桶狭間で死ぬ義元 の商品レビュー
今川義元の一生を描いた本。 三男のため寺へ出され、権力争いとは無縁・興味なしの義元。 しかし、兄2人の不幸な(不思議な)死をきっかけに突如として当主となる。 そして、小さな頃から寺で育ててくれ、義元の才能を当初から見抜いていた雪斎。 戦国時代の中、今川家の体質を建て直し、駿河...
今川義元の一生を描いた本。 三男のため寺へ出され、権力争いとは無縁・興味なしの義元。 しかし、兄2人の不幸な(不思議な)死をきっかけに突如として当主となる。 そして、小さな頃から寺で育ててくれ、義元の才能を当初から見抜いていた雪斎。 戦国時代の中、今川家の体質を建て直し、駿河国・遠江国とを治めていく。 いつもの白蔵さんとはちょっと違うで、マジメ???(笑)な感じ。 まぁ、面白いことには変わりはありません^ ^
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師弟であり、君臣の間柄の今川義元と太原雪斎2人の物語。今川家の五男であり、僧となる道を歩んでいた義元が、雪斎とともに、北条ベッタリな母寿桂尼から主権を取り、武田信虎と組んだり、関東管領上杉と組んで北条を蹴散らしたり、武田晴信、北条氏康と三国同盟を結んだり、雪斎の偉大さがわかったり...
師弟であり、君臣の間柄の今川義元と太原雪斎2人の物語。今川家の五男であり、僧となる道を歩んでいた義元が、雪斎とともに、北条ベッタリな母寿桂尼から主権を取り、武田信虎と組んだり、関東管領上杉と組んで北条を蹴散らしたり、武田晴信、北条氏康と三国同盟を結んだり、雪斎の偉大さがわかったりする物語。信長や秀吉、家康などの時代は小説やドラマでよくやりますが、その少し前の時代、特に今川義元のことは、たいして知らなかったので勉強になりました。また、三國志にでてくる曹植の七歩の詩は久々に読んで感動しました。
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今年の大河ドラマで、野村萬斎さん演じる義元が魅力的であったのでよりよく知りたいと本作を購入。 自分の中では信長をよく盛り上げるための、噛ませ犬的な存在なイメージが強かったけど、本作ではヒロイックに描かれ頼もしい武将であったと上書きされた。 しかし、題名の通り歴史は変わらずやはり最...
今年の大河ドラマで、野村萬斎さん演じる義元が魅力的であったのでよりよく知りたいと本作を購入。 自分の中では信長をよく盛り上げるための、噛ませ犬的な存在なイメージが強かったけど、本作ではヒロイックに描かれ頼もしい武将であったと上書きされた。 しかし、題名の通り歴史は変わらずやはり最後は討ち取られてしまう。感情移入してきた分あっさり終わってしまう結末に残念に思うのと、もしも雪斎が生き残っていたらとifルートを想像せざるを得ません。 義元像の新たな面を見られたのは良かったのですが、分かっているとはいえ、なんとも絶望的なラストは救いがないですね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初見の作家さんで、本作や作者の他作品のタイトルなどから読む前はラノベっぽいのかな?と思っていたけど、冒頭から本格歴史小説だった。でも読みやすく、あっという間に読了。登場人物の台詞が今風な(というか口調が軽い)のと今川義元の各年齢のエピソードごとにまとまっている章構成が読みやすさの理由かな? もう一つ読む前に誤解していたことがあって、桶狭間(とそこに至るミクロな過程)で何が起こって義元が討たれたか?という話と思っていたけれども、この作品は今川義元の生涯を描いた伝記物語という面が強く、桶狭間に関する記述が占める割合は少ない。(読了後に改めてタイトル見ると、だからそう書いてるだろ……とも言える。ぎゃふん)織田信長など終盤突如現れる異物のようなもので、存在自体はするが本人が一切登場しない(逆にそれが却って得体の知れない新時代のバケモノ感があってよい)。 メインで描かれるのは今川家と武田、北条の三つ巴の政争。なので、キャラ造形は武田信虎、晴信(信玄)親子、北条氏綱、氏康親子に費やされそれぞれ独創的なキャラクターに仕上がっていて義元との絡みも面白かった。 そして、特筆すべきは「海道一の弓取り」と称された今川義元本人(と今川家)の描写。非常にキレもので全パラ有能な領主でありながら、常識の枠から外れることのできない義元ワンマン(太原雪斎もいるが、これはもうニコイチなので)でなんとか戦国を生き抜く今川家。(岡部や朝比奈など後世に名の知れた今川家の武将は本作ではほぼ登場しないが、作品自体が外交メインなので出てきたところで……という感じ。そういう意味で太原雪斎の作中での重要性はめちゃくちゃ高い。) 若き義元が戦の最中にぼやく「今川は弱いなあ……」には笑ったのだけれども、そこからドラスティックに強くなる過程というか手法が理屈はわかるがやや強引すぎるのがこの作品唯一の気になる点かも。短期間でほぼ別の国みたいになるからなあ……(本人の戦闘力についてはまあ「やればできるけどやってなかっただけだあ!!」という事で) さて、やはり気になる(ほぼ紙面を割かれなかった)桶狭間ですが、これに関しては定説通りで特に突拍子もない仕掛けはなく、ただ非常に納得がいく一文が添えられています。それは、義元が2万5000もの大軍を運用するのは初めての体験という点。なるほどなあ…… 寄騎に近い松平家以外の今川の勇将を描いてこなかったことや孫子・六韜の机上論をベースにした戦う前に勝敗を決する義元の考え方、そして情報源である雪斎が亡くなった事(ここも雪斎亡き後の今川の諜報力が無能すぎていささか強引さは残るけど……)が桶狭間で一つの結末に繋がってくるのは見事。 ただ、突然いつもと違う事※をしてこける義元には、なんでこうなった的なまさに作者の言う後味の悪さが…… 【教訓】大事なとこでやりなれんことやったらあかんねん ※: 俗説では輿に乗って戦場に出たとも言われてますが、本作ではそうではなく……
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今川義元といえば、海道一の弓取り・名門今川家当主というキラキラしいイメージがあったが良い意味で覆された。 義元が五男で元僧なのには驚いた。 信長が天に愛された将なのに対し義元は天運を当てにせず自力で国を盛り立てた将だと対比的に描かれていたのは良かった。
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若い時から当主になった義元、臆病でビクビクしながら戦場に行った義元の戦での行動力すごいな。 その後の成長にも素晴らしかった。 桶狭間では絶望を見て、人生突然何があってもおかしくないんだな。と思った。 桶狭間や義元のことを知らなくても楽しめる1冊です。
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