彼女たちの山 の商品レビュー
前半は著名な女性登山家、クライマー5人を取り上げて、あとは山ガールとか山小屋の女主人とかの流行やそれを作り出した人について書かれた本。 山と渓谷社の本で、いわゆる意欲的なテーマなのかなー。 前から気になってた本だけど、 先日の平出さん、中島さんの事故の後の このタイミングだから...
前半は著名な女性登山家、クライマー5人を取り上げて、あとは山ガールとか山小屋の女主人とかの流行やそれを作り出した人について書かれた本。 山と渓谷社の本で、いわゆる意欲的なテーマなのかなー。 前から気になってた本だけど、 先日の平出さん、中島さんの事故の後の このタイミングだから谷口けいさんに関する著述のあるこの本を手に取ったのかも。 谷口さんは、以前平出さんとパートナーを組んで カメット南東壁を初登攀し、ピオレドール賞を受賞した人。 その後、惜しくも北海道で滑落死された事は知っていたけど、人となりを知ることが出来たのは、この本のお蔭かな。
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この本ですが完全にタイトル読み間違えて借りてしまいました。 よく見たら平成の時代って書いてありました(大汗) 平成が平安に見えたんです。 平安時代に女性が山登りしてたのかっあああって! 衝撃的に思えて借りちゃったんですよね。 平安時代後期ぐらいから修験者が開山したってお話はよく...
この本ですが完全にタイトル読み間違えて借りてしまいました。 よく見たら平成の時代って書いてありました(大汗) 平成が平安に見えたんです。 平安時代に女性が山登りしてたのかっあああって! 衝撃的に思えて借りちゃったんですよね。 平安時代後期ぐらいから修験者が開山したってお話はよく伺ってたのですが当時は女人禁制なので平安時代の女性がぁあってとこに震撼したのですが、まっ平成の時代なら別に大騒ぎするほどでもないですね。 (未だに山上ヶ岳とかは女人禁制なんですけど。) それでも、いきなり凍傷で両手の指ほとんど失っても登り続ける超絶クライマーの山野井妙子さんのことが書いてあって異次元すぎて必見でしたw
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平成期の日本人女性の登山について書かれた本で代表的な5人の登山家に山野井妙子さんの名前もあり、彼女のことをもう少し知りたくて読んだけれど、あまり詳しくは語られてなくて少し残念でした。
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山野井妙子さんの凄さを、知ることができた。 山野井泰史さんに関する本を少し読み、奥さんである妙子さんに焦点をあてた本を探していて見つけた。 今まで読んだ本とは視点が違い、面白かった。
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想像と違って、紹介文みたいな感じ。奥深くまで入り込んで究明する感じではなく。 でも読んでいて、沢登りと岩登りの楽しみ、恐怖感と危険を感じ克服したときの気持ちや、直前までの限界を乗り越えた、あの達成感を思い出した。 春になったら、沢登りに向け鍛え直そう。
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自分の体で移動することにおいては、ランニングとも近しい感覚がありますが、天候、体調に合わせた装備の知恵や周囲の安全配慮など、多くの学びが必要に思いました。山といっても、高低差、雪、氷、岩壁、沢があり、目的地とクリアする課題の多様さにおいて各方面にレジェンドがいるなと思いました。
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私が居たのは、大量の遭難者を出した為、山岳部からワンゲルに変貌した部だであった。ここに書かれている内容との相違点は、女子の荷を軽くしていた事。キャンプ地では、テントを建て夕食を作る迄を男子がしていた事。配膳時から女子は、元気を取り戻すという具合だったからだ。体力的には、どうしよう...
私が居たのは、大量の遭難者を出した為、山岳部からワンゲルに変貌した部だであった。ここに書かれている内容との相違点は、女子の荷を軽くしていた事。キャンプ地では、テントを建て夕食を作る迄を男子がしていた事。配膳時から女子は、元気を取り戻すという具合だったからだ。体力的には、どうしようもない。
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この本の著者は、大学山岳部の後輩である。ぼくの時期はほとんど大学山岳部ではなく自分たちで作った山の愛好会だったのだが、山岳部を継ぐ部員の激減による存亡の危機に晒されたため、メンバーの多いぼくらの山の会は山岳部に移籍合流した。著者の柏は、ぼくの卒業次年度に山岳部に純然と入部してき...
