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深い穴に落ちてしまった の商品レビュー

3.4

10件のお客様レビュー

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2024/10/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本の裏表紙を見てから読み進めた。終盤まで色んな想像を働かせたものの、どのような終わり方をするか検討もつかなかった。読了してから考えてみても、おおまかに作者が伝えたいことは分かったが、完璧に理解はできていない。読み返せば味が出る本だと思う。 数字羅列の暗号はネタバレ見ないと難しい。 素数で表してる意味も複数あるとなると、全部はわからない。 穴に落としたのは母親=先代が築き上げた政治経済? 兄が愚直に奮闘する所は素敵だと思う。置かれている環境がとてつもなく悪いのに、いつか上に登って見返してやろうとしてる反骨精神は凄い。 弟が脱水症になり、言語機能が低下して失語症になった言葉の羅列のところにも、もしかしたら作者の暗号が隠れてたりするのかな?

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2024/07/08

東京創元社さんの校正課員さんが選んだズシンと響く本文200ページ以内セットに入っていた1冊 落ちてしまったというか落とされてしまったというか... とりあえず読んでみるかとページを開いてみたら想像以上に描写がきつく驚いてしまった。 考えさせられる一冊なのは確かなのだが、ここから何...

東京創元社さんの校正課員さんが選んだズシンと響く本文200ページ以内セットに入っていた1冊 落ちてしまったというか落とされてしまったというか... とりあえず読んでみるかとページを開いてみたら想像以上に描写がきつく驚いてしまった。 考えさせられる一冊なのは確かなのだが、ここから何を読み取ろうかと言われるとまた話し辛い。とはいえ、知ることができて良かった一冊であることは確かだ。

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2024/07/07

短編で面白く2時間程度で読めた かなり生々しく気持ち悪い描写が続くが、表紙のおかげで兄弟のことを角のある寓話的生き物として捉えられたのでよかった きもちわるさから出る幻想的な美しい文章もあってうっとりした このひもじさと発狂はなかなか他にない 穴=きびしい現実、兄弟=人間のもつ性...

短編で面白く2時間程度で読めた かなり生々しく気持ち悪い描写が続くが、表紙のおかげで兄弟のことを角のある寓話的生き物として捉えられたのでよかった きもちわるさから出る幻想的な美しい文章もあってうっとりした このひもじさと発狂はなかなか他にない 穴=きびしい現実、兄弟=人間のもつ性質として、現実から出るための蜂起の暗喩と読むこともできるが、そこは正直あまりわからず(なんで2人だけ?みたいな)、穴の中で描かれる景色に圧倒された

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2024/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

穴の底。 滲み出る泥水と虫で凌ぐ。 袋に入った母のための食料には手を付けない。 章の数字が素数と言うことに全く気付かなかった。 読むのに疲れたので、隠された暗号を読み解く気もしない。 兄に生きていて欲しい。

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2024/03/22

これは、難しい…気になる…気になるというのは、どうにもひっかかっていくというような 「現代の星の王子さま」というキャッチコピーは、シチュエーションとしては似てるところもあるけど、もっと暗くて生々しい肉肉しさの印象が強くて、星の王子さまではないかな、と思う。現時点では。 一周読ん...

これは、難しい…気になる…気になるというのは、どうにもひっかかっていくというような 「現代の星の王子さま」というキャッチコピーは、シチュエーションとしては似てるところもあるけど、もっと暗くて生々しい肉肉しさの印象が強くて、星の王子さまではないかな、と思う。現時点では。 一周読んだだけで、生々しい爪痕を残していくような作品だった、私は十分気になる(面白い)作品だった。 けど、どうやら様々な解釈があるらしい。普段はそういうの読まないけど、これは気になるので調べてみたい。そうしたらまた感想も変わるかもしれない。

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2023/11/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

