旅するモヤモヤ相談室 の商品レビュー
一番心に残っているのは、ブータンのお医者様坂本龍太先生のお話。 患者さんに「酒を飲みたいから金をくれ」といわれ、びっくりして断った。その方の家は、ものすごく高い山の上にあって電気もテレビもない質素な生活で生きている人が時々街に降りてきている。断ったら、ニコって微笑んで帰って行った...
一番心に残っているのは、ブータンのお医者様坂本龍太先生のお話。 患者さんに「酒を飲みたいから金をくれ」といわれ、びっくりして断った。その方の家は、ものすごく高い山の上にあって電気もテレビもない質素な生活で生きている人が時々街に降りてきている。断ったら、ニコって微笑んで帰って行った。。 その笑顔を見たときに「もうこっちの理解を超えている。本当に達人だ」と思って、それで追いかけて行って「これでお酒飲んで!」とお金を渡して友達になったそう。 欲深い云々とかの範疇じゃなく、なんだか日本人の暮らしからしたら聖者の暮らしのような。 要求が医者にすることじゃないだろうと思うけど、それもあるいみこちらの常識だし(笑)断られても微笑む達観力というか広いおだやかさというか。 キャリアがなくても、経済的に貧しくても、大切な人と毎日笑って過ごせれば、濃厚な人生になる。自分の心の声を聞いて、本当にやりたいことや過ごしたい時間の優先順位を考える。 「外付けハードディスク」的仲間に頼る生き方 被災地支援やボランティアと言うのは、意外と価値観の押し付けも含まれているような側面があるなと、読んでいて思った。支援する側や国自治体側が思う方向を時に一方的に押し付けて恩を売る形で時に満足してしまって、被災地側の要望と大きな差があるとは、実際震災の時によく聞く話だった。 先生たちの経験する地域は様々だが、憑依だの、呪術、など見えない世界が話に出ることが多いんだなと思った。文化人類学にはこのような分野と切っても切り離せないのやもしれない。 もしくは自然とより近く生活していると感覚が研ぎ澄まされて、実体験するようになるのかもしれない。 読んでみたいと思った本 『自然と山と』 『遊覧日記』『カタコトのうわごと』『オリエンタリズム『あいたくてききたくて旅に出る』』『オセアニアで学ぶ人類学』 『ブルシット・ジョブ』『京大はんと甘いもん』
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人に話を聞きに行くことの意義を感じさせる本。編者は京大の医学生。彼女自身が、世界を股にかけて活躍する12名の研究者のもとを訪ね、インタビューした記録だ。それが、現代日本人の心に効く「処方箋」としてまとめられている。 私としては、学生相手に真摯に受け答えする研究者たちの文化に好感が...
人に話を聞きに行くことの意義を感じさせる本。編者は京大の医学生。彼女自身が、世界を股にかけて活躍する12名の研究者のもとを訪ね、インタビューした記録だ。それが、現代日本人の心に効く「処方箋」としてまとめられている。 私としては、学生相手に真摯に受け答えする研究者たちの文化に好感が持てた。また、これだけ著名な方々が、どんな背景をもち、今何を見据えているのかを、編者が示してくれた分かりやすい尺度で知ることができたことも、よかった。
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様々な分野の学者さんたちがフィールドワークを通じて日本人にプラスになりそうなことをインタビュー形式で紹介する本。色んな価値観や感性があるから世界は成り立っていると思う。考え方が合わずモヤモヤしている人や、進路を考えている人に
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タイトルに惹かれて読んでみたところ一気に読み終わってしまった。 日々の暮らしで感じてしまうもやっとした悩み、暮らしの中の困った問題、世界や地球規模の様々な問いに各研究者の方々の豊かな経験を通して心が軽くなったり、ちょっとしたヒントが得られるような本でした。 世界各地でフィールドワ...
タイトルに惹かれて読んでみたところ一気に読み終わってしまった。 日々の暮らしで感じてしまうもやっとした悩み、暮らしの中の困った問題、世界や地球規模の様々な問いに各研究者の方々の豊かな経験を通して心が軽くなったり、ちょっとしたヒントが得られるような本でした。 世界各地でフィールドワークを行っておられる先生方の体験談を読んでいると、小さなことで悩んでいるのはあほらしいとまで思えます。文化人類学ってメンタルに効果的であるのは驚きの体験でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【他の世界を知ること】 人に話を聞くことが好きと気付いた京大の医学生が、移動や交流が制限されるコロナ期間の機会に、世界各地でフィールドワークを実施してきた15人の教授にインタビューをし、まとめたもの。 ここ、以外の世界を知っていること、具体的に、そしてそのぶっとび度、は強いな、とあらためて思った。 各先生からのおすすめの文献も掲載されていたので、いろんな世界観を深める旅が続きそう。
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医学生の著者が日本人の抱える日々のモヤモヤは海外の馴染みのない文化の中にこそ解決のヒントがあるのではないかと考え、日本各地にいる文化人類学者に人生のヒントを聞きに行く話。 文化人類学者は生業が現地人と同じように生活し、その文化にどっぷりつかるフィールドワークが主であるために、一...