この本の著者は、大学山岳部の後輩である。ぼくの時期はほとんど大学山岳部ではなく自分たちで作った山の愛好会だったのだが、山岳部を継ぐ部員の激減による存亡の危機に晒されたため、メンバーの多いぼくらの山の会は山岳部に移籍合流した。著者の柏は、ぼくの卒業次年度に山岳部に純然と入部してきた生粋のクライマーである。 在学時期は重なっていなかったが、山の繋がりは一生である。人生の折々に会ったり話したりの付かず離れずの関係が他のどのメンバーとも続くので死ぬまで終わることはないのだと思う。ぼくが4年前に病気になって死にそうになった(と思わされた)とき、病室(それも無菌室)に柏澄子は、スキーとリュックを抱えて見舞いにやって来てくれた。 一月、毎年のようにクロカンや層雲峡のアイスクライミングを楽しみにやってくる時期ということで、その帰りに柏は時間を作ってくれたのだ。山の血湧き胸躍る冒険のドキュメント『冒険の蟲たち』を土産に持ってきてくれた。ぼくは柏の書いた『山の突然死』を用意しており、サインを乞うたのだが、サイン経験がないという彼女は楷書体で時間をかけて名前を書いてくれた。無理を強いて悪かったかなと苦笑しつつ、心より彼女の誠実がこもった不器用なサインに後でそっと手を合わせたものだ。 その柏澄子が、自分の人生の集大成を思わせる本書、山を恋う心とそれらを手に山へ向かっていった多くの山女たちの生き様への想いを込めて、本書を世に送り出した。有名無名な幾人もの山女たちの人生を各章毎に追いかけた本書は、自分という鏡と合わせて、ぼくらの心に印象的な映像を思い切り投影してくれる少しばかり不穏な本である。 おそらくは著者は、書くことよりも遥かに多くの時間を、実在の女性クライマーたちとの触れ合いの中で費やしてきたことだろう。多くの個性的な山女たちと、自分も同じように山に人生を賭けた女性として、心を通わせ、語り合い、濃密に過ごしたことだろう。本を書く以前からの山での知人として関わってきた女性も多く、彼女らは柏澄子が共に生きた仲間としても、読者の前に今もきらきらと登場する。それらの時間を濃密な文章に込めて、それぞれに個性溢れる女性たちの生を、時には死を、改めて語ることで柏は、自分の山女としての人生を見つめ返したことだろう。そしてこれからも辿るであろういくつもの山への想いを噛み締めているのだろう。 山も、他の多くのスポーツ同様、人生に絡み合う。もしや他のスポーツ以上に、人生を決定してしまう何ものかですらあるかもしれない。本書の秀でているところは、山に関わる者たちの共通項のように見える過剰とも言える強い想念を、より女性らしいリアリズムの光で照らし出したことだろう。女性にしかわからない生理、結婚、出産、あるいは社会的・無意識的な性差別、等々。女性の聴き手と語り手によらなければ引き出し得ない現実を、山と人生という括りの中で言葉として引き出し得たポイントが様々なページの中に顕著に見られるのが本書の秀逸なところである。 まだ片足しか山にかけていないという初心者の方も、クライムに日々人生を傾倒するベテランの方も、追憶の中の山行を時々蘇らせる老年の方も、毎日のように低山をいくつもハントし続ける健康で元気な中高年の方も、特に女性であればなおのこと、本書は楽しく読めることと思う。しかし、男性にとっても気づかされることは少なくない。女性部員の多かった学生時代、今も女性の多い地元の山岳会等々、思い当たることの多くが、この本の中でぼく自身の現在を刺激してくる。 山に登る人はもちろん、これから山を始めるきっかけにしようとする人、昔は山に良く登っていたけれども今はあまり登らないという人、少しでも山への想いがこころの片隅にある方であればどなたにもオススメの、山と人生の休憩地で手に掬った湧き水の如く心身に沁みわたる一冊である。
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