音楽と生命 の商品レビュー
哲学と生物学、音楽が合わさり難解な内容だが、何となく理解できる。ロゴスとピュシスの概念は興味深く、どちらもうまく行き来することが大事だと理解。
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科学 地から 図を取り出す ノイズ から コントロールへ 人間は意味のある情報を受け取ろうとする 秩序 自分は自然の側 一番身近な自然 宇宙と星座(線形的思考でロゴス化) 音楽と楽譜(構造的な時間の区切り) 作ることより壊すこと エントロピーの増大 音楽の円環...
科学 地から 図を取り出す ノイズ から コントロールへ 人間は意味のある情報を受け取ろうとする 秩序 自分は自然の側 一番身近な自然 宇宙と星座(線形的思考でロゴス化) 音楽と楽譜(構造的な時間の区切り) 作ることより壊すこと エントロピーの増大 音楽の円環 楽譜を書く人 演奏する人 聴く人 ロゴス対ピュシス 非線形的で時間軸がなく順序が管理されていない音楽(永遠に繰り返しが起きない) 山は登ってみないとつ次の山は見えない (今西錦司)
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ロゴスとピュシスを巡る音楽家と生物学者による対話。一見すると対局にいるようにも見える2人の豊かな対話は、とても味わい深いものだった。坂本龍一の音楽を聞き直した。
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最初ニューエイジぽい印象を受けたが、オカルトに陥らないようにとしっかり言及されている。1980年代にあの辺を通った人には感覚的にわかりやいのでは?
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祖父が貸してくれた。 彼らは身体全体、宇宙全体で物事を感じ、考えているんだなと思った。 均衡こそが正で美であると信じ込んでいる人間の思想を打ち砕くお話が詰まっていた。 坂本龍一という生命は死んでしまったけど、ロゴスにすることで、死んだ後もこうして考えを引き継げるのだから、ピュシス...
祖父が貸してくれた。 彼らは身体全体、宇宙全体で物事を感じ、考えているんだなと思った。 均衡こそが正で美であると信じ込んでいる人間の思想を打ち砕くお話が詰まっていた。 坂本龍一という生命は死んでしまったけど、ロゴスにすることで、死んだ後もこうして考えを引き継げるのだから、ピュシス(自然)である人間がより良い方向に向かうためにロゴスも大切であると感じた。 そして、彼の音楽の背景も知れたので、受け取り方が変わってくると思う。 素晴らしい読書体験で、手元に置いておきたいと思った。
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晩年の坂本氏は長くない事を悟り何を残すべきかを考えて余生を送ったという。音楽作品のみならずこの対談もその一つだったのではないか。 ロゴスの限界性…ピュシス(自然や事物)とは別物でありそれに自覚的である事。感覚的であるが本質的な話だと感じた。「async」以降に音楽制作にも根差す考...
晩年の坂本氏は長くない事を悟り何を残すべきかを考えて余生を送ったという。音楽作品のみならずこの対談もその一つだったのではないか。 ロゴスの限界性…ピュシス(自然や事物)とは別物でありそれに自覚的である事。感覚的であるが本質的な話だと感じた。「async」以降に音楽制作にも根差す考え方であり作品の背景としても重要。福岡伸一の動的平衡論、ユクスキュル、今西錦司などここから掘り下げて考えていきたいテーマ。
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なんとも魅力的なテーマではないか。本書はNHKの「SWITCHインタビュー」をもとにつくられている。この放送は記憶にないのでおそらく見逃している。そして、本書もまた、坂本龍一が亡くなるということがなければ、見逃していたのかもしれない。新聞広告で見つけ、めずらしく妻にも頼まれ、Am...
