橋本左内 の商品レビュー
第一章 生誕と家系・家族 1 出生と先祖 2 左内の両親 3 左内の同胞 4 橋本家の子孫たち 5 菩提寺と家僕・学僕 6 橋本左内の名乗りについて 第二章 少年時代 1 容姿と人となり 2 幼少期の師 3 吉田東篁と崎門学 4 『啓発録』 第三章 蘭学と...
第一章 生誕と家系・家族 1 出生と先祖 2 左内の両親 3 左内の同胞 4 橋本家の子孫たち 5 菩提寺と家僕・学僕 6 橋本左内の名乗りについて 第二章 少年時代 1 容姿と人となり 2 幼少期の師 3 吉田東篁と崎門学 4 『啓発録』 第三章 蘭学と医学 1 大坂遊学 2 福井藩医として 3 江戸遊学 4 志士への道 第四章 教育と思想 1 藩校明道館と教育改革 2 制産論とその展開 3 左内の政体論と国体論 第五章 国事奔走と安政の大獄 1 将軍継嗣問題・条約問題の契機 2 左内が理想とする政体 3 国事奔走 4 将軍継嗣問題の決着 5 安政の大獄 6 藩内の動揺 第六章 幽囚生活と最期 1 藩邸内での幽囚生活 2 訊問と主張 3 悲風啾々 第七章 没後の栄光と評価 1 左内の追悼と奉祀 2 顕影と評価 3 描かれた左内 4 書と詩歌
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安政の大獄で刑死した人ぐらいの知識で拝読。家族構成から死後の扱いにまで筆の及んだ毀誉褒貶のない公正性のある良書。左内の書いた啓発録が読みたくなった。 父母の教育もあるだろうが多数の師から学び自己研鑽の末に若年で頭角を現す正に俊才。本書で彼を絶賛している人達が緒方洪庵、西郷隆盛(始...
安政の大獄で刑死した人ぐらいの知識で拝読。家族構成から死後の扱いにまで筆の及んだ毀誉褒貶のない公正性のある良書。左内の書いた啓発録が読みたくなった。 父母の教育もあるだろうが多数の師から学び自己研鑽の末に若年で頭角を現す正に俊才。本書で彼を絶賛している人達が緒方洪庵、西郷隆盛(始めは舐めていたが直ぐに及ばないと認めた)、横井小楠、松平春嶽等一流の人達(他にも多数)というだけでなく、日本の国力からロシアアメリカと同盟して国力増強するという歴史的に正解というか予言者の様な思想を持っている事からも頭脳の高さが伺える。賢才は多才なりというだけあってあらゆる方面に興味を示している事からも江戸の知識人としては第一級の人物といえる。医師という職業からもあるだろうが蘭学(英語ドイツ語も解していたといつ説あり)が彼の合理精神と知識と見識を高めたのではなかろうか。それでも温厚でユーモアのあるといった点も見逃せない。 結局大名同士の政争の末にあり得ない刑死という処置は江戸幕府をリニューアルして現代とは違った日本になっていたかもしれない未来を葬っている。そこまで大袈裟でなくとも面子で人を殺す様な政権は持つまでもなかった。この人が生きていたら明治維新の時も三十代半ばという事で日本にとっても惜しい人材を無くしたというべきだろう(それでも弟たちが優秀だったけど)。
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