Nの廻廊 の商品レビュー
なぜ「N」と名前を隠すのか解せなかったのだけれど、ぼくなりの解釈を語るならどうしたって実名を明かすと(まさに本書に登場するさまざまな乱暴な読者のように)彼の最期や彼の『朝生』でのパフォーマンスに目が行った「大文字の」ノンフィクションとして読まれかねないからではないだろうかと思った...
なぜ「N」と名前を隠すのか解せなかったのだけれど、ぼくなりの解釈を語るならどうしたって実名を明かすと(まさに本書に登場するさまざまな乱暴な読者のように)彼の最期や彼の『朝生』でのパフォーマンスに目が行った「大文字の」ノンフィクションとして読まれかねないからではないだろうかと思った。そうした読みを拒む、もっと「小文字の」友情の形を記した交遊録としてささやかに読まれたいというスタンスをぼくは感じる(それでいて、彼に対する畏敬の念を忘れない「背筋が伸びる」1冊とも思った)。そのスタンスにこそぼくは畏敬の念を抱く
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札幌市内への越境通学。1つ違いの中学生二人はやがて現代史研究家と保守的思想家となる。 30年時を経て分断されるまでの2人の関係を回想する私小説的な作品。
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- ネタバレ
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もはや東大を西部さんが辞めたことや、右翼的な言論家として活動していたことすら、既に忘れ去られている気がする。そのような活動に関する記述には、それほど。 それよりも、保阪さんとの係わりが読ませる。 評伝ではないまので、西部さんの生涯についてはよく分からないのだけれど、人間性については伝わるところが大きい。
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