94歳セツの新聞ちぎり絵日記 の商品レビュー

木村セツ(著者)

2024/08/16

「90歳セツの新聞ちぎり絵」の第二弾。写真入りでセツさんの日常を織り込みながら、ちぎり絵が紹介されています。
94歳のセツさんは、毎朝決まった時間に起き、化粧をして仏壇に手を合わせ、パン（マヨネーズ、チーズ、ちりめんじゃこ、タバスコ）とコーヒー、バナナ半分の朝食をとるそうです。ちぎり絵にも食べ物を素材にしたものが多く、何でもおいしくいただいている元気なセツさんにほっこりします。「551」の豚まんを「014（オイシイ）」に変えたり、「プッチンプリン」を「プチットプリン」に変えるユーモアもありつつ、字は模様の一つとして捉えているため、少し不思議な表記になっていたり、そういうところもおおらかな様子が伺えて、見ていて楽しくなります。新聞ちぎり絵が有名になって、80年ぶりに友達と再会したというのも、人生の深さを感じます。
毎年奈良漬けを漬けたり、日々ストレッチや湯舟でのマッサージを欠かさないなど、人生を緩やかにまっすぐに生きている姿勢が素敵です。ちぎり絵を家族に見てもらい、アドバイスのおかげで良くなることが嬉しいそうですが、いくつになっても他者の意見を素直に取り入れられるしなやかさも素敵です。100歳での出版も楽しみにしています。
元同僚が今春退職し、ご実家の本屋さんを継ぎました。彼女に、高齢の両親へのプレゼントとして勧めていただいた中の1冊。

2024/06/29

続編
まだまだお元気

何枚か写真も掲載されているけど、むしろ90歳の時より若々しいの！
ちゃんとお化粧もしてね^⁠_⁠^

こちらは、◯年◯月◯日　と、日記のようになっていて文章もちょっと多め。
亡くなったご主人や周りの方にいつも感謝している様子が伝わってきて、素敵だなぁと思う。
今は三人の娘さんと、親子四人で月に一回の食事会をしているそうです。

私も久しぶりに母に会いたくなりました。

美味しそうな作品で気に入ったのは、
〝卵かけご飯〟
黄身がツヤツヤなの
〝柏餅〟
餅の部分がふっくらと見えるのよ
〝餃子〟
スキヤキって文字が皮に入ってるの
（新聞だからね）

飼い猫のフクちゃんのも可愛くて好き。

最後のページは
〝二〇二三年一月七日　誕生日〟
お祝いに娘とエビ定食をパクパク食べてきました。（94歳）

勇気と元気をもらえる作品集でした。
せっかく生きているのだから、人生楽しもうと思います(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

2024/06/16

木村セツさんの新聞ちぎり絵日記。
今回も、ちぎり絵の素晴らしさに圧倒されました。おでん、ホットドッグ、ソフトクリームなど、そして前作とは違った感じのエビフライも、とてもおいしそうでした。野菜のリアルさも驚くばかりでした。飼い猫のちぎり絵のかわいさも抜群です。本当に全ての作品が見ごたえがありました。

日記もセツさんの人柄が良く現れていました。神仏にきちんとお祈りし、よく食べて、感謝の気持ちを忘れずに、きちんと生活されているご様子が写真からも伺えました。

セツさんの言葉で一番驚いたことは、ストレスを感じたことがないということでした。娘さんやお孫さんの意見も受け入れる素直さを持っているからなのかもしれません。これから歳を重ねるにつれて、私にも必要になることだなと思いました。いつまでも、見ていられるちぎり絵と、セツさんの日記を読むと穏やかな気持ちになれました。おすすめの1冊です。

2024/04/29

セツさんのちぎり絵作品、全てがあたたかくて、のびのびしていて、日記もかわいらしい。
チャレンジしてみたことが喜ばれて、またやってみようかなという気持ちになって、それが身近な人だけではなく、多くの人をしあわせな気持ちにしていたり、知らず知らずのうちに勇気を与えていたり、そんなことに自分が喜びを感じたり。
すごくシンプルな、人間のしあわせの真理だなあと、改めて気付かされます。

亡くなった夫さんの「いくつになっても勉強せなあかん」が心に残って、タイミングも重なり、こうやっていきいきと表現できているって、人生って本当に何が起きるかわからないね。
人はこの世から去ってしまうその瞬間までが人生なんだろうなあと改めて思います。

わたしもいろんな″やってみたい″気持ちに、のびのびといようと思いました。
セツさんありがとう。

2024/02/20

とてもすき。
ちぎり絵のやわらかさ、うつくしさはもちろんだけれど、ふとした関西弁のことばがすき。きっと食べることがとてもすきなおばあちゃんなのだろうと思う。

2024/02/03

作品も添えられている文章も良い。
センスがあるってこういうことかと思う。
他の人から貰ったアドバイスを受け入れて修正出来るのも凄い。
のんびり読みたい本。

2023/07/25

すごいなぁ、90歳から始めたちぎり絵でこのクオリティ。おそらく、もともと絵は上手な方なのでしょうが、周りの勧めがあったとはいえ、新しいことを始める気力があることが素晴らしい。
日常の写真や作品に添えられている文も朴訥としていてほっこりします。年齢は自分の親世代（より少し上）だけど、祖母が生きていたらこんな感じだったかなと思わされました。

2023/06/21

身近なモチーフを素朴な新聞ちぎり絵で表現されている作品集を兼ねた絵日記。
色選びやデッサンが見事で感動した。
素材元は新聞だから、アクセントや濃淡としてあしらわれている文字にふと目をやると、予想外のワードでクスリと笑えること多数。
写真や日記部分では、彼女を支える家族のあたたかさにも涙した。

2023/05/17

前作も読んでいますが、今作はさらに素晴らしく、一気に読んでしまいました。
途中から“ちぎり絵”を見ているのではなく、絵画を眺めているような錯覚に。
添えられている文章で、セツさんのお人柄や暮らしぶりが伝わって来ます。
そして何より、どれもこれも美味しそうで、お腹が空いて困りました。
ここに描かれているもの全部、食べた〜い！