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アメリカの夜 インディヴィジュアル・プロジェクション の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2024/06/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

自己を表現したくてたまらない才気ある若者が自分を特別だと思い込もうとして書く、よくある過剰に饒舌な少し恥ずかしくなってしまうような小説。 ここまでしないと、自分は、唯生きている普通の人間なのだと宣言できない著者の若き自意識がとてもいじらしい。

Posted byブクログ

2024/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フィクションとして語られることで、事後的に自己が形作られていくが、ではその語る主体とは何なのかということが問題とされているようにも思った。語られる自己は、それがいかに精緻なものであっても、起源を持たないという点では、テクストと同等のものであるのかなと。 あとは、模倣というモチーフが繰り返されているのもおもしろいなと。例えば、「インディヴィジュアル・プロジェクション」で、オヌマは、結果的にマサキと同じこと(養成)を行おうかと考える。映画というメディアと関連づけるなら、演技と模倣がつながっていたりするのかも。

Posted byブクログ

2023/11/10

英語で言うところの「brainy」、つまり「頭脳派」のたくらみに満ちた小説で実に面白い。が、いまの目で読み返すと疲れるのも確かでそれは実に過度に情報が盛り込まれているからだ(あえて比喩的な表現を使うと、この本を読むと頭の中が「チカチカ」してくる)。それに加えて、著者の思考能力の高...

英語で言うところの「brainy」、つまり「頭脳派」のたくらみに満ちた小説で実に面白い。が、いまの目で読み返すと疲れるのも確かでそれは実に過度に情報が盛り込まれているからだ(あえて比喩的な表現を使うと、この本を読むと頭の中が「チカチカ」してくる)。それに加えて、著者の思考能力の高さゆえか展開がせっかちに変化するのでついていくのが大変でなかなか頭の中を整理するゆとりを与えてくれないという印象をも持つ。いわば著者が大いに学んだと思われる大江・中上や後藤明生、大西巨人の傑作群のコメディの要素を煮詰めたレアな達成

Posted byブクログ