医学生の著者が日本人の抱える日々のモヤモヤは海外の馴染みのない文化の中にこそ解決のヒントがあるのではないかと考え、日本各地にいる文化人類学者に人生のヒントを聞きに行く話。 文化人類学者は生業が現地人と同じように生活し、その文化にどっぷりつかるフィールドワークが主であるために、一般人が短期旅行で経験するのとは全く異なる経験をしている。 その中で得る気付きや発見は、「先進国」であり「資本主義経済」で生きる日本の常識からは思いつかない有益な物であったりする。 確かに日本は経済的には豊かな国に分類されるが、果たしてそれだけが追い求める姿であるのか?はこういう本を読んで自問してみるテーマだと思う。 海外の場所は タンザニア、ブータン、インド、ガーナ、エジプト、キリバス、スリランカ、ドイツ、イタリア、そして日本 特に記憶に残ったのはタンザニアにおけるお互いが扶養し合う考え方。日本には中々見られない寛容な考え方である。またキリバスの極限地帯での生活も心に残った。 正直期待以上に面白く気づきの多い良い本でした。
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京大医学部の筆者が、京大を中心とした世界各地を調査する研究者に直接会って、現代日本の処方箋を聞くというコンセプトで作られた本。 一年くらいかけて、1人ずつゆっくりと読んだ。(というか、放置してたまに読んだという感じ) 医学と文化人類学は親和性があるのか、文化人類学の教授が医学部に...
京大医学部の筆者が、京大を中心とした世界各地を調査する研究者に直接会って、現代日本の処方箋を聞くというコンセプトで作られた本。 一年くらいかけて、1人ずつゆっくりと読んだ。(というか、放置してたまに読んだという感じ) 医学と文化人類学は親和性があるのか、文化人類学の教授が医学部に所属する国公立大学もある。総合診療科は特にケアの見地から文化への関心が高く、大学を跨いでの文化人類学の本を読む読書会も開催されているところもある。 最後に登場するのはゴリラの山際先生。動物から学ぶ共生という観点からも、シェアとコモンズという発想が生まれるようだ。 斎藤幸平の本が広く読まれるのは、研究のどの観点からも斎藤幸平の提言する未来予想に流れ着くからなのだなと感じた。 一番印象に残ったのは、藤原辰史さんの日本で基本的人権が抑圧される社会になってしまった理由 一つは、第二次世界大戦時に築き上げられた「総力戦」の空気を熱血サラリーマンたちが会社への忠義ときて戦後も引きずってしまったこと 二つ目は、戦後すぐGHQが日本を占領きてしまった後冷戦となり、民主主義と非民主主義が混在してしまったこと。 三つ目は、やはりネオリベラリズムの台頭。 それから、鳥取にある「野の花診療所」というホスピスの取り組みも覚えておきたい。診療所なのに充実した図書室や、一人で自分を見つめられる瞑想室があり、キッチンでは美味しいお弁当を作っている。読書や食を通して人が尊厳を保つ場所が次々とできるといいなと思う。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD01112956
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世界各地でフィールドワークをしてきた京大の先生方に、現地での体験やそこから得られた考え方などを語ってもらう形式。 憑依とか、妖術とかの、超常現象と思えるような事柄についても言語化されているのはさすがです。 私は、特に後半に、共感できたり参考にさせてもらえたりする部分が多くありまし...
世界各地でフィールドワークをしてきた京大の先生方に、現地での体験やそこから得られた考え方などを語ってもらう形式。 憑依とか、妖術とかの、超常現象と思えるような事柄についても言語化されているのはさすがです。 私は、特に後半に、共感できたり参考にさせてもらえたりする部分が多くありました。 そして、日本人の中にも幅広い多様性があるけれど、それも世界から見たら狭い範囲のものかもしれない、ということ。だから、そこに縛られてしまうのは勿体ないことなんだと思った。 また、日本・世界の現状は、時代の流れの中で形づくられてきたものだから、歴史的背景を知ることは大事。他の地域や国の、現状や歴史的背景に参考にできる部分が大いにあって、大切に残していったり変えていったりできるんだ、と思った。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01425982
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