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人獣細工 の商品レビュー

3.6

27件のお客様レビュー

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2023/08/26

『玩具修理者』が非常に良かったので、続いて新装版が刊行された本書も手に取ってみた。表題作の『人獣細工』と、『吸血狩り』、『本』の3編が収録されている。 『人獣細工』 先天性の病気でほとんどの臓器に欠陥があったことにより、医師である父親によって、遺伝子操作されたブタの臓器を身体の...

『玩具修理者』が非常に良かったので、続いて新装版が刊行された本書も手に取ってみた。表題作の『人獣細工』と、『吸血狩り』、『本』の3編が収録されている。 『人獣細工』 先天性の病気でほとんどの臓器に欠陥があったことにより、医師である父親によって、遺伝子操作されたブタの臓器を身体の隅々まで移植された一人の少女。亡くなった父親が遺した"記録"に記されていたおぞましい真相とは―――。 真相自体は容易に予想出来るもので意外性はなかったが、テキストから滲み出てくるエグさは流石の・・・と言いたいところだが、こちらもぼちぼち。物語の完成度としては綺麗にまとまっていて良いが、衝撃度はイマイチだったか。 『吸血狩り』 毎年、夏休みの間、田舎の祖父母の家で過ごしていた"僕"。8歳の夏休み、今年も祖父母の住む田舎で過ごしていた"僕"は、従姉と従弟の3人で毎日野山を駆けて遊んでいた。しかし、ある日を境に、従姉の優ちゃんが2人とは別行動を取るようになる。その陰には、全身真っ黒は服を着込んだ、身長が2m近くもある"男"の存在があった―――。 個人的に、収録3編の中でNo.1。ラストの展開が全く予想出来ず、気になって気になって一気に読み進めてしまった。そして辿り着く、おぞましき驚愕の真相。心地の良い「ぞくり」、頂きました。なかなかに秀逸なホラー・ミステリー。 『本』 小学校の元同級生から突然届いた、奇妙奇天烈な内容が書かれた汚れ古びた一冊の本。小学校からの友人である未香に連絡すると、彼女の元にも同じ本が届いていた。他の元同級生にも届いているか確認するため、もう一人の友人で、未香の恋人の妹である密見子を訪ねるが―――。 コズミックホラーを彷彿とさせる不可思議な物語。この作品については、<人差し指があった部分にコンパスぶっ刺し→「指やー!今日から、これがわたしの指やー!」→血塗れピアノ演奏→紙面を埋め尽くす意味不明な文字の羅列>、これが鮮烈過ぎて、他が全部霞んでしまった感。ありがとう、密見子! さすがに『玩具修理者』(と、『酔歩する男』)には及ばなかったが、それぞれに異なった"おぞましさ"を孕んだ良い中短篇集だった。角川ホラー文庫から引き続き著者の作品の新装版が出るようなので、当たっていきたいところ。次は『AΩ 超空想科学怪奇譚』かな。

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2023/07/29

短編小説が3話入っている 人獣細工しか読んでないけど 今の技術だと実際に有り得ない話でも無い所が 妙に現実味があって ゾクッとした。 豚の身体で人間の脳なら 人間の身体で豚の脳なら その物体は豚なのか人間なのか答えは様々別れそう 少し言葉が難しくて調べながらだったけど 新しい言葉...

短編小説が3話入っている 人獣細工しか読んでないけど 今の技術だと実際に有り得ない話でも無い所が 妙に現実味があって ゾクッとした。 豚の身体で人間の脳なら 人間の身体で豚の脳なら その物体は豚なのか人間なのか答えは様々別れそう 少し言葉が難しくて調べながらだったけど 新しい言葉を覚えられて良かった

Posted byブクログ

2023/07/28

大丈夫かな、この作者の頭の中…と思わせるところが好き。 タイトルになっている作品は、残酷だよね。下手なグロ系よりも残酷。

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2023/06/08

・気味が悪くゾッとする雰囲気だが、ただ読者を怖がらせるのではなく、どこか"教訓"めいたものを訴えるような内容だった。 ・どの話も分かりやすい結末はなく、匂わせて終わるところが、読者の想像力を掻き立てる。 ・「吸血狩り」が個人的に一番のお気に入りだった。 ・最後...

・気味が悪くゾッとする雰囲気だが、ただ読者を怖がらせるのではなく、どこか"教訓"めいたものを訴えるような内容だった。 ・どの話も分かりやすい結末はなく、匂わせて終わるところが、読者の想像力を掻き立てる。 ・「吸血狩り」が個人的に一番のお気に入りだった。 ・最後の解説も含めて良い本だったと思う。

Posted byブクログ

2023/05/30

3話収録の短編集。どれも面白かったが、グロい、エグいと聞いて覚悟しすぎていたのか、どれも思っていたほどのグロさではなかった。 話としては「本」が面白かった。

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2023/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編が3作品収録されている。 表題の人獣細工が一番好みだった。 史記の人彘(ひとぶた)とは違う人彘。 しかし、人の手によって細工されて歪な存在にされてしまった事は同じ。つくり手はそれに愉しみを感じていた事も。 この冒涜的で気味の悪い雰囲気が、ゾクッとして良い。 自分の愉しみの為に、他人の尊厳を踏み潰す事を厭わない、否むしろそれさえも歓びなのかもしれない。 汚いもの、悪いもの、残酷なものに何故か惹かれる人は読んでみるのも良いかもしれない。

Posted byブクログ

2023/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どの作品も凄いなぁ! 個人的には吸血狩りが好きですね。あえて答えを出していないところが素敵♪ 本もすごいし、どうして、こうした作家がどうして早逝されてしまうんだろうなぁ。

Posted byブクログ