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2050年のメディア の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2024/01/27

日本のメディア、主に読売、日経、ヤフーが、インターネットの興隆に向き合い、時に抵抗し、時に波に乗ってきたかを描いたノンフィクション。とてもおもしろく読めた。 2019年の単行本から4年後に出た文庫版の新章が追加されているが、その間でも紙の新聞発行部数の衰退は止まらず、かつ伝統的...

日本のメディア、主に読売、日経、ヤフーが、インターネットの興隆に向き合い、時に抵抗し、時に波に乗ってきたかを描いたノンフィクション。とてもおもしろく読めた。 2019年の単行本から4年後に出た文庫版の新章が追加されているが、その間でも紙の新聞発行部数の衰退は止まらず、かつ伝統的メディアのデジタル分野の決定打は見えていない。これは著者も最後に書いている、新聞社は上場していない、かつオーナー支配の会社が多いことも影響しているという点には同意する。経営者にスピード感がないのだ。 ただ、アメリカのようにデジタル化の波で地方紙がバタバタ潰れてしまえばよいとは思わない。トランプが顕在化させた分断、民主主義の危機の主因のひとつは多様な言論が失われ、ソーシャルメディアを通じたエコーチェンバーに閉じこもったからだ、という意見には賛同する。日本のメディアはどこまで踏みとどまれるのだろうか。 この本の柱となる人物は読売新聞グループ本社の山口寿一氏なのだろう。著者の下山進氏のインタビューに真摯に答え露出が多く声が伝わるのもそうだが、東京ドームでの反社会勢力排除などのエピソードがあるように肝が座った、かつ徹底して理詰めで攻めてくるリアリストという印章。総帥・渡邉恒雄氏のデジタル嫌いは有名だな、本格的な山口時代が来た時には業界に一波乱ありそう。 新章で出てくる「オリジネーター・プロファイル(OP)技術研究組合」(理事長=村井純・慶応大学教授)がどう動くのか。これも注目したいが、内輪のお墨付きってどうなのだろう?と冷めて見てしまう面もある。あとはタイミング。10年とは言わないが5年早く動いていたらよかったと感じた。

Posted byブクログ

2023/12/25

2019年の単行本を文庫版で再読。4年経って紙の新聞の衰退はさらに進んでいます。新聞協会のHPでは新聞発行部数は2019年の37,811,248から2022年の30,846,631へ、700万部の減少です。日本の人口減少が2019年から2022年で160万人なので人の減り方では語...

2019年の単行本を文庫版で再読。4年経って紙の新聞の衰退はさらに進んでいます。新聞協会のHPでは新聞発行部数は2019年の37,811,248から2022年の30,846,631へ、700万部の減少です。日本の人口減少が2019年から2022年で160万人なので人の減り方では語れない新聞の衰退が見て取れます。今回、再び読んだのは文庫のために付け加えられた新章「新聞vsプラットフォーマー」を読むため。現在進行形の「オリジネーター・プロファイル」について取材しているからです。信頼できるコンテンツを認証する、というプログラム、やっと動いたか、という期待もありますが作者は少々懐疑的な視線を投げかけます。それは本書でのメインストリー、「あらたにす」の挫折があるからでしょう。成長の時代に激しく販売競争してきた新聞社の呉越同舟がいかに難しいかを描いてきた著者ならではの感覚です。ただ文庫版の締め切り直前まで交わした著者と読売新聞社山口社長との生々しいやりとりはそれだけでも必読です。単行本の時には2050年まであと31年でしたが文庫の今年はあと27年…リアル「2050年のメディア」はどうなっているのでしょうか?

