ひげよ、さらば(上) の商品レビュー
まだまだ猫紹介。 後半でちょっと動き出した。 猫たちがたくさん出てきて、イメージがつかなかったんだけど読み終わってから表紙絵を見たらハッキリした。
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図書館本。昔と違って3冊になったのに長かった。時間がかかった。何で、ヨゴロウザの名前は「~~ザ」って侍みたいなんだろう?。
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町田尚子さんの絵が好きなので装丁に惹かれて読んだ。3巻まとめて一枚の絵になるので何度も並べて眺めた。 読みながら登場してくる猫をこれがヨゴロウザだな、これは歌い猫?と確かめながら眺めた。 中央の茶色の猫は初め黄金猫かと思ったけど、さがし猫が正解なのでしょうね
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こどものころ教育テレビで人形劇をやってたのをときどきみていたから、筋はほとんど覚えていないのだけど、名作のほまれ高い長編叙事詩「ひげよ、さらば」。その原作が町田尚子の絵で新装版になったので、思い切って買ってしまった。3冊並べると一枚の絵になるインパクトの強いカバー装画(3冊セット...
こどものころ教育テレビで人形劇をやってたのをときどきみていたから、筋はほとんど覚えていないのだけど、名作のほまれ高い長編叙事詩「ひげよ、さらば」。その原作が町田尚子の絵で新装版になったので、思い切って買ってしまった。3冊並べると一枚の絵になるインパクトの強いカバー装画(3冊セットで買ったら、その一枚絵の絵葉書がついてきてうれしい)、買わずにはいられなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
再読。 下巻まで読了。 上野瞭の描いた児童文学の傑作に、町田尚子の美麗な絵が加わった新装版。 生き生きとした描写が続くのに物語全体には無常観が漂う。主役である猫たちの世界には、闘いもあれば、友情も、色恋沙汰もあるけれど、それらはどこか寂しい。ときに劇的な盛り上がりを見せる場面はあっても、たとえば結末は滑稽であったり、あっけなかったり、尻切れトンボであったりする。 また、様々なキャラクターやエピソードを描きつつ、同時に老いの悲しみというものが執拗に示される。うらない猫のじいさん、オンビキヤドリのひき蛙のじいさま、フタツハチブセのじいさま犬、ふくろうのオオダンナといった人物らがそれを象徴するが、彼らの言動は滑稽で面白く、そして悲しい。 彼らや、またエピローグでの老いた主人公・ヨゴロウザが、逃れられない老いを表現するなら、その対極に、ヨゴロウザの相棒・片目がいる。夢が破れたまま生きることを拒んだ片目の生き様は、傲慢ながら華々しく、美しい。しかしその姿は、やはり同じように悲しく、滑稽に見える。 エピローグで描かれている、老ヨゴロウザと彼に反目していた歌い猫の友情、おそらくは互いに歳を重ねたことによる円熟や諦め、無数の忘却によって成されたであろう友情だけが、さり気ないながら、無常観の漂う物語に微風のような爽やかさを与えている。 苦く、虚しいけれど強かで、猫たちの息や、飛び散らう毛を間近に感じられるような読後感だった。
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