堀口捨己建築論集 の商品レビュー
最近(2023年)に刊行された戦後からの日本建築を牽引した堀口捨巳の論集です。彼の作品に触れたことがあるか思い返してみると江戸東京たてもの園の小出邸がありましたが、他に印象に残る建物群の中であったかな程度の記憶でした。個人的な見解ですがブルーのタウトが桂離宮の見方を日本人に改めさ...
最近(2023年)に刊行された戦後からの日本建築を牽引した堀口捨巳の論集です。彼の作品に触れたことがあるか思い返してみると江戸東京たてもの園の小出邸がありましたが、他に印象に残る建物群の中であったかな程度の記憶でした。個人的な見解ですがブルーのタウトが桂離宮の見方を日本人に改めさせ、磯崎新が日本人建築家の思想を世界に展開せしめるまでの間に堀口捨巳も日本人が世界に発信する建築を考え抜いてきた人なのかなと思います。少し茶室に傾倒しすぎている気もしますが、彼の主張は趣の深いもので当時のモダニズムに日本の建築が侵食されぬよう警鐘を鳴らしています。 この当時に「動く庭園」を意識しているのは完成を目指すガーデンとは異なるジルクレマンの考え方より先駆けて発信されています。
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