さまざまな国家(2) の商品レビュー
本巻では、西洋を中心に、17世紀以前の国家が論じられる。近代国民国家成立以前には、様々な形態の国家があった。 代表的な国家としてまず古代ギリシアの都市国家と、世界帝国アケメネス朝ペルシアが取り上げられ、次いでアレクサンドロスの大帝国の成立とヘレニズム国家の分立と続くが、特殊な...
本巻では、西洋を中心に、17世紀以前の国家が論じられる。近代国民国家成立以前には、様々な形態の国家があった。 代表的な国家としてまず古代ギリシアの都市国家と、世界帝国アケメネス朝ペルシアが取り上げられ、次いでアレクサンドロスの大帝国の成立とヘレニズム国家の分立と続くが、特殊な国家形態としてギリシアに現れた都市同盟、連邦国家が紹介される。BC3世紀半ばからBC2世紀初めにかけて発展したが、最後はローマにより解体されてしまう。その基礎を築いたアラトス、「最後のギリシア人」と呼ばれたフィロポイメン、人物まで含めてこの辺りのことは初耳だった。 第2章では、都市国家から世界帝国へと変貌したローマの歴史が論じられる。「ローマ人の物語」で史実は結構知っているが、グラックス兄弟の改革の歴史的意義やマリウスの軍制改革がその後にどのような影響を与えたか、またローマのユダヤ支配の具体例などのポイントが要領よくまとめられていて、とても勉強になった。 第3章では、神聖ローマ帝国の実態、またカペー朝フランスとイングランドとの関係が百年戦争を経て新たな関係を作り出したことなどが紹介される。 国家には様々な在り様があることを歴史に照らして良く理解させてもらえたが、この時代は、やはり戦争、軍事力が大きく影響していることを改めて実感した。
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