サーシャ、ウクライナの話を聞かせて の商品レビュー
ウクライナのドニプロで育った女性による祖国の話。 タイトル通り、著者が学校で習ったり自分が見てきたりしたウクライナの歴史、景色、人々etc…を読者に語りかけるように書かれている。 色彩豊かな絵が、思い出の祖国の温かさと、離れてしまい記憶の一片となってしまったとしても忘れることのな...
ウクライナのドニプロで育った女性による祖国の話。 タイトル通り、著者が学校で習ったり自分が見てきたりしたウクライナの歴史、景色、人々etc…を読者に語りかけるように書かれている。 色彩豊かな絵が、思い出の祖国の温かさと、離れてしまい記憶の一片となってしまったとしても忘れることのないようにという強い気持ちを感じさせる。 絵の上に配置された文字が読みにくかった。
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コルベットさんの本棚で見つけました 「絵本」に入れましたが…… 絵がとても美しいので。 描かれていることはとても濃密です ごくごく一般的な若い女性によって祖国が語られています ウクライナは地勢、歴史とても入り組んで複雑です 24歳で二度の革命、そして戦争まで体験することにな...
コルベットさんの本棚で見つけました 「絵本」に入れましたが…… 絵がとても美しいので。 描かれていることはとても濃密です ごくごく一般的な若い女性によって祖国が語られています ウクライナは地勢、歴史とても入り組んで複雑です 24歳で二度の革命、そして戦争まで体験することになったサーシャ 愛する祖国が「独立した主権国家」であることを切望しています 恥ずかしいのですが「旧ソ連の美しい国」という認識しかなかったのですが、もっともっと知りたいと思います。 ≪ 戦車行く ひまわり畑 その悲鳴 ≫
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私の様に心のどこかで、 ウクライナとロシアが 同じような国であると、 そう思っている人には 手にとってほしい。 ウクライナにも国民が 誇る歴史と文化がある。 ロシア語を禁じること。 チャイコフスキー作の 『白鳥の湖』をバレエ の演目から外すこと。 言語や芸術に罪はなく...
私の様に心のどこかで、 ウクライナとロシアが 同じような国であると、 そう思っている人には 手にとってほしい。 ウクライナにも国民が 誇る歴史と文化がある。 ロシア語を禁じること。 チャイコフスキー作の 『白鳥の湖』をバレエ の演目から外すこと。 言語や芸術に罪はなく とも、 国民感情を慮れば簡単 に結論が出るものでは ありません。 ロシアによる一方的な 侵攻を受けている今、 自分たちの祖国が独立 した主権国家であって ほしいという思いが、 祖国への愛が胸に湧き 上がるのは当然のこと でしょう。 人は戦争に虐げられた とて「生きる」ことを 止められません。 戦火のもとでも人びと の生活は続いています。 多くの人たちが祖国の ために身を呈し日々を 一生懸命生きている。 そんな人たちの国体を 表すときに、 「旧ソ連」などと国家 のアイデンティティを 無視した、 そんな一言で括るのは 止めようと思いました。
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美しい画と平易な文章から成る「大人の絵本」のような一冊だが、大変に好い内容で、広く読まれるべき一冊であると思った。平易な文章で、文量が多いのでもないので、紐解き始めてから直ぐに読了に至ってしまった。 本書を読んでみて、題名がなかなかに秀逸だと思った。 例えば…“サーシャ”という人...