Posted byブクログ

2023/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新聞からインターネットへ。メディアの動きを読売新聞とヤフーを軸に紹介。 一つ一つのトピックスは、通常知り得ないような内容ばかりで興味深いものだが、それぞれの章の関連性が今一つ掴めず、全体としての主張が分からない。

Posted byブクログ

2023/06/06

よく知っている業界のことで、まったく他人事ではないので、面白くて、怖くて、読むのを止められなかった。

Posted byブクログ

2023/05/08

新聞やヤフーの流れがわかる。 取材に協力してくれた人をもちあげる表現はいらないと思った。おおっとなるエピソードがあればそれで十分。いろいろ忖度してるなって思うのは玉に瑕でした。 内容は新しいメディアのあり方というよりかは、紙の没落がメインとなっている。

Posted byブクログ

2023/04/22

子供の頃、夢中で小学生新聞を読んでいた私が30歳を超えて新聞を取っていない。(一時期取っていたが価値を感じられない&古新聞が溜まるのが鬱陶しくてやめた。) それだけでも紙の新聞の苦境は不思議なものでも何でもないと感じる。 本書は読売新聞、日経新聞、Yahoo!の3者を軸に...

子供の頃、夢中で小学生新聞を読んでいた私が30歳を超えて新聞を取っていない。(一時期取っていたが価値を感じられない&古新聞が溜まるのが鬱陶しくてやめた。) それだけでも紙の新聞の苦境は不思議なものでも何でもないと感じる。 本書は読売新聞、日経新聞、Yahoo!の3者を軸に新聞社とプラットフォーマーとの戦いをスリリングに描いたノンフィクション。文庫で500ページ超の大作だが、読み始めたら止まらず一気に読んでしまった。 アテンションエコノミーに振り回されずより良質な情報を得るか、情報消費者である私たちの振る舞いを考えさせられる一冊だった。

Posted byブクログ

2023/04/21

2023/4 文庫化で再購入 追加章  p506 ダニエル・カーネマン 人間は即座に反応する機能と、熟慮して判断する機能をもっている。前者をシステム1,後者をシステム2 現在のウェブ社会はシステム1を刺激して、注意をひこうとするアテンション・エコノミーになっている p524 ...

2023/4 文庫化で再購入 追加章  p506 ダニエル・カーネマン 人間は即座に反応する機能と、熟慮して判断する機能をもっている。前者をシステム1,後者をシステム2 現在のウェブ社会はシステム1を刺激して、注意をひこうとするアテンション・エコノミーになっている p524 英エコノミスト 契約者数を伸ばしている 同誌がニュースを報道する雑誌ではなく、世の中で起こっている事柄を分析し、その意味を解釈し、そして将来を予測する雑誌だからだ p531 ヤフーに記事を出し続ける限り、アテンション・エコノミーから逃れられず、記者や編集者は短期的なPVを稼ぐ記事に引っ張られて、長期的な価値を失う そうした中で、いくつかの新聞は、自分たちにしかできない長期的な価値をもつコンテンツを提供することでプラットフォーマ頼みをやめて、成功する企業もでてくるだろう p537 変化に善し悪しはない p543 ヤフージャパン 売上は、読売朝日日経の合算を上回る巨大企業へと成長している アテンション・エコノミーから離れて、真の価値をもとに持続的な経営をするためには、一度プラットフォームの外に出なくてはならない。 p18 生徒が10人いたら新聞をとっている家庭は3人くらいです。だから新聞に切り抜きはもうできません p180 長田公平は産業部で、電機や自動車を担当した経験から、メーカーは流通を握らないとだめだということが骨身にしみてわかっていた。家電メーカーは、かつて全国のパパママ家電ストアを系列化して、価格をある程度コントロールし流通を握っていた。それが量販店にとってかわられるようになると、メーカーと小売の立場が逆転して日本の白物家電は崩壊した。自動車メーカはあくまでも小売の系列化を崩さずに国内の市場を維持したのとは対照的だ p221 WSJ クロビッツ 紙の部数は有料デジタル版を始めようが、始めなかろうが、減っていく。このことだけは動かせない事実だ。とするならば、他社のデジタル版に食われるよりも、自社のデジタル版に食われる方がいいのではないか。未来に紙はない。デジタルは今後もっと利益を生むようになる p346 イノベーションのジレンマを破るといういみで両腕の経営という 既存の市場のなかである程度の売上を維持しながら、新しい分野を探索し、深めシフトしていく

Posted byブクログ

2023/03/06

【読売、日経、ヤフー、波乱の三国志】生き残りをかけて戦うメディアの内幕を徹底取材、話題を攫った一冊。文庫書き下ろし新章「新聞VS.プラットフォーマー」大幅加筆!

Posted byブクログ