞き入れ剃刀を首から引き抜くが、とにかく出血が止まらない。 世話をしてくれる近所のおばあさんにも目撃されて、お役人に捕まってしまう。 兄を思う弟と、弟思いの兄。 これは犯罪なのであろうか? 同心のお役人様(庄兵衛)も、悩む。 でも清々しい顔をしている喜助。 庄兵衛には、 空を仰いでいる喜助の頭から毫光がさしているように思えた。 とても印象深い話。 げみさんのイラストがとても素敵。 このシリーズ好き。
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「次第に更けて行く朧夜に、沈黙の人二人を載せた高瀬舟は、黒い水の面をすべって行った。 罪人を乗せる高瀬舟の上。弟を殺した喜助の護送を命じられた庄兵衛は、その不思議な様子に興味を持ち、彼に話しかけた。 森鷗外の名作が、イラストレーター・げみによって描かれる。 名作文学と現代の美麗な...
「次第に更けて行く朧夜に、沈黙の人二人を載せた高瀬舟は、黒い水の面をすべって行った。 罪人を乗せる高瀬舟の上。弟を殺した喜助の護送を命じられた庄兵衛は、その不思議な様子に興味を持ち、彼に話しかけた。 森鷗外の名作が、イラストレーター・げみによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。」
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