美しい画と平易な文章から成る「大人の絵本」のような一冊だが、大変に好い内容で、広く読まれるべき一冊であると思った。平易な文章で、文量が多いのでもないので、紐解き始めてから直ぐに読了に至ってしまった。 本書を読んでみて、題名がなかなかに秀逸だと思った。 例えば…“サーシャ”という人物と何処かで知り合い、語らう中で「ウクライナ出身」と判り、「ウクライナ?」ということになり、「サーシャ…ウクライナの話を聞かせて?」とでも問い、「故郷のウクライナは…」とサーシャが話してくれる内容が綴られているという感じだと思う。 本書は通訳・翻訳をこなすと同時に美術家でもあって、数々の企画に携わっているという日本の方と、ウクライナからドイツを経て米国に避難しているという女性の共作である。 本文はウクライナ女性のサーシャの言である。現在24歳だというが、結局「2回の革命に加えて戦争」という事を経験する羽目になってしまった。「そんな若さで?!」と、些か驚く。そういう話題は在るのだが、本書に綴られる内容は、とりあえず大学を卒業して、未来に向けて人生を拓こうとして、避難ということになった「普通の個人」が、伝え聞くウクライナ国内各地の様子、国民性や慣習や文化、人々が少し強く意識する歴史に関係する事柄等を判り易く語っているというものである。 何か特別な地位や立場に在るのでもなく、何かの運動や潮流に関与または傾倒しているのでもない、「本当に普通の、ウクライナに数多く居る20歳代前半の若者」による「普通な知識に基づく普通な想い」、少し言葉を換えてみると「バイアスが掛かっているのでもない人達の素朴な想い」或いは「サイレントマジョリティの声」が吐露されているように感じられる本書の内容には惹かれた。 ウクライナは様々な各々の伝統を有する各地方が集まったような美しい国だ。各地方を訪ねて休暇を過ごしたこと等を大切な想い出とする人達も多い。思うことを率直に語り合うことを好むような人達が多く、様々な分野で顕著な活躍をする人達も輩出し、より豊かな未来を目指す若き国の民であることに矜持を持っていた。それが現在は戦禍の中に在り、破壊の脅威や生命の危険に晒されている人達や、そういう人達を案じる人達が溢れるような哀しい状態になってしまっている。 少し「刺さった」部分が在る。戦禍を逃れようと欧州諸国へ出たウクライナの人達に対し、欧州諸国の人達は「理不尽な攻撃で危険な欧州の同胞を援ける」と手を差し伸べた。対して、「同じような起源を有する兄弟」と称するロシアはその「理不尽な攻撃」の当事者で、戦禍を避けてロシアに入った人達にも冷淡と見受けられるというのだ。 ウクライナでも学校で英語やドイツ語を学ぶ。英語やドイツ語を話せる人も、話せない人も在る。欧州諸国の人達とは言葉は通じ悪いが、援ける動きは在って、それに感謝するという人達が在る。ロシア語に関しては、ウクライナでは常用している人達も多く、ロシア語話者と自認していなくても話せて解せる人達も多い。ロシアではロシア語話者が圧倒的多数だ。故にウクライナの人達とロシアの人達との間で言葉は通じる。それでも解り合えていないかもしれない。そして「解らない」という度合いが、戦禍が続くに連れて拡がってしまっているかもしれない。 本書の叙述に関しては、「色々と窺い知る余地」が大きく、殆ど悉くが興味深かった。殊に、教育や言語の事情に関連する事項は興味深かった。 本書のサーシャは1998年生まれで、東部のドニプロ出身であるという。学校では1990年代からウクライナ語の学習が始まったが、ロシア語の学習も在り、同世代では両国語を自在に使う人達が多いという。他方、50歳代、50歳前というような彼女の両親は「ソ連時代の教育」で、自在に使うのはロシア語のみである。故に、サーシャは「友人同士でウクライナ語を話し、家庭等でロシア語を話す」という様子も在ったようだ。こういう中で、2014年以降の「ウクライナ語化」であった。実際、如何いうような按配なのか? 極々最近に至っても戦禍は長引く一方だ。少しでも早く平和が回復する事を願うばかりなのだが、本書のような「バイアスが掛かっているのでもない人達の素朴な想い」或いは「サイレントマジョリティの声」に触れてみることは重要だと思った。気軽に読める一冊で、画も凄く美しいので、多くの人達に本書を御薦めしたい。
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