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われら古細菌の末裔 の商品レビュー

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2023/08/18

 図書館の新着コーナーで手に取った。地味な装丁だがタイトルが気になった。  なるほど、1977年にカール・ウーズ等が細胞のリボソームを構成する16S rRNA分子に着目し、その塩基配列を分析することでバクテリア(真正細菌)や真核生物に加えて古細菌の3つのドメインを提唱したことから...

 図書館の新着コーナーで手に取った。地味な装丁だがタイトルが気になった。  なるほど、1977年にカール・ウーズ等が細胞のリボソームを構成する16S rRNA分子に着目し、その塩基配列を分析することでバクテリア(真正細菌)や真核生物に加えて古細菌の3つのドメインを提唱したことから古細菌の研究が加速度的に進むこととなった。  この新しい概念は学会になかなか受け入れられないという困難もあったが、その後、真核生物が誕生したメカニズムとして古細菌が葉緑体やミトコンドリアを取り込んだという細胞内共生説が提唱されるなど、古細菌をめぐる研究の目覚ましい変化が解説されている。  本著も若い人に読んでもらい研究を志してもらいたいと思う一冊だ。

Posted byブクログ

2023/08/03

それまで考えられていたように生物は原核生物と真核生物に二分されるわけではなく、その中間とも言える古細菌が存在するということ。そして生命の進化史において真核生物はその古細菌の一種から進化したということ。科学史を丁寧に押さえながら、いかにそのことが発見され定説となっていったかを書いた...

それまで考えられていたように生物は原核生物と真核生物に二分されるわけではなく、その中間とも言える古細菌が存在するということ。そして生命の進化史において真核生物はその古細菌の一種から進化したということ。科学史を丁寧に押さえながら、いかにそのことが発見され定説となっていったかを書いた本。かなり専門的な部分も多く、少し読むのは大変かも知れないが、生命の進化の不思議や、まだ知られていない生物が驚くほど多く存在しているという神秘、そして科学史も人間の営みだということを教えてくれるという点でとても面白い本であった。われらのみならず、われらが普段目にする生物は全て古細菌の末裔なのである。

Posted byブクログ

2023/06/03

生命は、いつ、どこで、どのようにして誕生したのか? 読み始めはワクワクだった。ただ、大学の講義がベースになっているので、読み進めるうちに、難解というか、わけわからん言葉が多発する。そもそも、原核生物とは?真核生物とは?真正細菌とは?古細菌とは?で、壁にぶち当たってしまう。 ともか...

生命は、いつ、どこで、どのようにして誕生したのか? 読み始めはワクワクだった。ただ、大学の講義がベースになっているので、読み進めるうちに、難解というか、わけわからん言葉が多発する。そもそも、原核生物とは?真核生物とは?真正細菌とは?古細菌とは?で、壁にぶち当たってしまう。 ともかく、カール・ウーズという研究者が、「地球上のすべての生物を一つの系統樹の上に位置付けることを可能した」という大発見をしたらしい。  また、無機物から有機物への化学進化を論じるあたりは、感動的であった。  生物学の進歩は著しいらしいが、大昔勉強した「生物」の教科書に出てきたコアセルベートだとか、オパーリンとか言った名前も出てくるので、懐かしく楽しい部分もあった。 備忘 ・太陽系の形成46億年前→地球の誕生45.5億年前→海ができる40億年前(この頃生命は誕生?)→後期重爆撃機(隕石が降る)39億年前→真核生物の誕生20億年前 ・深海熱水噴出孔付近で、無機物から有機物への化学進化が起こった可能性高い ・地球外に生命の起源を求めるパンスペルシア仮説

Posted byブクログ