日本のモノづくりに欠落している企業戦略としてのCAE の商品レビュー

内田孝尚(著者)

2023/06/16

Hils　ハードウェアそのまま活用したモジュール単位の作動検証　
Mils　3Dモデルで作動検証　変形やガタを加味　挙動遅れを表現
Sils　パフォーマンスシミュレーター　ECUの信号処理時間を表現
Vils　すべてのモジュールを連係したシミュレーター＝欧州のモデルベース開発
＝バーチャルモデル　（≠日本のCAE＝現象解明の解析）　←EU モデル間I/F
　　①形状のデジタル化
　　②機能パフォーマンスのデジタル化
　　③制御アルゴリズムのデジタル化　

日本
　2D図面すり合わせ＝設計（試作図面）＋テスト＋製造（マザー工場）→最終図面
　3D化されるが、モデリングとCAEが別　

EU
　VT認証　UN-R　型式認定をバーチャルテストで　レベルと範囲がアップ
　①3Dバーチャルモデル活用
　②個々のバーチャルモデルの連携とビジネス展開
　③企業を超えた3Dバーチャルモデル連携と知財権活用契約

CAEの役割　　設計の検証力
　1.設計の迅速化
　2.設計の高度化
設計プロセスが進むほど、CAEの難易度は高くなる

In Process CAE
　設計と評価（解析）の同時性
　設計者の知見
　不具合の解析と対策　→設計の妥当性の評価へ　：CAEデータ＝製品の保証書

逆算のCAE
　設計の期限と設計目標をクリアするためのCAE　
　CAEの自働化
　カプセルCAE：応答曲線、モデル低次元化、サロゲートAI

2023/05/21

CAEとは、「Computer Aided Engineering」の略で、様々な物理現象をシミュレーションする技術やソフトウェアの総称。
1980年代くらいから企業で活用されている技術であるが、デジタル化の流れが著しい昨今では増々その活用が企業の戦略上重要となるというのが、本書の主張。
正直いって、少しでもCAEに絡んだ仕事をしていないと、本書の中身はピンとこないかもしれない。
人間が物理的な存在である限りはモノづくりは必ず必要であるし、それを効率的にするCAEは不可欠な技術であることには違いない。