少年とリング屋 の商品レビュー
夢を見て夢を魅せるのがプロレスラー。 その想いは変わることはないし、それがたまらないからこそ、プロレスというものに対して憧れや尊敬を抱いている。 それは自分が何者であるか、という問いに対して答えが出ないからであったり、代替するものが欲しいからであったりするのではないか? そう突き...
夢を見て夢を魅せるのがプロレスラー。 その想いは変わることはないし、それがたまらないからこそ、プロレスというものに対して憧れや尊敬を抱いている。 それは自分が何者であるか、という問いに対して答えが出ないからであったり、代替するものが欲しいからであったりするのではないか? そう突き付けられて、それでもお前は何者であるかという問いに対して、答えを出そうとすることができるのか? 読んでいる間ずっと、自分自身への問いかけを続けられていたような気がします。 求めていたものと違うんよ。 暗闇から這い上がり、光り輝く舞台へと成り上がってゆく。そのきっかけは、一人のリング屋でした。みたいな青春小説だと思って期待して、読み出した自分のワクワクキラキラを返してほしい。 夢や憧れ、そこに辿りつくかに思えたところでの挫折。そこから這い上がり、思い描いた栄光へではなく。 挫折を繰り返しても、経験しても、自分の思い描いた青い夢や憧れの場所ではなくても、今いる場所で何者であるかを捨てずに諦めずに、自分自身の足場を構築してゆく旅路の物語であった、と感じます。 最終話の一文。 「夢を追うものには、いいことだけが待っていると勝手に思い込んでいた。しかし、そうではない結末だって世の中にはあったのだ。」 この言葉に直面して、どうするのか?立ち向かうことができるのか。 思いがけず心を抉られる物語を読んでしまった。覚悟の足りなさに後悔しつつも、これがあるから読書はやめられない、という興奮が同居している読了直後です。 TAJIRIさんのプロレスからもらうエネルギーと、また違うものをもらってしまった。
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WWEでも活躍した日本を代表するプロレスラーによる連作短編小説。もちろん全話に何らかの形でプロレスがモチーフとして関わってくる。プロレス礼賛というよりもほろ苦いエピソードが結構あるのが印象的。個人的に最も感情移入できたのは、たとえトップに立っても苦悩は消えないという普遍的な人生論...
WWEでも活躍した日本を代表するプロレスラーによる連作短編小説。もちろん全話に何らかの形でプロレスがモチーフとして関わってくる。プロレス礼賛というよりもほろ苦いエピソードが結構あるのが印象的。個人的に最も感情移入できたのは、たとえトップに立っても苦悩は消えないという普遍的な人生論を描いた『俺は何者』
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現役プロレスラーTAJIRIさんの小説。 自伝的な内容かと思ったらフィクションだったが、内容はとてもリアルだった。
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