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終盤戦79歳の日記 の商品レビュー

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2023/07/25

メイ・サートンの日記は好きだが、だんだんと歳が重なってきて、歳とは関係ないのだけれど、やはり能動的な人は、しっかりしているなという感じ。 それもやはり、遠くからでも友人が来てくれるからだろう。

Posted byブクログ

2023/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後のエッセイになった「82歳の日記」の2つ前?の日記が邦訳されて出たとのことで購入した。 やはりもう体調が悪すぎて一人では日常生活も苦しい時期に入っていて、今まで楽しんでいた庭の花々の世話どころか摘んでくるのも難儀するようになってしまう。日記も筆記が厳しくなり、テープレコーダーを使っての口述に移行する。 しかし、医者に「あなたはもう良くならないんですよ、わかりますよね」と最終宣告を受けた時の、「けたたましい沈黙が続いた。シンバルがジャーンと鳴ったあとのような」という一言などはやっぱり詩人である。けたたましい沈黙!まさに、という感じ。サートン自身は、自分がもう自分ではなくなった、と繰り返し書いていて、確かに昔のあの深い内省的な記述はもう影をひそめてしまったけれど、ファンレターをカンフル剤に(昔は返事を書くのが追い付かないとあんなに愚痴を書いていたのに!)エネルギーを振り絞って日記を書き続ける姿はすごい。 サートンの癇癪に嫌気をさしてお手伝いさんがやめてしまったり、毎日のように泣いていたりなど、もはや生活だけではなく感情もかなり制御できなくなっている様子はうかがえるのだが、そのサートンを献身的に支え続けるナンシーやスーザンもまたすごいのだ。人生のまさに終盤戦、戦いは激しく、しかし愛は尽きることがない。 そんななかでも読書は続けており、あれが素晴らしい、これはいまいち、と批評するのを読むのは面白かった。私も老いて体が動かなくなっても、読書は続けられるのだろうか?その読書や友達との交流、花の美しさで一瞬感じる幸せを手繰るように日々を送っているサートンに励まされるような気もするし、最後の日記をすでに読んでいるだけにゆっくり看取っているような気もする。もう一冊未邦訳の日記があるとのことなので、そちらもぜひ早めに出版されると嬉しいなあ。

Posted byブクログ