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百貨店の戦後史 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2023/05/25

単なるノスタルジーにとどまらず、戦前戦中戦後の民衆史としてもとても興味深い一冊だった。 戦火や大火災にみまわれながらも時をおかず営業再開していく人々のパワーには各店目を見張るものがある。それをもってしても乗り越えることができなかった時代や人の変化とはなんと恐ろしい力を持っているこ...

単なるノスタルジーにとどまらず、戦前戦中戦後の民衆史としてもとても興味深い一冊だった。 戦火や大火災にみまわれながらも時をおかず営業再開していく人々のパワーには各店目を見張るものがある。それをもってしても乗り越えることができなかった時代や人の変化とはなんと恐ろしい力を持っていることか。デパートのみならず絵画や映画、書籍といった文化まで失われつつあると感じずにはいられない。

Posted byブクログ

2023/02/19

かつてはにぎわいを見せていたが、衰えが目立つ業界といえば百貨店。 西武池袋のような大都市の百貨店でさえ、これからどうなるか分からない時代。 地方の百貨店はもっと苦しい。耐えきれずに閉店した店も多い。 著者が百貨店について取り上げたりきっかけは2020年に出...

かつてはにぎわいを見せていたが、衰えが目立つ業界といえば百貨店。 西武池袋のような大都市の百貨店でさえ、これからどうなるか分からない時代。 地方の百貨店はもっと苦しい。耐えきれずに閉店した店も多い。 著者が百貨店について取り上げたりきっかけは2020年に出版した『渋谷上空のロープウェイ』だった。 版元の担当編集者から、次は全国の百貨店の屋上遊園地を調べましょうと言われたが、都内だけでも至難の業なのにと逃げ出したと述べている。 しかし、コロナ禍で地方の百貨店が次から次へとなくなっていくことに、何らかの形で痕跡を残すべきという思いが募り、「百貨店そのもの」に対象を広げたのが今回の本。 景気、立地条件、店の品ぞろえ、経営者の姿勢、客の百貨店に対する思いなど、様々な要素で百貨店が成り立っていたのが分かる。 写真、パンフレット、新聞の記事なども多数掲載していて、行ったことがなくても当時の状況を知ることができる貴重な資料だ。 これから百貨店はどうなっていくのか。物産展とデパ地下好きなので、これからも存続してほしいとは思う。 しかし、物産展のある上の階に行くまで、エスカレーターから見える各階は、客がほとんどいないからなあ。 西武池袋、東武池袋のような立地条件のいい所でこの状況なので厳しい。

Posted byブクログ