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80億人の「侘び寂び」教養講座 の商品レビュー

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2024/09/16

以下抜粋~ ・豊臣秀吉は、全国統一を果たしつつあった時期から、戦勲褒章の原資不足という問題を抱え始めました。褒章として与える領地が不足し、家来への不満恵の対応に苦慮したのです。そこで編み出されたひとつの褒章の原資が、茶道具、なかんずく、茶入れでした。 ・ここでひとつの着目点は、...

以下抜粋~ ・豊臣秀吉は、全国統一を果たしつつあった時期から、戦勲褒章の原資不足という問題を抱え始めました。褒章として与える領地が不足し、家来への不満恵の対応に苦慮したのです。そこで編み出されたひとつの褒章の原資が、茶道具、なかんずく、茶入れでした。 ・ここでひとつの着目点は、「寂び」が「澄んだ心、清澄さ」と説明されていることだと考えます。清澄な心ばえを「寂び」と言い、不自由なものともせぬ様子が「侘び」とされているわけです。 ・「寂び」(内潜)人格概念。出世などの現世的価値を求めない遁世的価値観。 ・「侘び」(外顕)「寂び」をうかがわせる表情、所作、物腰、趣味、持ち物の傾向。 ・日本の上層階級の価値観や社会観には、古くから、「隠遁の称揚」という思いがわりあい強く見られます。栄進・栄達などの世俗的な価値観を脱して、「隠遁したい」「隠棲したい」という感覚です。その感覚は、「万葉集」以来の「寂び」の価値観がひとつの具体的な形を持ったもののように思われます。

Posted byブクログ

2023/10/08

最初のクイズはあくまで侘びとされているものといった定義じゃないとちょっと違う気がする。それと筒井筒の逸話が細川藤孝と忠興でミスってるのも細かい話ながら残念。 ただ心理学者の立場から侘び寂びという概念を整理してくれたのはありがたい。それに茶道史の研究が進み、著者の記述が伝承によるも...

最初のクイズはあくまで侘びとされているものといった定義じゃないとちょっと違う気がする。それと筒井筒の逸話が細川藤孝と忠興でミスってるのも細かい話ながら残念。 ただ心理学者の立場から侘び寂びという概念を整理してくれたのはありがたい。それに茶道史の研究が進み、著者の記述が伝承によるものと正しく断っているのも学者らしい。侘び寂びは茶道から始まったのではなく万葉集で既に歌われている日本において長い歴史を持つ概念であること、著者の心理学的な仮説として寂び:人格概念。出世などの現世的価値を求めない遁世的価値観。侘び:寂びをうかがわせる表情、物腰、趣味、持ち物の傾向。といったことを紹介。 世界で注目してされる侘び寂びが大乗化の過程で誤って広がらなければいいが、そのためにはまず自身が侘び寂びを知らねばなと思う。

Posted byブクログ