中華を生んだ遊牧民 鮮卑拓跋の歴史 の商品レビュー
現在漠然とイメージされる中華文明の様式のもととなった唐以降の王朝文化が、元は中華ではない遊牧民族の鮮卑・拓跋部のもたらしたものを由来とするものも多く含まれている。それらの融合の様子を解きあかすため鮮卑の淵源からその勢力の発達過程を辿り、その独自の習俗が改められ単に漢化したというの...
現在漠然とイメージされる中華文明の様式のもととなった唐以降の王朝文化が、元は中華ではない遊牧民族の鮮卑・拓跋部のもたらしたものを由来とするものも多く含まれている。それらの融合の様子を解きあかすため鮮卑の淵源からその勢力の発達過程を辿り、その独自の習俗が改められ単に漢化したというのではなく、代や北魏という国家が打ち立てたられたことで元来の中原文明とどのように習合していったかを解説している。政治史を表面からなぞっただけでは知れなかった、レビレートや子母貴死の他にも金人鋳造という制度などを知ることができた。
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魏晋南北朝時代に活躍し、北魏を建てた鮮卑拓跋部の歴史をたどり、鮮卑拓跋部をはじめとする北方遊牧民がそれまでの中華の取捨選択を行い、胡俗の要素を加えた新たな中華を創造したことを論じる。 世界史の授業で少し触れただけだった鮮卑拓跋部、北魏について、深く知ることができ興味深かった。鮮卑...
魏晋南北朝時代に活躍し、北魏を建てた鮮卑拓跋部の歴史をたどり、鮮卑拓跋部をはじめとする北方遊牧民がそれまでの中華の取捨選択を行い、胡俗の要素を加えた新たな中華を創造したことを論じる。 世界史の授業で少し触れただけだった鮮卑拓跋部、北魏について、深く知ることができ興味深かった。鮮卑拓跋部をはじめとする北方遊牧民が現在中華文明の要素とされる様々なもの(例えば、ラーメン、肉まん、餃子など)に影響を与えていたことを理解した。 鮮卑拓跋部の歴史をたどると、肉親同士でも裏切りや暗殺などだらけで、ちょっと殺伐とした思いに駆られた。 本書では史料からどのように史実を復元していくかという具体的な例示もたくさん盛り込まれており、歴史学研究の方法を垣間見れるという点でも興味深かった。
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