なんとも魅力的なテーマではないか。本書はNHKの「SWITCHインタビュー」をもとにつくられている。この放送は記憶にないのでおそらく見逃している。そして、本書もまた、坂本龍一が亡くなるということがなければ、見逃していたのかもしれない。新聞広告で見つけ、めずらしく妻にも頼まれ、Amazonで注文しようとするも在庫切れ。書店で探すが見つからず、店頭の端末で検索すると在庫わずか、もう一度探すが見つからず、他の新書を手にレジに向かうと、目の前に追悼コーナー、そこに2冊だけ残っていた。真っ白で美しい表紙であるが、もしそれが黒ずんででもいればきっと購入は見送った。しかしそうはならなかった。ということで、ロゴスとピュシスなのだ。それが一貫して流れるテーマである。前半は坂本パートであり、音楽の話が続く。スティーヴ・ライヒやフィリップ・グラスの名前も出てきた。若いころ僕も何度も聴いた。だが生物に話がからめとられていく。ユクスキュルや今西錦司や河合雅雄も登場する。このあたりまでは妻も読めるだろうか。しかし後半、福岡パートでは、生命科学中心に話が進む。シュレーディンガーやプリゴジンも登場する。ベルクソンの弧の話など、僕もかなり苦戦してしまった。福岡さんは動的平衡を理論化しようとしている。ロゴスを使ってピュシスを説明しようとする。それが科学の方法であるからやむを得ない。が、ピュシスをピュシスのまま感じることが大切なのではなかったか。楽譜やDNAというロゴスで音楽や生命というピュシスを作り上げていく。しかしそのロゴスを使っている脳はピュシスそのものではないのか。人間として表現しコミュニケーションをとっていくには共通のロゴスを使うしかないが、ピュシスそのものを大切にする心を忘れないようにしていきたい。坂本龍一さんのご冥福をお祈りします。そして、神宮外苑の自然が守られることを願っています。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
■感想と疑問 ロゴスは言葉や論理のこと。ピュシスはありのままの自然のこと。 人間はピュシスそのものを見ることはできず、ロゴスを通じて物事を見たり考えたりする。 音楽や科学や美術や哲学は、自然をできるだけありのままに記述する新しい言葉を求めるためにある。 全体を通じて、音楽家の坂本龍一と物理学者の福岡伸一という、各々の分野でロゴスを極めた二人がピュシスを捉えようとひたすらに対話し続ける様子が印象的だった。 ところが、彼らがなぜピュシスを捉えようとしているのか、本書を読んだだけでは僕にはわからなかった。 ■考察 スッキリしないので、自分なりにピュシスを追い求める意味を考えてみることにした。 自分の生活レベルでピュシスとロゴスを考えてみた。 僕は、身体の調子は自然なものであって人間が頭でコントロールできるものではないと考える。 どれだけ体調を整えようとしても病気にはかかるし、自律神経の調整は頭で考えて制御できないからだ。 少なくとも、体調はピュシスである。(そもそも作中でもそのようなコメントがあった気がする。) では、体調がすべてコントロール可能という考えを持つこと(ピュシスに反する考えを持つこと)は問題があるのか? あると思う。体調を崩した際、すべてコントロールできなかった自分の責任だと考えてしまうからだ。 たとえどれだけ健康的な行動を取っていたとしても、予期せぬ病気や不慮の事故で体調を崩すことはある。 病にかかった時に苦しいと感じるのは、病由来の直接の痛みに加え、コントロールできなかった自分への後悔も原因なのではないだろうか。 体調はコントロール可能だという考えに囚われてしまった時、つまりロゴスに囚われピュシスを忘れた時に、人は苦しむのではないかと思った。 ピュシスを追い求めるのは、ピュシスに反するロゴスを持つと苦しみの原因になるからだ。 僕は、苦しみから逃れるためという観点でピュシスを追い求める意味を考えた。 喜びにつながるなどのポジティブを増やす観点で注目している読者がいれば、その人の考えを聞いてみたい。 もし、ここまで感想を読んでくれて、僕とは違う観点でピュシスを追い求める意味を考えた人がいれば教えて欲しい。 ここまで書きだして、また新たな考えが生まれてしまった。この考えの検証は後の自分にまかせる。 悩んだときこそ、普段自分が切り捨ててるノイズを観察しようとする事が大事ではないか。
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もう、面白くて面白くて。 ピュシス(自然)からノイズを排除し、ロゴス(言語)化することで定理を見つけ、人間は発展してきた だけど自然をあるがままで受け入れようという視点。ロゴスを究めた2人だから見える景色 そして話は「死について」に至る…
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メモ→ https://twitter.com/nobushiromasaki/status/1647164654014324736?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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