皆川博子「彗星図書館」で取り上げられていて、興味を持った。 またカバーイラストが不気味可愛くて好きそうだと思った。 その上、作者がバスク地方出身ということで、これは読まねばと後押しになった。 原題は「El niño que robó el caballo de Atila」……「アッティラの馬を盗んだ少年」。 邦題の変更は、いい作戦だと思う。 原著の表紙は木の根っこ。 訳書のカバーイラストはやっぱりナイス。 手掛けたのは宮嶋結香。好きです。 この画家を選んだ編集者様? 装幀者様? ありがとう。 ほんわかと思わせておいて、超過酷な描写。 7メートルの穴の下で、兄弟(?)が壮絶。 会話と描写で、強烈な象徴を浮かび上がらせる、寓話。 とはいえ寓話というには過酷なサバイバル描写に、惹かれた。 そのため、作中に暗号が埋め込まれていますよ、と訳者解説にあって、ちょっと鼻白む。 この暗号を自力で解くことはせず、ネタバレサイトに頼ってしまったが、実に直截に政治的なメッセージで、またがっかり。 秘密は秘密のままで埋めっぱなしにしたほうがよかったのでは。 非政治的な読書をしているつもりで、秘密裏に読者に伝わるほうが、醸成されるものがあるはず、なのに、暗号ありまっせと謎解きゲームになると、ねえ。 個人的にアジテーションが嫌いというのも、ある。 同じくバスク地方出身のビクトル・エリセ監督「ミツバチのささやき」、あるいはアゴタ・クリストフ「悪童日記」、安部公房「砂の女」の持つ政治性って、決してゲームではなかった。 解説の西崎憲「『深い穴に落ちてしまった』副読本」のポップさが苦手なのかな。 と、つい色々愚痴ってしまったが、凄い小説であるのは間違いない。 ちなみにWeb東京創元社マガジンの特集ページが面白い。 編集部新刊レポート「深い穴に落ちてしまったので『深い穴に落ちてしまった』の話をする」 http://www.webmysteries.jp/archives/32221745.html @ 深い森の奥にある、深い深い穴の底。兄弟は土にまみれ、脱出の方法を思案している。地上を想い、泥水を飲んで生きる日々が綴られるなか、やがて物語は奇妙な幻覚と、めくるめく謎に満たされていく──。なぜ章番号は素数だけなのか。兄弟は何者で、なぜ穴に落ちたのか。ふたりが辿りつく結末は、驚愕と共に力強い感動をもたらす。暗闇で生きるあなたに捧げる、現代版『星の王子さま』。

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2023/08/29

私がここから何かを読み解こうとするには何かが足りなかった。幼い兄弟が穴の中に落ちた物語。章番号は素数。明示されない暗号。物語以外の面白さがあるのにも関わらず、それを読み解く力がないことが悔しい。

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2023/06/21

深い穴に落ちてしまった兄弟の話し。 つ、つらい。 どんどん病んでいく様が。 精神削られる。 結局なんだったのか、は読者に委ねられる系。 『現代版星の王子さま』と書かれているけど、いやぁ・・・暗黒すぎでしょ。

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2023/06/12

森の奥深くにある、深い穴に落ちてしまった兄弟。脱出方法を考えるも見つからない。食料は虫たち、飲料は泥水という環境の中でどうやって生き延びていくのか。絶望的な日々と、幻覚、幻想のようなものが広がったりと、狭い穴の中でさまざまな感情に出会う。どうやって脱出するのか、二人が選んだ道は。...

森の奥深くにある、深い穴に落ちてしまった兄弟。脱出方法を考えるも見つからない。食料は虫たち、飲料は泥水という環境の中でどうやって生き延びていくのか。絶望的な日々と、幻覚、幻想のようなものが広がったりと、狭い穴の中でさまざまな感情に出会う。どうやって脱出するのか、二人が選んだ道は。その先には何があるのか。ラストの余韻が読み終わった後も残り続ける。

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2023/05/21

兄弟が深い穴に落ちている。 彼らはそこから脱出しようと、生き延びようともがく。 言ってしまえばそれだけの話を、淡々とした筆致で描きます。不合理で危機的な状況をふたり協力して脱出する話かという予想は、序盤の方で霧散します。強圧的な兄、黙々と従う弟。見る見るうちに悪化していく状況、...

兄弟が深い穴に落ちている。 彼らはそこから脱出しようと、生き延びようともがく。 言ってしまえばそれだけの話を、淡々とした筆致で描きます。不合理で危機的な状況をふたり協力して脱出する話かという予想は、序盤の方で霧散します。強圧的な兄、黙々と従う弟。見る見るうちに悪化していく状況、狂っていく弟。 速やかな悪循環が、童話を語るような筆致でなめらかに描かれ、読む側までもが蟻地獄に引きずり込まれたかのようにただこの酷い顛末を追うばかりでした。 そうして、ぱっとわかる真実と結果を残し、するりと物語は収束します。どこかあっけなく、軽やかに。幾重にもくるまれた寓意や仄めかしに明確な答えを導けないもどかしさはあったものの、読後感はそれほど悪くもありませんでした。 彼らふたりの物語だったのか、彼らをなにかになぞらえた物語だったのか。とらえようはさまざまで、きっと読む方の自由なんでしょう。その境界線をつけないもどかしさを生む描き方が上手い物語でした。

Posted byブクログ