日本語の勝利/アイデンティティーズ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
透明な印象を受ける。クセがないと言うべきか。言い換えれば本書に収められたエッセイの数々はリービがこれまで読者であり1人の外国人として日本文学・日本語を学び、その過程で新宿で暮らし中上健次を筆頭として数々の優れた文学者と交流を重ねてきたその体験を血や肉として(つまり理屈以前に「肉体的」「生理的」に)鍛えてきた感受性にたしかに裏打ちされたものと映った。だからこそここにはいかなる意味における「はったり」「きれいごと」もなく、いまなおこちらに訴えかける鮮烈さを備えている。イノセントでありつつもトゲを秘めた集大成だ
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