哀しみに寄り添う の商品レビュー
伊集院静さん、本当に好きな作家さんだ。 お悩み相談には、驚くほど毒舌なのに小説に登場してくる人は優しい、哀しくて切なくてそして優しい。読みながら心の中に美しい情景が広がるのも巧みな文章だからだと思う。 もっともっと新作を読みたかった
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この書籍は、伊集院静氏が執筆した多数の短編小説の中から、6篇を集めたものである。収録されている短編小説はタイトルの「哀しみに寄り添う」とあるように、全ての物語で伴侶や兄弟、大切な人がいなくなってしまった主人公たちが描かれている。 私は、伊集院静氏の作品である長編小説、エッセイを多数拝読してきた。今までの作品で、著者の自伝的小説や、エッセイで描かれた実話がベースになっていると思わされる作品が本書の中で感じられた。 著者は、エッセイ等で別離について語る事がある。著者は人生のうちで近しい大切な人との別離を多数経験している。その経験から、時間が解決してくれるや、人は寿命で亡くなる等、自ら乗り越えるための心持を記している。 本書では、別離を経験した主人公が、環境や、人とのふれあい、心情の変化で苦しみを必ず乗り越えて癒されていくというストーリーになっている。 著者の人生経験、心の温かさがあるからこそできあがる作品であると思う。私自身も、本書を精読してみて、経験した別離について振り返ったが、苦しい気持ちもあるが、哀しみに寄り添うことで少し癒されるように感じた。
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