脱炭素のビジネス戦略と技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書 の商品レビュー
脱炭素に関わる現場や各国の状況、ビジネス、技術について、カラーで図表を用いてわかりやすくまとまっており、勉強になった。脱炭素に関連して、ゼロエミッションやサーキュラエコノミーなども用語の意味を含めて、今後学んでみたいと思う。 1. 脱炭素や再エネに関わる現状 ・グリーン成長戦略...
脱炭素に関わる現場や各国の状況、ビジネス、技術について、カラーで図表を用いてわかりやすくまとまっており、勉強になった。脱炭素に関連して、ゼロエミッションやサーキュラエコノミーなども用語の意味を含めて、今後学んでみたいと思う。 1. 脱炭素や再エネに関わる現状 ・グリーン成長戦略(日本、2021年6月)→2050年に向けて14の重点分野を選定 ・ゼロエミッション:排出量ゼロ 2. 脱炭素市場に向けた各国の動向としくみ ・日本:EVの普及や石炭火力発電の削減、建物の省エネ回収などで遅れ。GXリーグによる脱炭素の推進 3. 脱炭素化によるビジネスの変革 ・自動車:ゼロエミッション車(電気自動車や燃料電池自動車)への移行 ・製造業:DX、スマートファクトリー、LCA、EAM(設備運転等をデータで一元管理) 4. サプライチェーンとライフサイクルの脱炭素化戦略 ・日中の太陽光発電の優先使用や節電機能を持つエネルギー管理システム(EMS)の登場に期待 5. エネルギーの脱炭素化に関する技術 ・太陽光発電:新しい素材の研究(ペロブスカイト)、シースルー型太陽電池(窓ガラスのよう) ・陸上風力発電、洋上風力発電 ・ブルー水素、グリーン水素 6. エネルギー利用の高効率化を実現する技術 ・電気自動車(EV):バッテリー(蓄電池)電気自動車(BEV)が今後の主役 ・燃料電池自動車(FCV):今後のグリーン水素の普及によりゼロエミッション化、商業車向き ・水素エンジン:水素は燃焼してもCO2を排出しないクリーンな燃料。自動車や発電用への活用 ・蓄電池:主役はリチウムイオン蓄電池。全固体リチウムイオン蓄電池に注目 ・ゼロエネルギー住宅(ZEH)、ゼロエネルギービル(ZEB) 7. CO2を直接的に削減する技術 ・CCS:CO2回収・貯留技術。火力発電所などの設備からCO2を回収し、地中深くに埋める ・CCU:CO2回収・利用技術。プラスチックや合成繊維などの原料を石油からCO2に置き換えると、CO2を再利用することができる ・BECCU:CO2回収・利用付きバイオマス発電 ・人工光合成:水素を使って有機化合物(オレフィンなど)をつくる技術など 8. 環境評価が高い企業のビジネス戦略 ・ソニー、イオン、花王、不二製油、東京製鐵、大和ハウス工業、古河電気工業、日産自動車、SGホールディングスグループ
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脱炭素に向けて、幅広い産業で多様なチャレンジがなされていることが、理解できます。これらの技術の中から、20年後、30年後の本命が生まれてくるのか、それとも全く異なる技術になるのか。後世の人にお聞きしたい。
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大人になったからなのか、生きていると意識してなくても脱炭素について考える機会が多くなる。温暖化は生態系や農業に影響を与え、スーパーでの食材価格に直結する。仕事に行けば経営陣は長期経営計画でカーボンニュートラルを掲げているものの手元の仕事にどう関わるかはピンとこない。そんな折に偶然...
大人になったからなのか、生きていると意識してなくても脱炭素について考える機会が多くなる。温暖化は生態系や農業に影響を与え、スーパーでの食材価格に直結する。仕事に行けば経営陣は長期経営計画でカーボンニュートラルを掲げているものの手元の仕事にどう関わるかはピンとこない。そんな折に偶然出会ったのが本書だった。謳い文句に違わず半分はオールカラーの図解でグラフをふんだんに使用してとてもわかりやすい。内容も各国の動向、企業のビジネス戦略から具体的な脱炭素のための技術まで、脱炭素に関わることが網羅されており、本書を読むだけで脱炭素に関する一通りの知識を抑えることができるだろう。世の中の仕組みを知りたい新卒の方からビジネス戦略策定に関わるマネジメント層まで一読の価値ある一冊と言えるだろう。
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